時々行きたくなるのが浅草だ。わが家の先祖はもともと浅草界隈の人だったから、私のルーツでもある。
電車で行けば割とすぐに着くのに先日は船で行ってみた。ウチからだったら浜離宮乗り場から乗船すれば済むのに、ヘンテコな形の船に乗りたくてわざわざお台場の乗り場まで行った。
アニメの巨匠・松本零士デザインのエメラルダスという船である。アニメには興味がないのだが、普段、隅田川沿いを散歩してる時にしょっちゅう見かけていたので気になっていた。
奮発して座席指定が出来るスペースを確保した。富豪である。飲み物4杯付きだから4杯しっかり飲めば高くはない。
普通の隅田川クルーズの船と違って妙にワクワクできる。小旅行気分を味わうには我ながら良いチョイスだったと思う。
40~50分の航行中、随所で名所案内の音声テープが流れる。東京の素顔を垣間見るようなルートをゆるゆると進むから退屈せずに楽しめた。
浅草に着いてもとくに予定はなく、ただぶらぶらと散策。浅草は10年ぐらい前に比べるとシュール?かつ怪しい部分が減って、すっかり綺麗な観光地になった。
それでも適当に歩けば、昭和レトロを実感するような路地や謎めいた洋品店や定食屋が目を楽しませてくれる。
歩き回れば腹が減る。浅草にいるからには洋食を食べたい気分になるから、この日は人気店・グリルグランドに足を運ぶ。
肉の旨味、タマネギの甘味が絶妙なバランスのメンチカツをツマミにビールをグビグビ。悶絶という言葉しか浮かばない。
続いてはくりぬいたパンを器にしたパンコキール。分かりやすく言えば、マカロニグラタンのマカロニ抜きの部分、すなわちホワイトスースのみである。
チーズフォンデュかと思えるほどのしっかりしたチーズの風味にベシャメルソース的ホワイトソースがミックスされている。白ワインに合わせて味わうと、これまた悶絶である。
こちらは海老とカニのクリームパスタ。イタリアンのパスタとは別次元のニッポンの洋食屋さんならではの味付けが嬉しい。これまた白ワインに良く合う。やはり悶絶。
グリルグランドといえばハヤシライスは外せない。ワインのコクが強いデミグラスソースが個性的で「大人向けの本気の洋食」といった感じである。
この日はオムハヤシにしてみた。とろとろオムライスにドバドバとハヤシソースがかかっている。見ただけで悶絶。
オムはとろとろ、チキンライスも丁寧に仕上げられた優しい味わいだ。ハヤシソースの味が強めだから、オムライスをメインに味わいたいならベーシックにケチャップ版を味わうのもアリだろう。
欲張りな私はライスを単品でもらってハヤシソースをオムハヤシからすくい取ってミニハヤシライスにしてみた。
これまた素直に美味しい。オムハヤシも抜群だが、個人的にはここの個性豊かなハヤシソースは白ご飯に合わせるのがベストだと思う。
洋食屋さんに行くと腹八分目で抑えることが絶対に出来ない。昔からの習性である。洋食屋に行った後は必ず太田胃散のお世話になる。
お寿司やウナギも大好きだが、結局のところ、いわゆるニッポンの洋食というジャンルが私にとって一番のご馳走だ。常に悶絶しまくるのがその証だ。
ビックリするほどウマい寿司やウナギも幾度となく食べてきたが、真っ当な洋食屋さんのデミグラス、ベシャメル、タルタルといったヤバいソース達をまとった料理のほうが勃〇するほど興奮するのは確かだ。
お寿司屋さんや鰻屋さんでは酩酊するまで飲むことも多い。酒中心になってしまうパターンだ。それに比べて洋食屋さんではアルコールは二の次だ。
極論すれば洋食の店なら酒無しでも楽しめる。そのぐらい食べることを優先するのが私の洋食愛の証だと思う。
毎日でも食べたいのが本音だが、そんなことをしたら間違いなくデブデブロードまっしぐらである。
変な話、余命宣告を受けたら、きっと毎日毎日洋食ざんまいの日々になると思う。
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