鉄道マニアの気持ちが少しだけ分かるようになってきた。もちろん、知識やマメさという点では、まったく素人なのだが、最近妙に特急とか長距離列車に憧れる。
現実から逃避行したいのだろうか。逃避行のイメージは飛行機より列車だ。根拠はないけどそう思う。寅さんだって必ず列車旅だった。
寅さんは、急病のリリィさんに会いに行くために羽田空港に行ったものの、柱にしがみついて飛行機が怖いとダダをこね、通りすがりのスチュワーデスにつられてようやく機上の人になったほどだ。
だからフーテン気分には電車旅である。
年末年始に随分とテレビ番組を録画した。便利な番組表機能のおかげで地上波、BS問わずあれこれ選んだ。いまだに半分も見ていない。
選んだ番組の多くが旅番組だった。BSだとマニア向けみたいな世界の鉄道旅を紹介する番組が結構多い。旅心がくすぐられまくってしまった。
今年はまだ350日ほど残っているから、海外の寝台特急に乗ることを目標にしようと考えている。候補はバンコクから出ているオリエンタル急行か、ベネチア~パリ間、もしくはバルセロナ~パリ間を走る特急だ。
言語の問題はあるが、個室に陣取ればあとは座禅でも組んでいればいい。結構楽しそうだ。きっとなんとかなるだろう。
数年前に思い立って寝台特急に乗ってみた。それが人生唯一の夜汽車体験だ。
時間があると一人で函館に行きたくなる習性がある私だ。ある時ふと変わった行き方に興味がわいて通りすがりのJR中野駅の緑の窓口で、数日後の寝台特急の空席を尋ねてみた。
人気のカシオペアは取れなかったが、北斗星は個室に空きがあった。一人で個室を占有すると結構な金額になるのだが、自分を富豪だと言い聞かせて衝動買い。クレジットカードってやつはホントに悪魔みたいな存在だ。
で、乗ってみた。かなり楽しかった。
十数時間も電車の個室に閉じこもるわけだ。退屈といえば退屈だし、やることがないといえばやることはない。でも、それが魅力である。
何もしない贅沢とでも言おうか。何も出来ないといったほうが正しいのだが、都会で暮らしているとそんな時間はなかなか無い。
何かしたくても出来ないわけだから、ハナからノンビリするしかない。ジタバタ出来ない時間とでも言おうか。これがとても新鮮だった。
キザったらしく表現すれば、自分の内面を見つめる時間、自分と語り合う時間がイヤというほどある。
人間50年近く生きてくると、いろいろと厄介なことで心がささくれだってくる。酒に逃げたり、放埒三昧の行動でごまかすこともできるが、時には沈思黙考したいときもある。
寝台特急に閉じこもって、ただただ静かな時間を過ごせば、神経をゆる~い状態に弛緩させることができそうだ。
まあ、裏返せばいとも簡単にウツっぽくなるということだから、あまり哲学的になってもいけない。適度に「壇蜜のグラビア」を眺めたり、iPodで落語でも聴いたほうがいいかもしれない。
こうして書いているだけでまた寝台特急で一夜を過ごしたくなってきた。前回乗れなかったカシオペアは、全席禁煙だと思っていたのだが、喫煙部屋もあるらしい。次回はそれを狙うか。でも、北斗星の昭和レトロ感も良かったから悩ましい問題である。
偉そうに書いてみたが、要は年始早々、遊ぶことばかり考えている私だ。
3 件のコメント:
はじめまして。
同年代の主婦です。
素晴らしい趣味思想をお持ちですね。
憧れてしまいます。
コメントありがとうございます!
趣味というか、願望みたいなものです。
実現させたいと思ってしますが。。。
今後ともよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます!
趣味というか、願望みたいなものです。
実現させたいと思ってしますが。。。
今後ともよろしくお願いいたします。
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