2018年4月13日金曜日

銀座 色の道


今年ずっとサボっていた夜の部活を何となく再開した。やはり春の陽気のせいだろうか。




この冬は銀座の麗しき女性達からのお誘いも沈思黙考、泰然自若?でやり過ごし、ひたすら冬眠していた。とくに理由はない。一種のバイオリズムのようなものだろう。

ノコノコ通い始めたら、それはそれで愉快な気分になって、お人好しの私は百戦錬磨の手練手管に絡め取られるわけだ。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」をモットーにしたい私としては、それもまたいとをかしである。

シミったれた気分にならないことは大事だ。池袋の大衆酒場でホッピーとハムカツを楽しむのも快適だが、隣で呑んでいる見知らぬオヤジが明日にでも首をくくりそうな様子だったりすると、ゲンナリした気分が伝染しそうで危険である。

銀座の酒場には「負」の空気が漂っていない。勝ち組という言葉は好きではないが、そっち系の人が集まるわけだから、どこか上昇志向のような空気が漂う。

そういう空気の中に身を置くのは、まだまだ奮闘したい私にとってはエネルギーの充電につながる。

まあ、そんな綺麗事より素敵な女性にチヤホヤされて鼻の下を伸ばすのが単純に好きなんだろう。




以前は割とグビグビ飲んじゃって、調子に乗ってアフターに繰り出すこともあったが、今はさすがに眠さに負けてしまう。

アフターで盛り上がって、いい感じに発展しかけても、飲み過ぎたせいで「据え膳」を逃したこともある。

今はバカ飲みしなくなったので、そういう状況になっても臨戦態勢はバッチリなはずだが、それ以前に眠くなって帰っちゃうからムフフなハプニングは起きない。

諸行無常である。世の中、うまくコトが運ばない。まあ、だからこそ面白いのかもしれない。




考えてみれば、そんなもどかしさみたいな感覚もアノ街でぶらぶらする醍醐味なんだろう。

お世辞を真に受けて自分勝手に都合良く解釈したり、よからぬことを企んだり、女性陣相手にオジサマ達はあれこれと妄想を働かせる。

そんな妄想が現実になることは滅多にない。もどかしい話である。でも、もどかしいから楽しいという側面もある。

すべてが意のままだったら味気ない。ワクワクしない。色の道はその最たるものだ。

腹を探り合ったり、押したり引いたり、時にだまし合いのような駆け引きもある。だから面白いし、奥が深いわけだ。

と、エラそうに語ったところで、しょせん私も「あわよくば」を夢見るヒヒオヤジである。

わざわざ高い御勘定にも平気なフリをして、お世辞に浮かれ、同伴してと頼まれれば高いメシをご馳走して、結局、何も起きずに悶々と家路につく。

単なるMである。

昔々、若い頃にはるか年上の知人から「Mっぽい状況を楽しめるようになったらホントの大人だよ」と言われたことがある。

今の私はその言葉を噛みしめながら生きている。

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