2019年10月2日水曜日

ムホムホ チョメチョメ


オノマトペという言葉をご存じだろうか。なんだか音の響きが呪いの言葉や新型の性病みたいである。尾野真千子の親戚みたいな感じもする。

「雨がザーザー」「雷がピカピカ」「怒りがメラメラ」といった擬音語のことオノマトペと言うそうだ。

オノマトペという用語自体が、「オナペット」とか「カトちゃんぺ」を思い起こさせる言葉だが、元はフランス語なんだとか。

日本語はこのオナペット、いやオノマトペが多いらしい。犬や猫のワンワン、ニャーニャーもそうだし、ドキドキする、ワクワクするなど頻繁に使われている。

ムシャムシャ食べる、ガンガン働く、ジンジン痛む、ピカピカに磨く等々、常日頃から何気なく使っている。テキトーというのか、感性が豊かと言うべきか、日本人の性質に合っているのだろう。

メキメキと上達する、お腹がペコペコ、胃がキリキリ。考えてみれば擬音語の部分だけを独立させてジッと見つめてみると、先人達の感性の凄さに恐れ入る。

メキメキ、ペコペコ、キリキリである。そこだけ切り取ると超絶的に意味不明だ。謎めいている。でも、上達、お腹、胃がくっつくだけで日本全国誰にでも通じる言葉として成立する。なんとも奥が深い。

笑い方を表す際も「ニコニコ」「ニヤニヤ」「ニタニタ」「ケタケタ」「ゲラゲラ」など実に多様なパターンが存在する。

泣く場面でも「しくしく」「めそめそ」「さめざめ」「めそめそ」「はらはら」「ぽろぽろ」など実に多様だ。

それぞれ使い分けることでニュアンスがしっかり変わるところが凄い。日本語の面白さを象徴する話だと思う。

雪がしんしん降り積もる。春の小川はさらさら行くよといった風流な響きのものもある。情緒の部分にも貢献しているから、オノマトペを安易な表現、テキトーな言い回しなどと評してしまうのは間違いだろう。

このブログでもしょっちゅうそんな言葉を使っている。「ぶりぶり飲んだ」「ワシワシ食べた」「疲れてデロデロだった」「暑すぎてゲロゲロ」「梅干しをグジャグジャ」等々、たいていは過剰なニュアンスを表すときに使っている感じだ。

同じ音の繰り返しだけではない。「ドッヒャー」「ビヨーン」「サクっと」「ベロリンチョ」「チャラい」「ションボリ」「ヘチャムクレ」など例をあげればキリがない。

ついでにいえば「ペチャパイ」「ツルッパゲ」あたりも擬音語だろう。好き嫌いは別として傑作だと思う。



その昔、今は亡き山城新伍が「チョメチョメ」という言葉をハヤらせたことがある。使い道は主にエロ系である。まだ子どもだった私には神秘的な響きに聞こえた。

その後、昭和50年代に欽ちゃん番組で人気だった少女が写真週刊誌に彼氏とのベッドイン写真をすっぱ抜かれた時に「ニャンニャン」という言葉が登場した。ずばりセックスの意味である。

「ニャンニャンする」「ニャンニャンしちゃった」みたいな言い回しが普通に広まったことを覚えている。

チョメチョメ、ニャンニャンの系譜につながる言葉として私が強く推しているのが「ムホムホ」である。

「ムホムホな展開に持ち込む」「ムホムホな関係になった」という使い方も出来るし、「脚線美にムホムホした」「ビキニ姿にムホムホ」みたいな使い方も出来る。

実に含蓄に富んだ素敵な言葉である。「全日本ムホムホ普及協会」でも設立したいぐらいだ。なかなか同調してくれる人がいないのが問題である。

日本語の奥深さを書き始めたつもりだったのに、結局は下ネタになってしまうのが私のスットコドッコイな特徴である。

ついでに私が大好きな擬音語を並べてみる。ギンギン、カチカチ、ペロペロ、パコパコ、そしてフサフサである。

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