赤坂界隈には何となく思い入れがある。子どもの頃に「シャレた街だなあ」と思い込んだ印象が今も残っている。小学校5年か6年の頃に友人と二人で赤坂見附に住んでいた医大生のマンションに勉強を習いに通っていた。
週に1回、電車を乗り継いで赤坂見附を目指し、そこからその家庭教師の医大生宅まで歩いた。小学生だから実家の最寄りである荻窪駅か学校の最寄りである飯田橋・九段下エリアしか知らなかったので、赤坂見附の街並みが妙に色っぽく見えた。
家庭教師だった医大生もそれこそ絵にかいたようなボンボンタイプの男で愛車はポルシェ、いつも細身の身体に洒落たセーターを着こんでチャラい雰囲気が漂っていた。
杉並区在住の田舎者?にとってはその医大生がシティーボーイとやらの典型に見えて、舞台である赤坂見附も何だか妙にオシャレなイメージとして頭に刻み込まれた。
その後、赤坂界隈はいわゆるコリアンタウンに変貌を遂げていくのだが、私にとっての“プチ憧れ”みたいな感覚は強固なままだった。
近年、私の友人が赤坂で焼鳥屋を開業したのだが、その友人はオシャレイメージとは対極の元応援団の男である。にもかかわらす私の中の「赤坂は素敵だ」という思いは今も揺らいでいない。
そんな赤坂界隈で時々訪ねる店がいくつかある。利用頻度が高いのは手軽な肉専門居酒屋の「肉十八番屋」だ。魚介系はお寿司屋さんでしっかり食べているので居酒屋では肉が中心になりがちだ。
カウンターの端に座っているとナゼか肉系の店なのに毎度スッポンが私を見つめてくる。ガン見されながら生グレープサワーを飲むのが一つのパターンになっている。
何人かで連れ立って行く場合には肉盛り合わせが便利で有難い。鶏、豚、牛がドッサリである。他に焼きそばなどを注文すれば野郎同士の飲み会のアテとしては完璧である。
一人ふらっと訪ねた場合は馬刺しを2種類ほど注文し、牛すじ煮込みやポン酢で味わうマルチョウ、豚ステーキみたい一品をワシワシ食べる。肉に飽きたら海老とアボカドの和え物みたいな小洒落たメニューもある。
早い時間からオープンしているのも使い勝手が良い。陽の高いうちからほろ酔いになれる。週末の午後飲みに何度も利用している。
タバコが吸える点も喫煙者にとっては天国である。赤坂界隈は気のせいか愛煙家に優しい飲食店が多い印象がある。いまや絶滅危惧種の喫煙者にとっては居心地が良い街だと思う。
次に紹介する店は奇しくも「肉十八番屋」の隣にある焼鳥中心のちょっと高級居酒屋「〇(まる)」だ。こちらも喫煙OKだから時々出かける。
串モノは豚バラ紫蘇巻きやトマト巻きといったちょっと洒落た路線か。その分、コスパの良い店ではないが、焼鳥以外にもニクい小料理が揃っていて使い勝手が良い。
客層の中心は大人のグループ客だからゆったりしたカウンター席は案外空いている。一服しながら気ままに過ごせるのが有難い。
前菜も手の込んだ小鉢が出てくる。カジュアル店と高級店の中間ぐらいだろうか。メニューも豊富で肉、魚それぞれこだわっていそうなラインナップが並んでいる。
鶏ナンコツの梅水晶や豚の角煮、上質な馬刺しあたりを肴にグビグビ飲んでいることが多い。もっと本格的な料理にも手を出したいのだが、「喫煙プラス酒」モードに入るとなかなかそうもいかない。
先日もチキン南蛮を頼んだのだが、その他にもアレコレ注文していたので完食するのに難儀した。でもどれを頼んでも料理は全体的に丁寧で中高年向きの良店だと思う。
ちなみにこの「〇(まる)」というお店は銀座にも違う形態のお店をいくつか出している。喫煙者に優しいカジュアル過ぎない店を常に探している私としては赤坂よりも行きやすい銀座の探検にも励もうと思う。

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