「縁日の屋台で食うもの」という固定観念もソース焼きそばが邪険に扱われる?理由の一つだ。もっといえば「カップ麺で充分だろう」みたいな先入観も世の中に根強い。
「ラーメン食べに行こうぜ」「蕎麦食べに行こうぜ」「うどん食べに行こうぜ」という会話は日々全国各地で展開されているが、「焼きそば食べに行こうぜ」はかなり少数派だ。
焼きそば専門店が少ないことも理由だ。どうにもこうにも主役にはなれない哀愁がソース焼きそばには付きまとう。あくまで「ついでに食べるもの」だからメニューの多い大衆居酒屋ではよく見かける。
こちらは日本橋のコレド室町テラスにある居酒屋「大金星」のソース焼きそば。一時間に一度焼きそばを作ることをウリにしているから店員さんもその旨を客に告知する。結構な割合の客が「それなら頼もうか」と、さもついでみたいな感じで注文する。
そういうシステムゆえにこの店では焼きそばはエース級と呼べるが、たいていの居酒屋さんでは肩身が狭そうにメニューの端っこに表記されている。なんとなく切ない。
2,3人で居酒屋に行ったとする。他のメニューの“ついで”に注文したはずなのに全員で取り合いになる。そのぐらい誰もが好きなのに「ソース焼きそば愛」を声高に叫ぶ人が少ない。ちょっと不思議な気がする。
焼きそば界隈でも高級中華系の料理になるとイメージが変わる。単価も高いゴージャス系の一品が人々から称賛される。あちらは肉や魚介類といった具材の豊富さがウリだ。ソース焼きそばは比較対象にもされない。
こちらは神保町「揚子江菜館」の上海焼きそばだ。こちらはタマネギぐらいしか具材は見当たらないので高級と言えるほどではないが、昭和の文豪・池波正太郎が愛したというストーリーのせいで人気を集めている。実際にウマい。
「格下」扱いされることのないそうした中華料理店の焼きそばは名物料理と呼ばれたりご馳走っぽいイメージになったりする。ソース焼きそばだとどうしても世間からのリスペクトとは無縁だ。哀しい話だと思う。
ソースという冠が付くと問答無用でB級扱いされてしまうようだ。そんな現実はソース好きな私からすれば由々しき問題だ。ソース焼きそばのトッピングとして豪勢に肉を盛り付けるような取り組みが世の中で広まって欲しいと思う。
ステーキ載せ焼きそば、リブローストンカツ載せ焼きそば、極太エビフライ載せ焼きそば等々、ソース焼きそばをベースにしてもゴージャス路線を目指すことは可能なはずだ。
下の画像は自宅で作ったポークソテー焼きそばだ。生姜焼き用の豚肉をガッツリ載せたことでご馳走っぽい感じに仕上がった。ディナーカレーという呼び名をパクってディナー焼きそばと名付けたいぐらいだ。
とはいえ、安直で手軽な「おやつ感」がソース焼きそば人気の生命線だという見方も否定できない。闇雲にゴージャス路線を目指すのも違うような気もする。
やはり、ラーメン界隈のように創意工夫をこらした専門店が増えることがソース焼きそばの地位向上には欠かせない。
ほんの30年前ぐらいを思い返せば今ほどラーメン屋さんは溢れかえっていなかった。メディアやSNSの影響で現在のような大賑わい状態が確立されていった経緯がある。
ソース焼きそばだって何かのきっかけで大ブレイクしないとも限らない。どこの街を歩いても焼きそば専門店が簡単に見つかる日が来ることを夢に見て残りの人生を歩んでいこうと思う。
大げさでスイマセン。












