沖縄に行ってきた。高校野球日本代表が奮戦している18歳以下の世界大会の観戦が目的だ。ちょっと物好きな行動である。これのために夏の甲子園もしっかり見て代表メンバーに関する予備知識を入れていたので楽しく観戦できた。
沖縄には数十回は行っている。とはいえ、頻繁に通ったのは80年代後半から2000年代の始めまでの15年ぐらいだっただろうか。その後は数年に一度ぽつんと行くぐらいで今回も7年ぶりの訪問だった。
勝手知ったるホームグランドのように感じていた沖縄だが、この30年ぐらいで大きく変わった。私がマメに出かけていた頃は高速道路は建設中だったし、ゆいレールも走っていなかった。変われば変わるものである。
もっと言えば、お土産屋の店頭に飾ってある破顔一笑みたいなファンキーなシーサーの置きものも昔は滅多に見なかった。名産の壺屋焼の色柄もだいぶ変わった。陶器屋を覗いてみても私が好むのは古典的な感じでモダン系がどうしてもしっくりこない。
歳をとるってこういうことなのかと痛感させられた。でもそれだけ沖縄自体がめざましく発展したのだから結構なことである。大ヒットした「島唄」、朝ドラ「ちゅらさん」、安室奈美恵の登場あたりから確実に空気感は変わった。
こればかりは「昔はよかった」とはエラそうに言えない。喜ばしい発展である。那覇にもやたらと新しいホテルが出来ていて歩いているのも若者が多い。今後もどんどん発展してほしいものだ。なんかエラそうな書きかたですいません。
野球観戦は日本チームが3連勝するのを見て満足。セルラースタジアムに3日間通ったが、デーゲームの日はさすがに暑さがハンパなかったので2時間ちょっとの観戦中にかき氷を2回も食べてしのいだ。
泊まったホテルはロワジール・スパタワー。本館であるロワジールホテルには20年近く前に泊まったことがある。当時は新興ホテルだったが、いまや名門ホテルみたいな貫禄?を醸し出していた。
スパタワー館は本館から通路でつながっていて移動がやや面倒だったが客室は広め。何よりもスパタワー館専用の温泉大浴場が朝から夜まで通しで入り放題なのが良かった。
プールも一応あったが、オンシーズンなのにプールサイドでドリンクが頼めるようなリゾート的なサービスは無し。このあたりが日本のリゾート文化のシャバダバさを感じる。
陽気なBGMを流すわけでもなく、アイスクリーム一つ買えない。せっかく市街地にプールがあるホテルなのだから夏場のハイシーズンぐらいもっと頑張ればよいのに実に残念だ。
3泊したのだが、旅先では無性に現地のものを食べたくなる。3回の夕飯は迷わず沖縄料理屋に行った。初日の夜、迷走しながらバテバテになったせいでテキトーに入った怪しげな居酒屋が一番良かった。
「亀」という小さい店。夜の11時近くに入ったらラストオーダーが11時だという。こっちはバテバテだったから一気に注文をして12時の閉店までのんびり過ごした。
店内は何だかガチャガチャしていて渋さもオシャレな感じもまるで無かった。それがまた妙に居心地が良かったから不思議だ。
ヤギ刺し、馬肉ユッケ、ジーマミ豆腐、ソーキの煮つけなどを頼む。ヤギ刺しが非常にウマかった。酢醤油っぽいタレにおろしニンニクとおろし生姜をしっかり入れて味わう。別の日に入った民謡も聞かせるようなベタな居酒屋で出てきたヤギ刺しが臭くて食べられなかったから、この日のヤギ刺しはかなり上等だったのだろう。
さて、沖縄といえばソーキそばである。7年前の旅では確か毎食毎食ソーキそばばかり気が狂ったように食べたのだが、今回は1軒のみ。これがまた大当たりで感動的だった。
壺屋近くにある「EIBUN」という店がそれ。地元の人ではなく内地の人が研究を重ねてオープンさせたそうだ。すでに3号店まである人気だという。90年代ぐらいの基準でソーキそばを認識している私にとっては「内地の人の店、値付けも高い」というだけで「??」だが、せっかくだからトライしてみた。
やはり固定観念や食わず嫌いは時に損をすることを痛感する。この40年で食べたソーキそばの中でトップレベルでウマかった。スープも麵も奇をてらうまではいかないものの確実に古典的な沖縄そばとは一線を画す。
スープはラーメンに近い感じだが、あくまでラーメンスープとまでは言えず、ちゃんと沖縄そばのスープとして成立している。ソーキや三枚肉、細切れチャーシューみたいな肉が入っている「全部入り」にタマゴと追加ソーキも注文。
そんなトッピングをしたら余裕で2千円を超えた。でもそれを払うのに抵抗がないほどウマかった。地元の人向けではなく完全に観光客向けに徹した商売なんだろう。こういう戦略も正しいと思う。
節制中?だから麺量半分の「まぜそば」も頼んでみた。こちらはまあまあだった。コーレーグースや酢や卓上にある調味料で味変させたらだいぶ深みのある味になったが、やはり基本のスープ麺のウマさに比べれば普通だった。
「やちむん通り」という壺屋焼の窯元が集まっているエリアに近い店だから、そっちを散策するついでに訪ねるのを勧めたい。
壺屋エリアは風情があって人も少ないからあてもなく歩きたくなる。国際通りに戻るにしてもほんの10分、15分で行けるし、その途中のアーケード商店街はディープで楽しい。
疲れたらブルーシールの紅芋アイスを舐めながら一息。最近すっかり甘党になった私としては今回の旅でも甘味に癒された。さすがに泡盛も毎晩しっかり飲んだが、寝る前にはホテルの部屋で持参したスティックコーヒーのおともに雪塩ちんすこうをかじったりした。
一番ウマかったのはセブンイレブンで見つけたちんすこう入りレアチーズケーキだった。沖縄独自の商品だろうか。こんなものを夜景を見ながらコーヒーとともに味わうのが至福の時間だった。
ヘンテコな結論になってしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿