いい歳した男ならこだわりを持つべきだと長年このブログで書いてきた。一応いまもそう思う。何事においても自分の軸や芯みたいなものが無ければ頼りない。ただ流されているだけなのはシャバダバだろう。
とか言ってるくせに最近の私はかなりテキトーになってきた。いろんなことに執着心が無くなってきた。良し悪しは分からないが、それもそれでアリだと自己肯定している。
こだわりって時には単なる意固地や偏屈にも化けるから程度問題だ。考え方をしなやかに保つには「テキトー」もまた大事だ。高田純次師匠を尊敬する私としては自分の中の「こだわり男」と「テキトー男」をうまくコントロールしながら過ごしていこうと思う。
さて、前フリが長くなったが、こんなことを書くきっかけになったのが「コースのフレンチ」なる私が最も苦手とする料理を楽しく食べたことがきっかけだ。
とはいえ、肩が凝りそうな高級店ではない。銀座のママさんに連れて行かれた銀座7丁目の小洒落たカジュアルフレンチである。長い付き合いのママさんがご馳走すると言い張るので店選びを任せたらそんな店を指定してきた。
5年ぐらい前までの私なら他の店に変えてもらったはずだが、今はテキトー路線に傾きつつあるので素直に提案を受けてみた。
この半年、小麦の摂取を減らすためにパンをほとんど食べていなかったから久しぶりにバターを塗りたくったパンを求めていたのかも知れない。
お店の名前は「地球星」。雑居ビル4階に構える。カーテンの使い方が上手だから席によっては個室感覚にもアレンジできるようだ。食べ物はその日のコースのみ。ある意味潔い。
前菜、スープ、魚料理、肉料理にデザートだ。アルコール類は飲み放題のシステムで料理と合わせて何と一人8千円税込みである。スパークリングやら白赤のワインをぐびぐび飲みまくっても8千円である。気取った居酒屋で飲むより安く上がる。
飲み放題のアルコールには期待できないのが普通だが、この店ではグラスワインでも出てくる料理ごとに違う銘柄を選んでくれる。かなり気が利いていると思う。
料理も全体に優しい味付けで日本人が日本人向けに作った取っつきやすい味わいだった。ビックリするほどウマいわけではないが、すべて普通に美味しく食べられた。
おかわりできるホカホカでモッチリしたパンがまた良かった。トリュフバターを相棒にすれば延々と食べていられそうなほどだった。
銀座の一等地でこういう店は貴重だ。ワインの銘柄に何もこだわりがない私には便利な店だ。フレンチは重くて苦手だが、こちらの料理はフレンチ風家庭料理みたいなノリだったから何も問題なし。気軽に若い女子などを連れていくには悪くない。使い勝手は良さそうだ。だから結局支払いは私が済ませた。意味不明である。
ちなみに、誘われた時に「ウゲ~、フレンチなんかイヤだよ」と断ったらこういう店を知ることはなかったわけで、改めて偏屈なこだわりが強すぎると自分の世界を狭くするだけだと痛感した。
まるで意味は違うが「老いては子に従え」という格言をフッと思い出した。自我を抑えて年下の考えに沿ってみるのも偏屈ジジイ予防策として有効だと思う。
ちなみに我が師匠・高田純次先生は「老いても交尾したまえ」という格言を残している。どちらも本質を突いた素晴らしい言葉だ。胸に刻んで生きていこう。
というわけで、ここで本日のヘンテコペヤングに話を移す。
たらこ焼きそばである。この味を試すには「超大盛」というサイズしかないから仕方なくお湯をやたらと投入して作成。もちろん完食など無理だ。あくまでヘンテコペヤング研究が目的だから3分の2は捨てるハメになった。ごめんなさい。
たらこスパゲッティーが好きな私としてはかなり期待したのだが、あまりたらこ感は強くなく中途半端な味に感じた。ドデカサイスのカップ焼きそばを食べたい人はやはり普通のソース焼きそばを選ぶような気がする。
マズくはないけど印象に残らない。そんな感じ。大量のお湯を捨ててソースを混ぜ合わせて完成した時の量の多さにゲンナリしちゃったのが正直なところだ。40年前ならもっと興奮しながらむさぼった可能性は高い。
それにしても出来上がったペヤングの画像ほど「映え」ないものはない。パッと見はみんな同じだ。さすがペヤングである。
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