15年ぐらい前にひょんなことから始めたのがバンド活動だ。音楽的素養はまるでない私がフロントマンとして歌っている。かなり長く続いたことに自分でも驚いている。
1年に1度のライブのために春ごろからちょこちょこ集まり練習を重ね、例年11月後半にプロが使う本格的なライブハウスで成果を披露している。今年も今がちょうど練習が厳しくなってくる時期だ。
当初はアコースティックギター2人と私の3人編成でチマチマやっていた。その後、サポートメンバーという名目でいろんな人が参加してくれて今では演目によっては11人編成で演奏する。
正直、行きつくところまで行きついた感覚もある。今回の還暦記念ライブを節目に今後も続けるとしたらどういう形で継続させるか思案中だ。
コロナで中止した回を除き13回ぐらいはステージで頑張った。これって意外に貴重な経験だ。独特の緊張感に包まれ普段は感じないアドレナリンをまざまざと体感し、順調に進んでいく時の高揚感や無事に終わった時の達成感。なかなか得難い体験だ。五感が冴えわたって五臓六腑が震える感覚とでも言おうか。ちょっと大げさか。
趣味の有難みってそれに没頭している時は他のことを忘れられる点だろう。限られた時間だとしても非日常の世界にワープできる。囲碁将棋だろうと料理だろうとレゴ作りだろうときっとみんな同じだ。なんならSМマニアやスカトロマニアの方々だって同じかもしれない。
私自身、60年も生きてきた中でいろんな趣味を経験してきた。長続きしなかったものもあればちっとも面白くなかったものもある。でも、そのすべてが今の自分にとって糧になっている気がする。人生の潤滑油として不可欠なことだから死ぬまで何らかの趣味は持っていたい。
ここ数年、ついついスマホとにらめっこしてどうでもいい動画なんかを眺めている時間が増えてしまった。これも一応没頭できるという点では全否定はできないが“趣味”と呼ぶにはちょっと頼りない。もうちょっと能動的な作業的要素が加われば話も変わるのだろう。
まあ、人それぞれ没頭したいことは様々だから他人がとやかく言っても始まらない。何でもいいから日常から切り離れた「没頭時間」を持つことは大事だ。
バンド活動の面白さは一から音を作り上げていく点に尽きるのだが、そんな真っ当な部分だけでなく「練習後の飲み」もまた醍醐味だ。若い頃に熱中した草野球と同じだ。野球も楽しかったが、むしろその後の飲み会にこそ面白さが詰まっていた。
もう何年もバンド活動を共にして音楽以外の深い話もする間柄になったメンバーもいるが、彼が普段どんな仕事に就いているのか知らない。一昔前、このブログで「無所属の時間」の大事さを口うるさく書いてきた私にとってはそういう関係性はある意味理想的だ。
会社名や所属する組織を前提に「どこそこの誰々さん」という定義付けが人付き合いには付きものだ。別にそれが悪いわけではないが、そういう冠を取っ払った「無所属の個人」として過ごす時間の有無が人としての“幅”を左右するような気がする。
ちなみにバンド練習が終わる時間が中途半端だと近隣で開いている飲み屋さんを見つけられないこともある。そんな時は通し営業のレストランを選んで乾杯タイムを過ごしてきた。
銀座エリアでは味噌カツの人気店「矢場とん」で何度かダラ飲みをした。飲み屋さんではないのでツマミっぽいものが少ないのだが、案外なんとかなるものである。
味噌カツや土手煮でビールやレモンサワーをぐびぐびしていれば充分楽しい。オヤジバンドの面々だから茶色いものしか無くてツラくなると「おかわり無料」の千切りキャベツを何度ももらって凌いだ。
赤坂では24時間営業の韓国料理店でサムギョプサルやプルコギで飲み、お茶の水のスタジオ練習の後はサイゼリアで飲んだ。「サイゼ飲み」の楽しさはバンド活動のおかげで経験できた。
ライブ本番まで練習も残り2回だ。当然、練習後の飲み会もまもなく終了する。何だか淋しい。
日本シリーズもドジャースも終了、大学野球もリーグ戦は終わり、明治神宮大会を残すのみだ。野球シーズンも終わっちゃうわけで、今年春から熱中してきたことがこの11月でことごとく終了しちゃう。
12月は抜け殻になっちゃいそうだ。仕方ないから温泉行脚でもしようかと思う。
で、またまた今日もペヤングの話。
今日は「甲子園カレー味」である。ヘンテコペヤングにはカレー系の商品がいくつもあるが、たいてい想像よりはウマい。カレー系の麺類が好きじゃない私が言うのだからマニアなら満足すると思う。
この甲子園カレーもちゃんと美味しかった。ソースは普通に黒い液体なのだが、混ぜるとカレー味になる。かやくに紅ショウガらしき物体が多めに混ざっているのがおそらく甲子園のカレーをイメージしているのだろう。

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