2020年7月3日金曜日

ベッド敬語


日本語の難しさは今更言うまでもない。半世紀以上も生きてきたのに知らないことは膨大にある。

「了解しました」「承知しました」の使い方などは、職場にうるさいオッサン先輩がいれば若者でもすぐに覚える。ネットの世界でずいぶん解説されている。

私はもともと大らかな人間?だから若い人が変な敬語を使っても腹は立たない。とはいえ、その若者の教養や知識レベルは自ずと判断してしまう。

敬語の良さは人との距離感を適度にコントロールしてくれる点だろう。親しい間柄でも適度に敬語を混ぜることで節度が生まれる。

相手が年下だと分かった途端に闇雲に乱暴な口調で話し始めるオッサンは多い。ああいうのは苦手だ。20才や30才も年下だろうと適度に敬語を混ぜるほうが正しい。人としてのセンス、品格に関わると思う。

品格などとエラそうなことを書いたが、今日書きたかったのは「ベッド敬語」である。ワイ談だ。ベッド方言とともに世の男達を煩悩の海に沈める言葉の魔術についである。

たいていの男はベッド敬語にイチコロである。根っからM気質の一部の男性は別だが、普通は悶絶する。

「気持ちいいわよ」「気持ちいいです」、「好きにして」「好きにしてください」、「こんなになってる」「こんなになってます」。

いかがだろう。敬語になることで何とも悩ましい響きになる。そう感じるのは私だけだろうか。いや、そんなはずはない。

こんなことは若い頃には気付かなかった。若い頃は猪突猛進だから、こういう人生の機微を感じるアンテナが働いていなかったのだろう。

オジサンになると機微だけを意識して過ごすようになるから、こういうヘンテコなことにやたらと敏感になるのかもしれない。



濃厚接触は世界的に制限されちゃったから、すっかりムホホな展開に心躍らせる機会もなくなった。

それでも今だに「良かったわ」ではなく「良かったです」と言われたいし、「凄かったわ」ではなく「凄かったです」と言われることを夢見て生きている。マヌケである。

ベッド敬語に萌え萌え気分になるのは、男性特有の征服欲と関係があるのだろう。男はいつだって攻略したい側だ。敬語の響きに攻略成功を実感するのかも知れない。

古来、攻略される側の女性にとっても少なからずベッド敬語には意味があるようだ。

受け身が基本という特性上、女性のほうが男性よりもM性は強いらしい。そのせいで、女性としてもベッド敬語を意識して使うことで自らの興奮度が上がるという側面もあるみたいだ。

本当だったらとてもステキな話である!

ギャップ萌えという言葉があるが、ベッド敬語もある意味でそんな要素がある。

ムホホな場面になっていること自体、お互い、鎧甲を脱ぎ捨てているわけだ。素の状態と言える。スッポンポンの素である。意味不明だ。

いわば究極の親しさである。本能のぶつけ合いみたいな状況になっているのに、敬語というヨソヨソしい響きがトッピングされると途端に淫靡な空気が流れる。まさにギャップ萌えだ。

だいたい、AVの世界やイメクラみたいな世界では敬語を前提としたシチェーションが設定されやすい。

社長と秘書、先生と生徒、嫁と義父、はたまた万引きを見つかった若奥様と店長などなど、どうしたって敬語が大事な要素になっている。

東京生まれ東京育ちの私は、ベッド敬語とともにベッド方言も大好きである。「アカン」「いけずやわ~」などと言われたら倒れそうになる。

ベッド敬語に加えてベッド方言を上手に使いこなす色っぽい女性。今の私にとっては女神みたいなものだ。頑張って探してみたい。いや、コロナが収まらないとそうもいかない。

なんともメンドーな世の中になったものである。

今日は前回に続いて下ネタに終始してしまった。世の中が窮屈になったから下ネタでも書かないとやってられない気分である。

いや、ただの欲求不満なんだろう。

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