2019年7月8日月曜日

食い意地と悔しさ


歳を重ねるといろんな変化が身体に起きるが、食べる量が減ることはなかなか切ない。

ウン十年、食い道楽を続けてきた身にとっては、割とすぐに満腹になっちゃう今の状態が微妙に悔しい。負けた気がする、ってヤツだ。



我が家の冷蔵庫にはここ数年の旅先で買った名物マグネットが貼り付けてある。食べ物ばっかりである。食い意地が強い証拠みたいなものだが、絶対量が減ってしまうことは無念である。

脳の記憶は残酷だから、空腹を感じたら条件反射でドカ食いへの欲求が高まる。とはいえ、勇んで料理屋に入っても前菜をツマミに生ビールをグビグビ飲み干すと、一気に落ち着いてしまう。

おまけに最近は妙にアッサリしたものを注文して、平気で野菜にまで手を出す始末だ。水茄子の漬けたヤツがあれば必ず頼んでしまう。


茄子が大嫌いなのに水茄子だけは好物だ。自分でも意味不明だ。先日も某店で水茄子を梅酢あえにミョウガやネギやキュウリなどの薬味がドッサリ載っている一品を感激しながら食べた。

加齢である。


別な日、お付き合いで北京ダックの専門店に出かけた。銀座にある「全聚徳」だ。何年か前に移転して六本木と新宿だけになっていたが、いつのまにか銀座店がリニューアルオープンしていた。

ここの北京ダックの特徴は皮だけでなく身もしっかり付いた状態で食べさせる点だ。要はボリューミーである。で、結局2枚も食べたら満足してしまった。

若い頃は毎日3食でも大丈夫だった焼肉屋に足が向かなくなったのもここ数年の傾向だ。今では自ら焼肉を選ぶことは皆無だ。若い人にねだられて渋々出かける程度である。

肉は2切れ程度しか頼まず、チャンジャや韓国海苔、ユッケあたりをツマミに焼酎をグビグビしていれば満足できてしまう。ヘタするとわざわざカニを注文する。焼肉屋でカニをせっせと焼いている自分が少し残念だ。


もともと酒を飲み出すと、あまり食べないほうなのだが、さすがに2,3時間後には空腹になることが多い。おかげで深夜のドカ食いに走ってしまうのだが、最近はそれも激減してきた。

ついでにいえば、朝の空腹感にも変化が生じている。物心ついてからずっと、朝は目覚めた瞬間から空腹だったのだが、最近は起床後30分ぐらいはまるで食欲がない。

朝からドカ盛りメシにガッツリ肉というパターンもへっちゃらだったはずなのに、最近はサンドイッチをちまちま食べて終わったりする。


こちらは銀座の小料理屋「おかやす」で食べたしらたき麺だ。ダイエットしているわけでもないのにこういうものを注文する姿勢自体がデブとして情けない話である。

でもこういうジンワリしたヤツにそそられてしまう。食後がラクだし。。。。

とある日、日々の負けっぷりを反省して、ヤケクソのようなチャーシューで有名な新橋「ほりうち」でチャーシューつけ麺を食べた。


グジャグジャと脂っぽいチャーシューよりもこういう“グワシッ”とかじりつくチャーシューのほうが嬉しい。

いっぱしの食い意地太郎っぷりのように書いているが、麺は大盛りにしなかったし、おまけにちょっと残したし、結局は敗残兵のような気分で店を後にした。

ダメである。食欲を鍛えないといけない。

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