2025年10月22日水曜日

寿司修行、5周目?


寿司の修行に長年励んだ。それこそ全国各地で修業した。客としての修行だ。30歳ぐらいの頃、将来、どんなお寿司屋さんに入っても悠然と構えていられるオヤジになろうと決意したのがきっかけだ。

 

修業時代は、時に笑われ、時に叱られ、時にはボッタくられてさまざまなことを学んだ。かなり詳しくなった。自分なりの“寿司ポリシー”も確立した。

 



それこそ3周、4周と修業を重ね、いまは5周目ぐらいだろうか。意味不明だがそんな感覚がある。5周目ともなると、かつてはクサしていた回転寿司の存在意義もよく分かるし、なんならファンになった。シャリにハンバーグが乗っていても構わないと思えるようになった。

 

回転寿司に限らず、カジュアル系の回っていないお寿司屋さんへの向き合い方もだいぶ変わった。かつては凛とした佇まいの個人店こそ正しい寿司屋であり私の修業の場だと思っていた。ちょっと偏っていたと思う。カジュアル系のお寿司屋さんにはそっちならでは良さがある。

 

一品料理も豊富で写真付きメニューがあるようなカジュアル系のお寿司屋さんはたいていが大箱系だ。職人さんとの距離が近過ぎないのも良い。

 

常連になった個人店だとどうでもいい世間話の一つもしなきゃというヘンテコなプレッシャーがかかる。お寿司そっちのけで同行者とバカ話するのも適度に控え気味だ。

 

その点、カジュアル店はカウンター居酒屋に近い感覚で過ごせる気安さが有難い。言葉は悪いが雑な気分のままでホゲホゲできる。これって案外大事な要素だ。

 

修業が長かった私は、それこそメニューも無くネタケースも表に出ていないような個人店で店主と向き合うのは得意だ。季節ごとの魚も分かるし、自分なりの組み立ても確立している。店主とのやり取りの中でウマいものを引き出したり、ワガママにならない範囲で気の利いたツマミを作ってもらって楽しく過ごす。

 

もちろん、それなりに気は使う。高級店ではちょっと背筋が伸びているだろうし、知ったかぶりにならない程度に上手にこちらの知識を混ぜながら「寿司に詳しい客」であることを何となくアピールしがち。大げさに言えば試合しているような感覚だ。

 

カジュアル系のお寿司屋さんではそういう要素は全部ナシだ。自分が作り上げてきた“寿司道”に完全に背を向けてあっけらかんと過ごせる。邪道メニューもバンバン食べる。サーモンだって普通に食べちゃう。

 




こちらはアチコチに店舗を持つ築地玉寿司の築地本店で頼んだ「塩辛手巻き」と「たらこマヨ手巻き」である。こういう“プチ邪道”ばかり頼んでしまう。またそういうズレた頼み方をしやすいのがカジュアル系のお店の有難さだ。

 

元をたどればお寿司屋さんは江戸時代のファストフードが出発点だ。カジュアル系のお店のほうが本来の流れを汲んでいるという解釈もできる。

 

支店をいくつも持つ大箱カジュアル系の店は、仕入れの点でのスケールメリットも強みだ。ネタの種類の多さは個人店の比ではない。高級個人店の“仕事系”にはもちろんかなわないようなモノもあるが総じてちゃんとしたネタが揃っている。

 



この画像はナマの穴子の炙り。巣立ちと塩で食べた。こういう面白いものも日替わりで用意されているのも楽しい。高級個人店でありがちな「こだわりの押し付け」みたいな要素も皆無だ。

 

カジュアル系と表現してみたが、好き勝手にさんざん食べてしっかり飲めばそこそこの値段にはなる。その点はさすがにお寿司屋さんというカテゴリーだ。それでも中途半端な高級寿司屋のお仕着せコースを食べさせられるより満足度は高い。

 

考えてみれば私の長年にわたる「修行の成果」をいかんなく発揮できるのはカジュアル系のお店かもしれない。なによりネタの種類が多く、こだわりの押し付けも無く、ワガママなオーダーも当然のように受けてくれる。基礎知識を備えていれば縦横無尽に寿司時間を楽しめる。

 

時には凛とした個人店でダンディーな寿司通オヤジを気取り、時にはカジュアル系の店でセオリー無視のガサツなオヤジに徹する…。修業5周目時点での私流寿司道の結論かもしれない。

 

 

で、話は変わる。今日も懲りずに恒例のヘンテコペヤングの紹介だ。

 

本日も二つ。まずは「ソースカツ丼やきそば」である。福井県にヨーロッパ軒のソースカツという名物があるらしいが、そことのコラボみたいだ。

 



ヘンテコペヤングのいくつかは「かやく」が後入れである。こちらもその一つ。小袋に入っていたのはミニチュアサイズのカツである。ちょっと笑える。ふやかした麵に付属のソースを混ぜ合わせてから最後にカツを乗せて完成だ。

 


 

感想はビミョー。ソースの味がかなり甘い。普通のペヤングもソース味だからそれとの差別化のためにソースの味を大幅に変えているのだろうが、ちょっと甘過ぎ。お子ちゃま向けという印象だ。

 

まあ、私の味覚もお子ちゃまとたいして変わらないが…。

 

お次は「海老つけ麺味」である。先日紹介した「醤油油そば」に似ていた。すなわちマズかった。ヌメッとしていた。つけ麺やら油そば系はどうも調子が悪いみたいだ。

 



中身の画像は取り忘れた。っていうかペヤングの中身の画像ってどれも似たり寄ったりで華々しい蓋のデザインに比べるとシャバダバなのがカワイイ。

 

ペヤングシリーズ、今後も続きます。ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

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