WBC3連覇を目指すサムライ・ジャパン。メジャーリーガー抜きのチーム編成だけに、日本野球の底力を世界に見せつけて欲しいものだ。
先日、新大久保の豚カルビ屋でグビグビ飲んでいた時のこと、店にあるテレビで1次リーグの日本戦が放映されていた。
試合は日本が先制点を奪う。良い気分で豚カルビを頬ばる。ところが、日本リードを確認した店員が、あろうことかチャンネルを変えてしまった。韓国の音楽番組か何かを流し始めた。
なんともオヨヨな話である。“らしい”というか、実に分かりやすい「嫌日感情」を垣間見た気がする。
ちなみに、ソウル市内にある日本料理屋で、店内のテレビで韓国戦が流れていたとする。韓国がリードした時点で、これみよがしにチャンネルを変えることなど考えられない。常識的に理解不能である。
まあ、好きこのんでわざわざ新大久保の韓国料理屋に出かけていった私が間抜けだったのだろう。自業自得である。もっと、「君子」として生きていかねばなるまい。
どうでもいい話を書いてしまった。
野球がテーマだった。
ある雑誌を眺めていたら、びっくり仰天のアイテムを見つけた。「150万円のグローブ」である。エルメス製だとか。何を考えているのだろう。きっと悪ふざけだ。
でも笑えた。でもちょっと欲しい。いや、やっぱりいらない。
実に男心をくすぐるグローブである。
男、いや男の子にとってグローブには特別な思い入れがある。自分の原点というか、遠い日の純な心を思い出すアイテムだ。
私が初めてグローブを買ってもらったのは小学校4年生の時。杉並区・荻窪の駅そばのスポーツ用品店で、ミズノ製の茶色の少年用グローブが2400円だったことを覚えている。
まだ幼い手にはズッシリくる重み、革の匂いを今でも思い出す。それこそ抱いて寝た。
革を柔らかくするオイルを塗りたくって、その香りにも陶然とした。
その後、小学校高学年になり、野球部に入った時には、大ファンだった巨人の高田選手のマネをして、ミズノ製ワールドウィン(赤色カップ)の「高田モデル」を手に入れて、これまた抱いて寝た。
グローブの親指と人差し指の間のポケット部分が十字型にデザインされた実に美麗なデザイン、濃いめのブルーがこれまた超絶的にオッシャレ~な一品だった。
軟式野球の少年が、硬式用の大人が使う「高田モデル」を愛用したわけだから、革は固いし、サイズは合わないし、正直、非常に使いづらかった記憶がある。
高田モデルのせいもあって、グローブといえば、「ミズノ・ワールドウィン」が絶対だと信じて疑わなかった。巨人で言えば、セカンド・土井の小型の渋いグローブもミズノだったし、エース堀内もミズノのコンサバ系を使用していた。
その後、スッタモンダで怪物・江川が巨人に入団したあたりからグローブ業界?にも変化が見え始めた。
少年の目からすると謎めいた存在だった江川だが、彼が手にしていたグローブがまたナゾだった。
どこか見覚えのあるマリファナマークのようなロゴ。よく見れば「アディダス」である。野球用具のことならオタクレベルで詳しかった少年の目には衝撃的だった。
当時、アディダスの野球用品など存在していなかった。きっと話題の江川に使用させて、アディダスが市場に殴り込みをかけ始めた頃だったのだろう。
「ナゾの怪物・江川が使うナゾのグローブ」。アマノジャクの芽が出始めていた私だ。ミズノ・ワールドウィン一辺倒の野球少年界?に背を向けるかのように、さっそくアディダスのグローブを手に入れて悦に入っていた。
愛用していた高田モデルは、友人にあげてしまったのだが、その後、30ウン年も経った今でも、その友人は高田モデルを大事に保存しているらしい。正直言うと、高値でもいいから買い戻したいと思っている。
高校、大学と野球とは無関係に過ごしていたが、大人になってから一時期、草野球に熱中した。
いざ、昔のグローブを使おうとしても、革の匂いとは異質のカビの匂いが耐えられず、そこらへんのホームセンターでどうでもいい安物のグローブを買った。
ところが、草野球といえども、いざマウンドに立ってみるとダサいグローブを使っている自分がどうにも許せない気分になってしまって、結局買い直した。
ハワイに旅行した際、野球用品店を見つけて購入したもので「ローリングス」の本格派だ。
子どもの頃、メジャーリーガー、いや、当時は「大リーガー」と呼ぶのが普通だったのだが、秋頃に物見遊山でやってくる親善野球の大リーガーが愛用していたのがローリングスのグラブだった。
30歳を過ぎた大人になってから始めて手にした本場アメリカのローリングス。大人なのに結構興奮した。やっぱり抱いて寝た。
そんな本格的なグローブが必要ないようなレベルの草野球だったが、気持ちはいつも「大リーガー」だった。
ああ、いつかまた野球がやりたい。
でも、いまさらやったところで複雑骨折か、心不全になりそうだから無理だろう。
そういうことだ。
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