2026年9月25日金曜日

野球と人生

 

もともと野球が好きだったのだが、最近になって大学野球マニアみたいになったせいで頻繁に試合観戦をするようになった。

 

東京六大学だけでなく東都大学リーグも時間さえあれば観戦している。秋のリーグ戦前半も何度か見に行った。寒い雨の中で観戦した亜細亜大vs東洋大学の一戦も最終回に波乱の展開になって面白かった。雨合羽に傘までさして過ごしたのは生まれて初めての経験だった。我ながらマメだと思う。

 



人気の東京六大学に対して実力の東都と言われるだけあって東都大学リーグはなかなか奥が深い。東京六大学は何といっても東大という安全パイ?が存在するため実質的に5大学が覇権を争う。東都の場合、1部2部の入れ替えがあるから1試合もムダに出来ない戦国状態だ。実にシビアだ。

 

今年は東都も基本的に神宮球場を使っているので観戦しやすい。とはいえ、東京六大学に優先権があるため東都は平日限定で球場内の売店もほとんど開いていない。その格差は実際に体験すると明白だ。

 



全国の大学リーグの優勝校が激突する初夏の全国選手権や秋の明治神宮大会ではついつい東都の代表校に肩入れしたくなる。実際に観戦していても東都の野球のほうが芸が細かいというか緻密さの点で六大学より上だと感じる場面は多い。

 

話は変わる。先日、あの張本さんが亡くなった。日本プロ野球最多安打数を誇るレジェンドであり、テレビで“喝”を連発していたキャラクターでも知られた傑物だ。

 

張さんの追悼番組もいくつもみた。戦後の壮絶な体験や昭和元禄の頃の華やかな交流、野球界への独自の視点など私の世代の野球ファンにとっては面白すぎる話がたくさん紹介されていた。

 

もう10年ぐらい前だが、銀座のクラブでたまたま張本さんに遭遇したことがあった。その日は珍しくお客さんが少なかったせいもあってママさんが張さんを紹介してくれたので短い間だったが野球の話を聞かせてもらった。

 



別れ際に握手をした際に張さんの凄さを痛感した。張さんは幼い頃に大やけどを負って右手の指が不自由なことで知られていた。そんなハンデを負いながら前人未到の記録を残したことも凄いのだが、私に発した一言がまた凄かった。

 

その時の私とは当然初対面だ。張さんからすれば何の遠慮もいらないただの若造である。そんな私相手に握手すると同時に発した一言が「こんな手で申しわけない」である。それって凄いと思う。それまでの会話もまるで尊大な感じはなくむしろ低姿勢過ぎるぐらいで接してくれた。ただただ敬服したことを強烈に覚えている。

 

張さんが日ハムから巨人にトレードされたのは私が確か小学校高学年ぐらいだった。当時のメディアは巨人一辺倒だったからパリーグの情報は限られていた。日ハムの張本といえばコワモテで暴れん坊のイメージしかなかった。

 

そんな張さんが巨人に来たらどうなるんだろうとビビっていた私だったが、献身的なプレーで長嶋巨人のチーム再生の柱となり王選手のホームラン世界記録の瞬間の後方でのあの“斜めジャンプ”は伝説になった。

 

張さんの立派さは今後も語り継がれるべきだと思う。

 

さて、張さんが巨人に来た当時、私が大ファンだったのが高田繁選手だ。トレードマークの青いグローブが欲しくて親にねだった。とにかくカッチョ良かった。

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2025/05/blog-post.html

 

その高田選手の野球人生をまとめたノンフィクションを読んだ。面白くて夢中になって一晩で読み切ってしまった。

 



かの浪商から明治大学を経て巨人のスター選手になり、引退後はヤクルトの監督や巨人の2軍監督、日ハムのGМ、横浜DeNAベイスターズのGМなどを務めた野球史をまとめた一冊だ。

 

日本野球の70年というサブタイトルにもあるように野球ファンなら贔屓のチームがどこであるかに関わらず面白く読める内容だろう。

 



野球の歴史的な出来事だけでなく、引退後の指導者、フロントでの役割など組織運営の難しさや現実なども細かく描写されていたのが印象的だった。見方を変えれば中高年向きのビジネス書みたいな側面もある。なかなか読み応えのある一冊だった。

 

張さんにしても高田さんにしても現役時代の姿を覚えている人は総じて高齢化している。もはや野球界の歴史だ。あの時代があって今の時代の野球が存在すると思うと妙に感慨深い。

 

まとめられない話になってしまったが、野球が好きじゃなかったら私自身の人生も随分と違ったものだったはずだ。野球を好きになって良かったとつくづく感じる今日この頃である。

 

 

 

 

 

 

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