いきなり紹介するのは、このブログで昨年8月20日にアップした「Never Too Late」と題する話だ。
http://fugoh-kisya.blogspot.jp/2014/08/never-too-late.html
これを書いたのは10か月前のことである。書こうかどうか迷ったあげく、自分にプレッシャーをかけるために全世界的?に公表した。
と、大げさに書いてみたが何のことはない。「ギターを始めました」というだけの話である。
でも、私にとっては一大事だった。大げさではなく夢みたいな話だった。宣言した以上、とっとと挫折するのもカッチョ悪い。
半世紀近くの人生で一度も楽器的なものをマトモにイジれたことがない私である。ギターへの挑戦は無謀そのものだったのだが、今日ここに新たな宣言をすることにした。
「私はギターが弾けます!」
補足。「少しだけどギターが弾けます」。
得意になって人様にお聴かせできるレベルではないが、一人自宅で気ままに簡単な曲を奏でることが出来るようになった。
私にとっては凄いことである。夢が叶ったと言っても大げさではないかもしれない。
「次に生まれてくる時は楽器が出来る人になりたい」と言い続けていたほど楽器的才能の欠落ぶりはヒドいものだった。
小学校の時の縦笛やメロディオンも「ドレミファソラシド」すらマスターしないまま終わってしまったし、聖歌隊もクビになった。これは関係ないか。
10か月前にギターを衝動買いしてギター教室に勢いで申し込んだものの、案の定、初めの数ヶ月はニッチもサッチも状態だった。
何度となくギターを投げ捨てようと思った。基本中のコードすらいつまで経っても押さえられず、右手のストロークだってちっとも一定に動かすことが出来なかった。
若い時だったら血気盛んだったから、思うようにならない状況にブチ切れて2~3か月でヤメちゃったと思う。
鈍感で大らかな中高年で良かったとつくづく思う。無理だなあ~、不可能だなあ~とボヤきながら何となくイジり続けていた。
ギター教室でもマンツーマンで指導に当たる先生を必死に励ました。「頑張るのはキミのほうだよ」と何度も叱咤激励した。
ギター先生が用意してくれる課題曲も「そんな曲を弾けるようになったって嬉しくない」と突き返し、あくまで私自身が楽しめる課題曲を選んでマイペースで練習した。
音大出身のギター先生は、こっちがちょっと油断すると譜面の話や理論の話を繰り出そうとするので、つどつど私が制止する。
今も「オジサンがそこそこ弾けるようになることだけを考えてくれ」とワガママを言い続けている。
今年の春頃になって、なんとなく右手のストロークが曲調の変化に関係なく一定に動かせるようになり、基本的なコードもそこそこ押さえられるようになった。
敬愛するハマショー師匠の楽曲のうち、テンポが遅めでコードが少なめのものを探してジャカジャカやっていたのだが、一応「ギターが曲を奏でている状態」のようになってきた。
いや、気のせいだろう。脳ミソが都合良く聴覚を錯覚させているのだろう、と思ってスマホに録音してみた。
冷静に再生してみた結果、「おや、弾けてるじゃん!」という結果だったので、その頃からようやくギターが楽しくなった。
そうなったらこっちのもんである。ネット上で、コード進行が比較的簡単そうな曲をせっせと探し、やたらめったら挑戦し続けた。いまでは50曲ぐらいの教材?が手元にある。気分に応じてポロポロいじっている。
ストロークも少しづつ変化をつけられるようになった。ほろ酔い加減で少し弾けるようになった曲を奏でるのが日課のようになった。
素敵な女性の誘いを断ってギター練習のためにまっすぐ帰宅したことさえある。さすがにそれはウソかもしれない・・。
で、ハマショー師匠の曲は10曲ぐらいはそれっぽく弾けるようになった。
ハマショー閣下の曲ばかりでもしょうがないのでアレコレ手を出し、ジュリーの「時の過ぎゆくままに」やシャネルズの「ランナウェイ」、永ちゃんの「ウイスキーコーク」、はたまた「ブルーライトヨコハマ」byいしだあゆみ!などなども結構それっぽく弾けるようになってきた。
目指した方向?とは違うのだが、演歌もバリバリである。テンポがあんな感じだし、コード進行も単調な曲が多いので練習にはもってこいである。
「みちのく一人旅」、「夢芝居」、「よこはまたそがれ」、「東京砂漠」等々。ほろ酔い加減で奏でていると妙に楽しい。
やはり大人には演歌である。
私が手ぶらでボーカリストを務めるオヤジバンドの今年のライブでは、いよいよステージにマイギターを持ち込むことにした。
「ギターを持ち込むのは来年からにしてくれよ」という私の主張は、バンドメンバーから却下された。「そんなノリだったらギターなんかやめちまえ」と実にマトを得た叱責を受け、しぶしぶ人前で演奏する予定だ。
ソロで弾き語りするほどのレベルではない。ストロークはなんとかこなせるようになったが、スリーフィンガーなどの指引きは相変わらずチンプンカンプンである。
ライブではメインギターの次のサブギターの次の「ちょっと音を鳴らす程度」の役割をこなす予定である。
ちなみに、わがオヤジバンドのギタリスト2名は相当な腕前なので、練習のたびに自分のダメっぷりを痛感する。
彼らのギターテクを目の当たりにするたびに、せっかく盛り上がっている私のモチベーションは急降下しそうになる。
でも、そういう時は街を歩く人々を眺めることにしている。
歩いている人が100人いたら、おそらくギターを弾ける人はせいぜい5人ぐらいだろう。10人はいないはずだ。
そう考えると、少しだけでも弾ける私は「10人以内」には入っているわけだ。奇跡である。オーマイガッ!である。
そもそも私の場合、ひとり自宅で酒でも飲みながらのんびりと好きな曲を奏でたい、時々は好意を寄せている女性の前でカッコつけてバラードを弾き語りしたいというのがギターに手を出した動機である。
ライブでカッチョよく演奏できるレベルの人を比較対象にしても仕方がない。我が道を行こうと思う。
「ギターを始めました」と言い続けて10か月。いよいよそんな言い回しからも卒業である。
「ギターが少し弾けます」。どんどんこれを言い続けようと思う。そうすれば今のレベルを恥ずかしく感じて上達への意欲が高まるはずだ。
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