2023年9月13日水曜日

焼豚男

 

ラーメンを食べる時、貴重なチャーシューを温存して、減っていく麺とのバランスを取りながらちょっとずつ噛じったりしたことはないだろうか?

 

私はある。何度もある。学生の頃まではいつもそうだった。麺は残っているのにチャーシューが無くなった後のあの寂寥感は砂漠に一人置き去りにされたような切なさがある。

 

一人で砂漠にいた経験はないのだが、そのぐらい寂しい気持ちになる。だから私は大人になってからはチャーシュー麺しか頼まないのが基本だ。チャーシューをちびちび噛じることなく最後の麺をすする時にも肉をセットで味わう。これこそが大人になった喜びだ。

 

食べているのがはたしてラーメンなのかチャーシューなのか分からないのが私のラーメン道だが、そんな私をムホムホ興奮させる逸品を食べる機会があった。「喜多方ラーメン坂内」のキャンペーンのおかげである。

 



「焼豚まみれ祭」なる麗しいキャンペーンをやっているという情報を入手し、わざわざお店のインスタをフォローして特典のスペシャルラーメンを食べに行ったわけだ。メガ盛りチャーシューラーメンである。画像を見るだけでゲンナリ、いやワクワクする。

 

正直、運ばれてきた時は「無理かも」と弱気になった。若者じゃあるまいし、さすがに23枚も入ったチャーシューは我が人生でも経験がない。少したじろいだのだが元々この店のチャーシュー麺は私の好物だ。とりあえず無心で食べ始めた。

 

何が嬉しいってとにかく麺を一口食べるごとにチャーシューを一緒に頬張っても最後までチャーシューが無くなる気配がない。これって物凄い幸せだ。かつてチャーシューの残量を必死に考えながら麺をすすっていた日々に思いを馳せて涙が出そうになった。

 


ものの10分もしないうちに完食してしまった。麺量が普通だとチャーシューがドカ盛りだろうと思ったほどキツくない。キツいどころか最後まで美味しく味わった。期間限定なのが惜しいほど迫力に満ちたラーメンだった。

 

さてさて、私はチャーシューが大好きだから街ブラしている際にウマそうなチャーシューを見つけると衝動買いをしてしまう。チャーシューの面白さ?は店やメーカーによって味の差が非常に大きいところである。

 

ハムやソーセージなどはどこで何を買っても想定内の味だが、チャーシューとなると凄くウマいのから凄くマズいものまで百花繚乱である。自分好みのチャーシューを見つけると宝くじで3千円が当たったぐらいの喜びを感じる。

 



 

最近の私のお気に入りが「人形町今半」の惣菜店で売っているチャーシューだ。自宅から徒歩圏にお店があるので毎週末のように買いに行く。

 

この惣菜屋さんはすき焼きコロッケやメンチカツが人気だが、チャーシューも安定して美味しい。暑い夏の盛りには冷やし中華と一緒に頻繁に食べまくった。

 

いちいち取り寄せるのは面倒だから散歩ついでに買える点が有難い。引越し前の住まいでもわりと近くにチャーシューをウリにするお肉屋さんがあったので頻繁に買いに行った。「肉のたかさご」という月島の精肉店だ。

 



相場よりちょっと高値なのだが、ある意味それが美味しさの証ともいえる。ブロックだけでなく5枚程度からスライスされた商品も揃っているので用途に応じて色んなサイズを購入した。

 

ちなみに市販の焼豚の場合、安くてウマいのは私の経験上ほぼ皆無である。引っ越しで「肉のたかさごロス」になっていた私だが人形町今半に救われた感じだ。

 

先日、新たにウマいチャーシューを売る店を見つけた。散歩ついでに発見した「焼豚・福の屋」がそれ。日本橋のコレド室町にあるお店で、ラーメン屋さんかと思っていたら焼豚屋が基本だった。

 

イートイン形式でウマそうなラーメンを出しているのだが、私の狙いはパック売りされているチャーシューだ。画像はブロック肉だが、部位の違うチャーシューが少量からでも買える。これまた安くはないのだが優しい味付けで豚肉の旨味が感じられて気にいった。

 


コレド方面もよく散歩するコースなので私にとっては徒歩圏2軒目のお気に入りが出来たわけだ。食料品の大半はネットスーパーで配達してもらうのだが、チャーシューに関してはちゃんと自分の足で買いにいったほうが間違いない。

 

ウマいチャーシューを10枚ぐらい投入するとどうでもいい味のチルド麺のラーメンも私にとってはご馳走になる。そんな食生活で大丈夫かと思うこともあるが、スープは半分以上残すようにしているからたぶん大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

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