2010年3月31日水曜日

グアム

グアムに行ってきた。「素敵なお父さんと思われるように家族サービスに励む」ことが目的だ。

思えば30年ほど前、初めての海外旅行がグアムだった。当時の親の偉さや有り難さを今更ながら思い知る。そのぐらい家族サービスはくたびれる。

そんなわけで温かい海を前にしてもダイビングや水中撮影は封印。一応、撮影機材の一部は持参したのでホテル前の浅瀬のサンゴを少しだけ撮影。



滞在先はヒルトンリゾートを選んだ。理由は目の前の海のサンゴ。余計な砂浜が無い分、沖まで泳がずにすぐに岩礁地帯。透明度も良く、シュノーケリングに最適。

EOS-KISSにトキナーのフィッシュアイズームの組み合わせで水面近くの南国っぽい写真とか、半分陸上、半分水中のいわゆる半水面写真を撮ったりして遊ぶ。この写真のために重い防水ハウジングをわざわざ持っていった。

私の自由時間はこの時間だけ。一人でぱちゃぱちゃ遊んでいたわずかな時間だけだ。残りの時間は娘のカヤック挑戦に付き合わされたり、息子のプール遊びのお守りをしたり、女王様、いや奥様のお買い物をにこやかに見守ったり、運転手としてアチコチ移動した。

何かと便利なので、ヒルトンではタシクラブという、いわゆるクラブルームを選択。部屋はスイートタイプにした。

どでかいベッドでも一家全員ではやはり窮屈。結局、私がリビングエリアのソファーで5泊。有料のエキストラベッドをケチったから仕方ない。お父さんはつらい。

そういえば、水中写真家が本業の私だ(?)。娘がシュノーケリングをしながら魚に餌付けしている写真も撮影しないといけない。えっちらおっちら娘を引っ張って泳ぎながら撮影に適した場所を探す。


滞在中、曇りがちだったのだが、日射しが強いタイミングを見計らって何とか撮影。こういう写真は特殊な撮影機材さえあれば誰でも撮れるが、娘には「世界中でこんな写真を撮ってくれるお父さんはいない」と恩着せがましく言っておく。

家族連れの旅行だと、洒落た店で食事をする機会はない。バイキングレストランで冷凍のタラバガニをつつくか、固い肉を頬ばるようなイメージだ。

そうは言っても食の追求は大事だ。今回私の秘密兵器は「カニフォークとカニ酢」だ。どうでもいい味の冷凍タラバもカニフォークでほじくると気分がよい。

カニ酢も大正解だ。カニ酢が不要な真っ当なカニを食べるよう心掛けたいものだが、冷凍で大味なカニにはやっぱりカニ酢だ。味がはっきりと変わる。ウッシシだ。

カニ方面とは別に私が欠かせないのが「ソース」。醤油は海外でもポピュラーだがソースは貴重。海外には日本オリジナルの中濃ソースを持っていくようにしている。

揚げ物や卵料理にはソースが必需品。オムレツや目玉焼き、ウインナー、ハムあたりの海外の定番朝飯にはソースが大活躍。コンビニで売っている小さな携帯用サイズを持参。バッチグーだ。

今回の旅行では大失敗がひとつ。大失敗というか大がっかりだ。ヤシガニ事件とでも名付けよう。思い出すだけでも腹立たしい。

カニ好きオヤジとしては街中で「ヤシガニ」の看板を出す和食屋を見つけた以上、突撃しないわけにはいかない。実際に突撃してみた。

「今日はヤシガニはあるのか?」
「冷凍モノが常備してある」

この段階でやめておけば良かったのだが、好奇心で結局注文、冷凍されたいくつかの個体を見せられて選ばされる。重量で金額が決まる。大したサイズでもないのだが70ドルも取られた。

チビチビ飲みながら待っていると調理済みヤシガニ登場。ところがどっこい。なんとクリーム煮だ。勝手に茹でガニを想像していたので愕然。これでは味なんか分かりはしない。

おまけにカニの殻が問題。包丁やハサミが入れられて食べやすくなっているのが普通だろうが、ここの店は全然ダメ。

無造作にトンカチでたたき割ったのだろう。細かく粉々に砕かれているから、わずかな身を食べようとしても細かい殻が口に広がる。

観光客相手の店とはいえ、最低最悪だ。ヤシガニ以外の料理は極々普通だったので、とんだ地雷を踏んでしまったわけだ。大失敗。

食べ物といえば、今更ながら思い知ったことがある。ルポライター風に表現すると「アメリカに毒されて」とでもいおうか。

トニーローマとかあの手のファミリー系ジャンクレストランの味に妙に馴染む自分の味覚センスがちょっと切ない。

普段エラソーに、ダシがどうだの、白身の刺身の旨味がどうだとか、酢〆の加減はこうだの、四の五の言っているくせに、グアムあたりで“アメリカンジャンク”をニコニコ頬ばって大喜び。

なんだかなあ~。でもそれが現実。

ヨーロッパやアジア方面では、すぐに和食屋を探す私だが、アメリカ圏では、ハンバーガーだとかプライムリブあたりのジャンクフードを連日ワシワシ食べても平気だ。なぜだろう。

きっと生まれ育った年代が影響しているのだと思う。昭和50年代に発育期、思春期を迎えた世代は、なんだかんだ言ってアメリカ絶対みたいな感覚があった。

ウェンディーズだシェーキーズだ、ヴィクトリアステーションだ・・・って感じ。

「ドクターペッパー」「マウンテンデュー」に衝撃を受けた世代とでも言おうか。

この手の料理の味わいは大体似たり寄ったり。口に入れてひと噛みした瞬間に弾けるインパクトがすべて。でも中毒になるような妙なウマさも感じてしまう。

今回のグアムでは、大型ショッピングモールのフードコートはもちろん、シャーリーズ、キングスといった地元で人気のファミレスに日参。

なかでも一押しはルビーチューズデイという店。ハワイでも人気のチェーン店だ。肉や魚に付いてくる特製ソースが毒毒しくもクセになる味だった。

たった6日で3キロも太った。チクショー。

0 件のコメント: