今日も海の話です。
ハタチの頃からダイビングを始めた。今ではせいぜい年に2回ぐらい南国リゾートでホゲホゲ潜るだけの軟弱太郎になった。今更ハード潜水に励んだら、死んじゃったりするだろうからホゲホゲダイバーでちょうどいいのだろう。
若い時はとにかく珍しい場所に行ってみたかった。カリブ海もジャマイカやケイマン、カンクンあたりの有名どころだけでなく、中米のホンジュラスとか南米に近いボネールにまで足を伸ばした。
エジプト・紅海にも行ったし、パプアニューギニアにも行ったし、25年以上前の珊瑚がピッキピキに元気だったモルディブにも行った。
インターネットが普及していなかった当時、一般的な観光地はともかく、マニアックな旅先の情報を収集するのは至難のワザだった。
インターネットが普及していなかった当時、一般的な観光地はともかく、マニアックな旅先の情報を収集するのは至難のワザだった。
海外に出かけるたびに現地で発行されているダイビング雑誌を購入し、辞書を片手にアマノジャク好みの旅先を探したりした。
初めてカリブに行った時は、航空券の安さを求めて飛行機を4回も乗り継ぐアホな行程で出かけた。でも情熱ぶりぶりだったから苦行を苦行と思わなかった。
初めてカリブに行った時は、航空券の安さを求めて飛行機を4回も乗り継ぐアホな行程で出かけた。でも情熱ぶりぶりだったから苦行を苦行と思わなかった。
エコノミークラスの狭い椅子に10時間以上一人でじっと耐えているのもちっとも苦痛じゃなかった。
ただ、昔からプロペラの小型機が苦手だったので、「川口浩探検隊」が行くような秘境みたいな場所に行けなかったことを後悔している。
インドネシアのワレア島とかラジャアンパットに行くのが夢なのだが、プロペラが必須らしいので多分夢のままで終わりそうだ。
タヒチやニューカレドニア、フィジーあたりの南太平洋に縁がなかったのも、超絶的に美しい離島には本島からプロペラ機で乗り継ぐ必要があるからで、決して物価の高さに脅えているわけではない。
さて、辺鄙な場所、日本から遠い場所で潜る魅力は、その近海にしかいない固有種に出会えることが大きい。
その昔、カリブにばかり出かけたのも、大西洋の固有種、カリブエリアの固有種を撮影したかったことが大きな理由だった。
★画像はクリックすると拡大表示されます。
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黒色がシックな魚はフレンチエンジェルフィッシュ。カリブを代表する魚だ。初めて行ったカリブ海の潜水旅行では、初日の1発目から待望のコイツに出会えて大興奮。ところが、その後何回潜ってもどこを潜ってもコイツはごろごろいた。コイツしかいなかった。超普通種だった。
2枚目はフレンチエンジェルフィッシュの幼魚。ごろごろ泳いでいたフレンチエンジェルだったが、幼魚バージョンは貴重だ。フィルムに収められたので嬉しかった一枚。
3枚目は、カリブ固有種のイエローヘッドジョーフィッシュ。巣穴から顔を出してきょろきょろしながら暮らしているジョーフィッシュは私の大好きな魚。固有種だと聞いて俄然張り切ってフィルム一本をこの被写体だけに費やした記憶がある。
わけのわからないほど派手な色彩なのが、その名もクイーンエンジェルフィッシュ。普通に撮影するのに飽きたので、マクロレンズでアップで写してみた。
縞模様のブサイク極まりないのが、カリブでもメキシコ側のコスメル島あたりでしか見かけないスプレンディッド・トードフィッシュという魚。日本の魚類分類では「ガマアンコウ目ガマアンコウ科」なんだとか。
ガマアンコウって何じゃそりゃ?という感じだが、まさしくそんな感じだ。
この魚を心ゆくまで撮影するため、大枚はたいてコスメル島でボートとガイドをチャーターした。環境保護に厳しい島なのだが、人の目がなかったうえ、高田純次みたいなメキシコ人ガイドが妙にハッスルしてくれた。この魚を無理やり穴から引っ張り出して全身まで撮影するという暴挙にでたことは内緒だ。
普段はちょこっと巣穴から顔だけ覗かせている魚なので、図鑑だろうが水中写真マニアのストック画像だろうが、この魚の全身画像はまず見ることがない。そういう意味で貴重な画像だ。
でも反省してます。
白と黒の刀みたいな魚は、正確な名前を忘れてしまった。刀みたいだから確かナンチャラ・ソードフィッシュだった気がする。
さてさて、お次も固有種が多かったエジプト・紅海。どことなく中東の海っていう雰囲気があって楽しいところだった。プロペラ機に乗る必要もないので、再訪したいエリアだ。
アラビア~ンな雰囲気を漂わす魚は、その名もアラビアンエンジェルフィッシュ。一応、固有種という扱いなのだが、日本でも生息していることが確認されているそうで、「セダカヤッコ」というさえない和名もある。
この魚の会心のショットが撮れなかったから紅海には必ずリベンジに行きたいと思っている。
黄色のペアはゴールデンバタフライフィッシュ。いわゆるチョウチョウウオである。これも固有種なので一応記録しておいた。
固有種に限らず珍しい魚、写真派ダイバー垂涎の魚にも随分遭遇してきた。オタク系ダイバーと話をすると、私も随分と希少種を見てきたようで、妙に羨ましがられる。
とはいえ、希少種の多くがヘンテコリンな姿をしていることが多い。
上から順番に全長1センチちょっとのピグミーシーホース、ニシキテグリの仲間で非常にレアなピクチャードラゴネット、砂地に漂う葉っぱに化けているツマジロオコゼ、これまた葉っぱにしか見えないカミソリウオ、そして派手さに由来する名を持つフリソデエビだ。出会えたら嬉しいのだが、写真に収めてみると得体の知れない姿形にゲンナリすることもある。
この手のヘンテコ系も可愛いが、やはり前回のこのブログに載せたようなワイド系の気持ち良い写真に比べると、そんなに「萌え~」とはならない。
こちらは、ワヌケヤッコとイナズマヤッコだ。英名でエンジェルフィッシュと呼ばれる種類は和名は「ヤッコ」である。ヤッコさんたちには美しい装飾を施している魚が多く、見ていて飽きない。
この2種類のヤッコは比較的珍しいほうで、そこそこ撮れているので自分としては満足している。
マクロレンズの機能を最大に引き出すほどの近接撮影をしなくても、ほどほどの魚をほどほどのアップで撮影していたほうが分かりやすい写真になるから、今後はそういう路線も増やしてみようと思う。
なんだか、前回と今回で30枚以上の水中画像を載せてしまった。過去の撮影画像を整理していたついでに作業したのでご容赦願いたい。
ここ数年、南国旅行に行くと出歯亀カメラマンとして、プールで水着女性を隠し撮りする悪いクセがついてしまった私だ。
昔、純粋に水中撮影に励んでいたピュアな心を取り戻すためにも、今度出かける場所は、洒落たリゾートなど無い秘境を選ぼうと思っている。
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