2026年5月8日金曜日

ドカ食い魂

 

昨年、体重を落としたことをきっかけにドカ食いをする機会が無くなった。まあ、年齢的にそれが普通なのだが、物心ついてから半世紀以上に渡ってドカ食いを生きざま?にしていた私にとっては大きな変化だ。

 

ドカ食いをしなくなった自分を残念に思っているのは確かだ。純粋な敗北感である。「オレ様がこの程度で満腹になっているようじゃ世も末じゃ」と心の中でつぶやく日々である。

 

でも、せっかく体重を落としたおかげで体調が良い。この状態をみすみす放棄して再び肥えまくっちゃったらそれもそれで敗北感である。というわけで最近はウジウジと中途半端な気持ちで過ごしている。

 

そんな忸怩たる思いを束の間だが解放する機会があった。「ビュッフェディナー」に意気揚々と出かけてきた。かなり頑張ってドカ食いしてきた。とても幸せな時間だった。

 

神保町と竹橋の間にある「如水会館」が舞台だ。ゴールデンウィークのイベントみたいな形でウマいものが食べ放題である。ポイントはここの飲食部門はかの「東京會舘」が運営しているという点だ。

 

かつては洒落たホテルのビュッフェディナーにもいろいろ行ったが、正直、品数ばかり多くヤッツケ仕事みたいな料理ばかりであまり満足した記憶はない。満足したのは帝国ホテルのビュッフェぐらいだろうか。あそこは品数だけでなく味も本気だ。10年若ければしょっちゅう訪ねるはずだ。

 

さて、如水会館である。こけおどし的なイマドキの洒落たビュフェとは異なり品数は少な目で派手な飾り付けもない。こういう路線は私好みだ。九段下にあったホテルグランドパレスのビュッフェを思い起こさせる地味な感じである。

 

こういう路線の場合、提供されている食べ物は結構ウマいものばかりである。質実剛健というか、中身で勝負だ!みたいな感じで対戦相手として不足はない。

 

東京會舘の料理といえばパレスホテルあたりと並んで古き良き東京の洋食を味わえるのが特徴だ。ローストビーフをはじめ、ピラフ、カレーあたりの質と味は間違いない。かのスイーツの古典芸術であるマロンシャンテリーもある。

 

そんなウマいものが食べ放題なんて私にとっては幸せの極致である。朝から食事を控えめにして勝負に備えた。

 

で、夕方現地に到着。宴会場に急ごしらえのように造られた会場の雰囲気が質実剛健さを表していてアガる。並んでいる料理の案内書きも実に簡素だ。そこがまた「通」っぽい感じで個人的には好印象だった。

 



如水会館だけに客層も独特だ。見るからに「一橋大学関係者」みたいなカチっとした感じの人々が集っている。私にはアウェー感バリバリである。まあ暴飲暴食キャリアでは私のほうがエリートだと思い込むことにする。

 

目の前で揚げてくれる天ぷら、目の前で握ってくれる寿司などがビュッフェでは人気だが、東京會舘の洋食が目的の私にとってはまるで眼中にない。

 

伝統のダブルコンソメスープをお代わりし、あらかじめテーブルに用意されるオードブルを味わいながらこれまた無料の白ワインを舐めながら戦略を練る。

 


戦略を練ったところで私の狙いは「小海老のピラフ・シャトーソース」一本である。かつてこのブログでもシャトーソースという謎の液体をぶちまけながら食べるピラフへの偏執強的な愛情を数えきれないほど語ってきた。

 

東京會舘の本館レストランに行ってもシャトーソースをかけるピラフはレギュラーメニューではないようだから、確実に食べるにはパレスホテルなどに出向かねばならない。シャトーソースピラフの大ファンとしては、それが食べ放題というのはバンザイしたくなる話である。

 



ビュッフェ用の作り置きだから必然的に味は「それなり」だ。コメの食感もシャトーソースのビミョーな風味も「それなり」の域は出ていない。でも、でもである。私にとっては大好物をエンドレスで食べられるわけだから興奮しまくってしまった。

 

皿一杯に盛った状態でお代わりも当然した。おまけにシチューとパスタを取ってきた際もナゼか横にもピラフを追加で載っけてしまった。空の水筒でも持参してコッソリとシャトーソースを入れてきちゃえばよかったと本気で思った。

 



カレーがまたウマかった。オニオンの甘味が溶け込んだ昭和のニッポンのホテルカレーそのものの味だった。これまたお代わりするほど食べた。

 



 

ミニ鰻丼もわりとちゃんとしたウナギが使われていたので2回も食べた。ただし、2回目の鰻丼のご飯はお代わりしたカレー用に流用して満腹対策にも気を使った。

 

画像を撮り忘れたのだが、以前は置いてあったらしい名物料理「舌平目のボンファム」の代わりに用意されていた「白身魚のポーランド風」という料理も妙に美味しかった。バターの使い方が絶妙で王道洋食の味わいそのものだった

 



東京會舘のウリでもあるローストビーフも食べたが、ピラフやカレー攻撃のせいで1回しかもらわなかったのはちょっと残念だった。コメばかり食べてしまったのが敗因だ。

 

そしてデザートである。東京會舘とパレスホテルのどちらが元祖かでモメている?マロンシャンテリーのミニサイズである。これが食べ放題というのもファンにとっては感涙モノである。

 



もちろんブリブリ食べたのだが、他にもウマそうなスイーツがアレコレあったので一番間違いのなさそうなパンケーキを選ぶ。これも目の前で仕上げてくれるのがニクい。暖かいパンケーキにシロップをじゃぶじゃぶかけてアイスクリームがアクセントに加わる。そりゃあウマいに決まっている。

 



必死に食べ続けたのはスタートから45分ぐらいだろうか。さすがにべちゃくちゃ歓談しながらの宴席ではない。ただただ食べ続ける会だったから頑張っても45分が限界だ。ゆったり酒を楽しみながらもっと悠然と構えていたらトータルの食事量は増やせたのだろうか。悩ましい問題である。

 

この日以降、1週間は体重計に乗らないことを決めた。

 

以上です…。









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