2015年4月3日金曜日

高級ホテルという存在


寝込みに行っただけのフィリピン旅行だったが、最終日はマニラのペニンシュラホテルでノンビリした。


東南アジアの田舎の海に行った際は、多くの場合、帰国前日は真っ当なホテルに泊まってリハビリ?に励む。

他のアジアの都市に比べてマニラのホテル物価は割安だから、今回もここぞとばかり高級ホテルを選んだ。

ペニンシュラも東京に比べて半額以下で泊まれる。やはり高級ホテルを名乗る以上、それなりに余裕を感じさせる造りであって欲しい。そういう点では、東京で窮屈に作られたホテルよりも遙かに良い。

日比谷にあるペニンシュラにも泊まったことがあるが、閉塞感という印象が強かった。丸の内のシャングリラも似たような印象だった。


やはり、ここ数年東京に増殖した外資系ホテルは立地的な難しさもあるのだろう。昔ながらの帝国ホテルやニューオータニあたりの日系ホテルが持つ「余裕」が足りない。

デカ過ぎるのも不便だが、窮屈な感じはもっとイヤだ。東京にあるイマドキのホテルは複合ビルの一部を利用するケースが多く、そういう意味で余裕を感じない。

かの人気ホテルチェーン「アマン」も東京に進出。つい最近大手町にオープンした。ホームページを見る限りでは「余裕」を醸し出しているが、実際はどうなんだろう。

「複合ビルの一部」という性格上、頑張っても限界はあるような気がする。

もともとバリ島やプーケットのスーパーリゾートとして知られるようになったアマンがシティーホテルを作っちゃったこと自体が何だかピンとこない。

話がそれた。

マニラのペニンシュラはロビー周りの威風堂々とした感じや装飾がコッテコテで、新しさは無いものの、分かりやすい高級感、分かりやすいクラス感に溢れていた。


オッサン、オバサンにとっては、この「分かりやすさ」こそが快適なんだと思う。スノッブな路線に走り過ぎたり、薄暗くすることだけが美徳だと勘違いしているようなホテルとは異なる。

上品な雑踏。これも大事かもしれない。あまりに人が少ないのも考え物だ。周囲から隔絶されすぎると特別扱いとしては結構なのだろうが、劇場型高揚感(変な言葉でスイマセン)は味わえない。

なんだかエラそうに書いてしまったが、結局は好みである。日比谷のペニンシュラが大好きという人もいるし、敷地全体に余裕が感じられるホテルじゃなきゃイヤという人もいる。

まあ、私の場合は複合ビルの一部に収まっているカッチョいい路線を目指すホテルが何となく好きになれないという話である。

個人的には日系の老舗ホテルをどうしても贔屓したくなる。パレスホテルやキャピトルホテルあたりの「二番手、三番手みたいで何となく地味なのに近年フルリノーベーションされて知る人ぞ知る快適な感じ」の東京のホテルに惹かれる。

ホテルって結局は築いてきた歴史が味わいにつながるのだと思う。ポッと出の外資系ホテルには無い凜とした日本の老舗ホテルはもっと評価されていいと思う。

東南アジアのリゾートホテルは、敷地内の緑や花が豊かに生い茂るようになるまでは未完成のままだという見方がある。

シティーホテルも同じだと思う。リゾートと違って草木は無くてもそこに漂う「気」が成熟してきた時が本当の完成ということなんだろう。


中途半端なホテル論を書いてしまったが、なんだかんだ言ってマニラのペニンシュラはルームサービス、朝のビュッフェ、プールでのサービスもとても良かった。

旅の目的地にわざわざマニラを選ぶ人はいないだろうが、あの街には名だたる高級ホテルが狭いエリアにゴロゴロしている。ラッフルズまであった。

アマノジャッキーの発想ではあるが、観光もショッピングもせずに高級ホテルをハシゴしてノンビリするのも一興かもしれない。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

富豪記者様

せっかくの潜水旅行残念でしたね。

私は記者様が好きな日本のホテルで働いています。なので記者様のホテルへのお好み、すごくうれしいですね。

海外旅行をするとホテルの良し悪しでその国の印象を個人的に判断する一部にもなりますよね。made in japanのホテルはスタッフがホテルに対して誇れる愛がありますよ。

富豪記者 さんのコメント...

匿名様

コメント有り難うございます。
日本のホテルのサービス面の質の高さは正解でも特異なものだと思います。
外国員旅行者が増えているそうなのでバシバシ日本の良さを発信してください!