「富豪記者サンはスーツにこだわりがあるんですね」。先日そんなことを言われた。ウッシッシ。してやったり?である。
靴にはこだわりがあるものの、それ以外にはさほど興味がない。トータルで着こなしに気を配るほどセンスもないし、余裕があったら靴を買う。
一応、身体に合ったスーツを着るようにしているが、こだわりなど全然ない。こちらの都合に合わせて生地見本を持ってきてくれる仕立て屋さんに任せているだけだ。
オーダースーツなどというと、大袈裟だが、昔と違って随分手頃になった。それなりにちゃんとした吊しのスーツと変わらない値段で注文できる。
身体に合っていない高級ブランドのスーツより、自分のサイズに合わせて作るわけだから、パッと見は「ちゃんとした人」に見えるはずだ。
私の場合、毎度毎度、どこのサイズも変えずにすべてワンパターンだ。オーダーする意味もないほど、以前に作ったスーツと同じスタイルである。
凝った人なら上着の襟の幅や角度、ベントの有無、他にも股上の深さや裾の幅、ツータックにするかノータックにするかなど作るたびに変えるのだろうが、そんな注文が面倒なのでいつも同じ。
最近では生地見本から選ぶのも億劫になって、仕立て屋さんにあらかじめ候補を絞ってもらってその中から選んだりする。
こだわりのカケラもない。
それでも上着の袖ボタンを通常より多めに付けてもらったり、1カ所だけボタンホールの糸の色を変えたりしているので、そういう細かいところに気づいた人からは「こだわっている人」だと錯覚してもらえる。
そんなオシャレな人のような小細工も仕立て屋さんに教わっただけで、私が編み出したオリジナルなどまるで無い。
にもかかわらず、こだわりのある男だと思われるのならラッキーである。やはり、いっぱしの紳士ヅラして生きている以上、ヨレた格好のイメージではマズい。
なんだかんだ言って、人は見かけで判断される。歳を重ねれば重ねるほど、そんな現実を痛感する機会は多い。
オシャレ番長みたいなオッサンは気持ち悪いが、それでも無頓着なオッサンよりは正しい心掛けだろう。
スーツに関しては割とテキトーなのだが、胸元にさすポケットチーフには少しこだわりがある。いつの間にか随分増えてしまった。
もともとはヘタれた安いスーツの安っぽさをごまかそうと胸に挿し始めたのだが、自分で買ったり、人にねだったりするうちにコレクターみたいになってしまった。
そうはいっても、毎朝無難なヤツばかり選んでしまうので、5~6種類しか使っていないかもしれない。そんなものである。
靴だって、靴箱に収まりきらずに収納スペースにも保管するほど貯まってしまったが、半年以上、いや1年以上履いていない靴がいくつもある。
センスがあれば、とっかえひっかえ違ったものを身につけたり履いたりするのだろうが、私の場合、たいてい決まったパターンに終始してしまう。
まあ、そのぐらいの感覚でちょうどいいのかもしれない。「意識高い系」などと陰口を言われるのも小っ恥ずかしい。
これからの季節はノーネクタイが基本だ。スーツにノーネクタイだとおさまりが悪いが、ポケットチーフひとつで「身だしなみに気を配っている人」という幻想?を作り出すことができるので便利である。
なんだかんだいって、大人の身だしなみは世間様から「キチンとしている人」に見えるかどうかだけがポイントである。
綺麗に磨いた靴とシワシワじゃないスーツ、ついでにポケットチーフがあれば楽々クリアである。
ということで、靴を買いに旅に出ることにした。靴よりも靴箱問題を何とかしないとならないが、それは靴を買ったあとに考えることにしよう。
2 件のコメント:
富豪記者殿
ポケットチーフで身だしなみとお洒落の演出ですか。粋ですね!気がつきませんでした。
確かにお洒落って行き着くところ、清潔感と一瞬、華やかさを演出できる何かを身につけることだと最近思ってます。
道草人生さま
ポケットチーフは簡単でいいですよ。
あんな小さな布切れを胸に適当に突っ込むだけで完了だから楽チンです。
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