2012年10月10日水曜日

愛という名のもとに

秋の夜長だ。いろいろ厄介事に頭を悩ませているから、ボーッとしないでなるべく本を読んだり、映画を見たりして異次元に飛ぶようにしている。

昔読んだ筒井康隆の短編だったり、備前焼の人間国宝の伝記だったり、基本的には本棚発掘に励んでいる。買ったはいいが、読まずに放置している本が結構ある。

昨日は浅田次郎の長編「シェエラザード」の前編を読み終えた。面白い。後編に向けてワクワクだ。この本も買ってから10年近くも本棚で放ったらかしになっていた。

活字を追いたくない時は映画だ。こっちはレンタルばかりだ。放浪したいからだろうか、「寅さん」ばかり見返しているのだが、先日、昔のテレビドラマをまとめて借りてみた。画像はよそからパクってきたのでVHSだが、さすがの私もDVDで見ました。


20年前にフジテレビで放送していた「愛という名のもとに」全12話を2日かけて一気に見た。

20年前、毎週欠かさず見たドラマだ。自分と同年代の「大人になって間もない若者像」を描いたドラマだったから、結構感情移入して見ていた。

就職問題、色恋、妊娠、不倫、自殺、親父の逮捕とかゴッタゴタばかりで疫病神に取りつかれたかのような大学同期7人組をめぐるストーリーだ。

当時は、このドラマの5年ぐらい前に公開されたアメリカ青春映画の名作「セント・エルモス・ファイヤー」のパクリだと思って見始めた。まあ、そうなんだろう。そうはいっても、出てくるのは全員日本人だから、いつの間にかディープな物語にはまっていった記憶がある。

当時の最高視聴率は30%を超えていたらしい。主題歌などでタイアップしたハマショーの曲を3千万人以上が聴いたことになる。おそるべし。

♫だれもが~ うぉうおうを~♫ってやつだ。12話まとめてみると、最初と最後に必ずドカンと流れるから24回も聴くはめになった。

あの曲もこのドラマで使われるだいぶ前に発表されていたから、ハマショーファンにとっては、当時の大ヒットが「何を今更、しゃらくせ~」と思った記憶がある。

さて、20年ぶりに見た印象を一言で言うと「自分の老化に気づいた」という情けないものだった。

面白いことは面白いのだが、こちらの感性が劣化してしまったのだろう。リアルタイムで見ていた頃のドキドキ感とかハラハラする感じがちっとも無い。

純粋じゃなくなってしまったのだろうか。大人もバカだが、若者の大バカさに感情移入できなくて、淋しい気持ちがした。若者たちにイライラした。鈴木保奈美は妙な顔だし。。。

唐沢寿明演じる息子に収賄を告発されてしまう大物代議士役の竜雷太(ゴリさん)のほうに目線は行ってしまうし、7人組のアイドル的存在であるモデルと不倫している森本レオの言葉に変に納得したり、どうも勝手が違ってしまった。

7人組の設定は26~27歳ぐらいだ。そう考えれば無理もない。自分のその年齢の頃を思い返せば納得してしまう。

日々ばたばたと暮らしていると20代の頃のまま単に月日が過ぎていっただけのように感じるが、冷静に定点観測みたいに分析すれば、誰もが20年前と今とでは別な人になっているのだろう。

どっちが良いとか、そういう話ではないが、そんなことを痛感した。

それにしても、20代の後半ぐらいの頃って若さゆえの変な大変さがあるのだろう。私自身、確実に今よりも悶々とする時間が多かった気がする。

不器用だし、純粋だし、応用が効かないし、なによりすべてにおいて経験がない。ジタバタもするはずだ。今になってみればそんな若さをちっともうらやましく感じない。気の毒だと思う。同情する。頑張れ若者。

大人にもいろいろあるが、味わい深い大人になるためには、そんな年代の頃にジタバタしまくったほうがいいのだろう。

なんか感想がオジイサンみたいになってしまった。

余談をひとつ。ドラマを見て思ったのだが、20年前の若者のファッションが変チクリンだったのには驚いた。みんな肩パットもりもりでブカブカした服ばかり来ている、ネクタイの結び目は異様に小さい。女子の前髪は必ず上を向いているし、男子はサイドを刈り上げている。

流行は周期的に繰り返すらしいが、そのうち、ああいうのが復活するのだろうか。なんとなく怖い。

なんか、どうでもいい結論になってしまった。 

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

懐かしいタイトルを目にしました。
当時登場人物たちより少し年下の私は、なんとなく
見ていたものです。

内容はどちらかというと大変なことが多かったような気がします。でも、色恋ひとつにしても感動的なシーンが印象に残っていて、今の時代はそんな気持ちを持つことは難しいでしょうか?

匿名 さんのコメント...

そういえば当時欠かさず観てました。ハマショーが頭の中グルグル流れます。なるほど、今みたらきっと、やっぱり、彼らの親側の気分になっちゃうのでしょうねー。

路地裏の県民 さんのコメント...

「悲しみは雪のように」という歌は、確か浜田省吾の母親が倒れた時(しかも危篤状態)、ツアーの移動中で見舞いにも行けず、その当時の気持ちを歌ったものだという事をハマショー伝説「陽のあたる場所」で読んだ記憶あり。

そういう歌がチャラチャラした恋愛ドラマの主題歌に安直に使われるのを私自身嘆いた時期もありましたが、今ではペコペコしながら熱唱さ!

富豪記者 さんのコメント...

一人目の匿名様

いつの時代も色恋は感動的です!
そんな気分になる相手と出会えたら最高ですね。。。

富豪記者 さんのコメント...

二人目の匿名様

そうなんです。立ち位置というか目線はどうしても今の年齢に影響されますね。

昔見た映画とかもそんな感覚で見直すと面白いかもしれませんね。

富豪記者 さんのコメント...

県民様


あのドラマがヒットしている時期、ハマショーブームが到来したのに、彼はウツウツ沈黙し続けたのも懐かしいですね。