2019年6月21日金曜日

ショーファードリブン


クルマの運転が少しずつ億劫になってきた。おそらく視力が弱くなってきたことがきっかけだろう。

高齢者の交通事故が相次いでいるが、ニュースを見るたびに、自分だっていつ加害者になってしまうか分からないと神妙な気持ちになる。

私の母親が運転をやめて2年ぐらいになる。運転歴は60年ほど。当初、クルマ無しの生活は相当キツかったようだが、悲惨な事故の加害者になる可能性はなくなったわけだ。

運転をやめるきっかけは、わが社の関係者が起こした事故だった。2人乗り自転車の親子が飛び出してきた接触事故だった。

こちらが普通に注意していても事故は起きる。高齢になっていた母親もその恐さを実感して英断を下したわけだ。

こんな私も、時々は運転手さんにまかせて後部座席に座る。変な言い方だが、自分自身が事故を起こす可能性がないわけだから気は楽だ。

タクシーに乗るときも同じだ。ヨレヨレのお爺ちゃんドライバーにあたると別な意味で恐怖心バリバリだが、あくまで運転していないという点は一緒だ。


先日、レクサスLS500のタクシーに乗り合わせた。いまや日本が世界に誇るサルーンである。あれをタクシーにしちゃうのも酔狂だが、やはり乗り心地はかなり良かった。

デザインもカッチョ良い。初期レクサスのドンくさい印象は無い。当時はクラウン、セルシオの延長といったイメージしかなかったが、最新型の突き抜けた感じは実に素敵だ。

私の運転歴は35年、ぺらぺらだった日本車がここまで進化したのかと思うと実に感慨深い。

ベンツのSクラスなんかは後部座席専門みたいな印象だが、LS500の場合、ショーファーカーとして後ろにドテっと座るも良し、自らハンドルを握ってもサマになる。そこが大きなポイントだろう。

後部座席に乗るクルマとして筆頭格といえばマイバッハだ。何度か乗る機会があったが、さすがにクルマ自体が持っている雰囲気が別格だ。細かい造りが実に丁寧だからそう思えるのだろう。


パっと見はちょっと大きめのベンツにしか見えないところが良い。これ見よがしな外観だとイヤミったらしいが、その部分が地味なのがオシャレだ。

新しくなったセンチュリーもおそらく素晴らしいのだろうが、あれはさすがにカタブツイメージが強すぎる。「FUN」という要素とは無縁な位置付けだ。

天変地異が起きて私が凄くエラい人に変身したとしてもセンチュリーは避けたい。まあ、そんなのに乗るようなエラい人になる可能性はないが、70歳も過ぎたらあのオーラに惹かれるのだろうか。

いま私が乗っているのは、ショーファーカーほどの長さはない。自分で運転するのが楽しいイタ車である。

一応4ドアだが、ややスポーティーな路線なので、時々運転手さんをお願いする時は、たいして快適ではない後部座席でチンマリしている。

一人者だし、ホントは2ドアクーペに乗りたいのだが、加齢のせい?で後ろに乗りたい時が増えてきたから、今後乗り換えるにしても中途半端な4ドアに落ち着きそうだ。

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