2023年12月29日金曜日

レトルトハヤシ 徹底研究


12月、年の暮れに私がせっせと励んだのがハヤシライスの研究である。レトルトハヤシを20種類ほど食べ比べてみた。しばらくハヤシライスは見たくないぐらい徹底してそればかり食べた。

 


 

今月始めにこのブログで「カレーじゃないレトルト」について書いたのだが、その頃に始まった「ハヤシ研究」が止まらなくなりアチコチから取寄せもして自分好みの商品を見つけるのに躍起になった。

 

ちょっとバカだと思う。こういうところがB型気質だと感じる。関心のないことは徹底的に無視する代わりに興味の持ったことには妙な集中力を発揮してしまう。

 




主に自宅での朝食の際に頑張って食べ比べた。夜は外食が多いのでそうでもしないと課題?がちっとも進まない。二日酔いの日も魚が食べたい気分の日も懲りずにハヤシ攻めに務めた。たいていは真ん中にご飯をダムのようによそって2種類のレトルトハヤシを両側にかけ分けた。

 

我ながら実に物好きだと感じる。いくつもの商品をネット通販でわざわざ高い送料まで負担して入手した。帝国ホテル、リーガロイヤルホテル、東京會舘などはレトルトのためにわざわざネットで会員登録まで済ませた。





そこら辺のスーパーで売っている100円台、200円台の商品ではなく、ご立派なウンチクを表記している500円オーバーの商品を中心に調査した感じだ。1千円超えの商品にもひるまず立ち向かってみた。

 

レトルトハヤシ一つに1千円を超える出費をすることが既にヘンテコである。とはいえ富豪記者を名乗る以上、コスパは無視である。でも美味しさは値段に比例しないことを実感できて勉強になった。

 





食べるついでに簡単にメモまでとった。でも20種類ほど食べ比べるともはや何が正しい味かちっともわからなくなった。だいたい、ハヤシライス自体がトマト系の酸味をウリにする系統か、デミグラスソース系のシチューに寄せた系統か、どっちが正解か正直分からない食べ物である。

 

ちなみに商品によって「ハヤシライス」「ハヤシビーフ」「ハッシュドビーフ」等、表記は様々だが、ここでは便宜上「ハヤシ」で統一している。

 

総論としてまず語るべきは高い商品でも入っている肉はちっとも期待できないということ。これはレトルトの宿命だろう。クズ肉と言っては悪いが、せいぜい牛丼の肉みたいなレベル。これは1千円オーバーの米沢牛を看板にした商品だろうと高級ホテルの商品だろうと同じ。

 

まあ、レトルトハヤシに求めるのは肉質ではなくあくまでソースの味わいだ。肉問題は個人的にはどうでもいい。色味は黒系、濃い茶系、淡い茶系の3系統だ。色だけで決めつけられないが個人的にはデミ系が好きだから黒系に軍配を上げたい。

 




芳味亭、柿安、グリルグランド、明治屋オリジナルハヤシ、三越伊勢丹オリジナルハヤシあたりが黒系だった。色合いについてはメモを忘れた商品もあるのでちょっと曖昧…。

 

人形の洋食の名店・芳味亭の名前を冠した一品は洋食好きなら結構満足できるレベル。650円の商品。三越伊勢丹と明治屋のオリジナルハヤシもバランスの良い味付けでコクがあってリピートしたくなる味。それぞれ450円、540円の値付け。まあまあだった柿安は750円。

 

ちなみの金額は私が入手した価格なので買い方で変動すると思う。500600円となるとスーパーで売っている廉価版の2倍以上だが、800円以上1千円超えもある中では妥当な価格だろう。味が好みならアリだと思う。

 


 

大きなスーパーでよく見かける「麻布十番シリーズ」のハヤシも600円で万人受けする美味しさ。総合力で上位に来る味だ。「日比谷松本楼」も私好みで気に入ったが値段は850円で高め。

 

800円クラスでは「スエヒロ」のハヤシにも期待したのだが、ビックリするほど甘かった。子供なら喜ぶかもしれない。逆に洋菓子の老舗「コージーコーナー」のハヤシがケーキ屋さんだから甘めの味かと想像したが、コクが深く完成度が高く560円という値付けにも好感が持てた。

 

函館の洋食の老舗「五島軒」のハヤシ(750円)も悪くなかった。ここのレトルトカレーは私の好みではないので期待していなかったのだが、椎茸やタケノコが投入されたハヤシは優しい味わいだった。


 

ネット上でよく見かけるから試してみた「創建社」のハヤシ(570円)は妙に甘かった。よくよく味わったらどうもバナナみたいな味がしてこちらも子供向けに感じた。

 

帝国ホテル(1200円)の商品はバター感が強く重たいシチューみたいな印象で正直よく分からない味だった。リーガロイヤルホテルの商品は甘味と酸味のバランスに優れていて悪くなかった。ややトマト系の味わいか(700円)。東京會舘(860円)は全体にちょっと中途半端で個人的には期待外れだった。

 



富士屋ホテル(1200円)はトマト感はない路線だが酸味が好みの人向け。やはりこの値段を考えるとビミョー、米沢牛の黄木(1200円)も然り。その他では三田屋総本家(680円)人形町今半(730円)などはとくに印象に残る感じではなかった。

 

成城石井の商品はこのラインナップの中では450円というお手軽版。味はワインと胡椒がちょっと目立つ点が好みが割れそう。よりお手軽な浅草の老舗洋食店「グリルグランド」の名前を冠したエスビー食品の商品(360円)は濃い目の味付けがお店の味を連想させるが焦げたような風味がちょっと目立つ。まあ値段を考えたら優秀だ。

 


ダラダラ書きなぐってしまったが、結局は頭の中で「値段」は影響する。400500円のウマい商品を見つければ800円の商品に過度な期待を寄せるがそれがまあまあレベルだとちょっと残念な気分になってしまう。

 

20種類ぐらいの中には正直マズいのもあった。でも味覚なんて個人的な印象だから一応遠慮気味に表現してみた。“行間”を読んで解釈してもらえはいいと思う。

 



レトルトカレーに比べてレトルトハヤシは商品数が多くないので研究対象にするのはなかなか面白かった。この研究のために軽く万単位の出費をしたが、それでもヘタな外食一回で消える値段である。レトルトハヤシ研究は“レジャー”として捉えるとなかなか楽しかった。

 

というわけで、次なる照準は「レトルトビーフシチュー」に定めている。でも私にとっては野菜が少なければ少ないほど高評価になりそうだから調査結果は信用しないでもらえると助かります。

  

★今年の更新はこれでオシマイです。皆様よいお年をお過ごしください!来年は1月5日から再開予定です。

 

 

 

 

 


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