2024年3月11日月曜日

ホイアンの夜


前回からの続きです。


古い街並み全体が世界遺産になっているベトナムの古都ホイアンはなかなか楽しいところだった。大事に保存されている歴史的建造物が集中的に固まっていて、それがカフェやショップとして活用されている。

 

ランタンの灯りが名物で夜になると中心地を流れる川の周りが幻想的な景色に変わる。どこを切り取っても絵になる街だと思う。

 




想像以上の観光客の多さに辟易としたがそれを差し引いても行く価値のある場所だと感じた。宿泊したのは一応五つ星の「ベルマリーナリゾート」。徒歩5分ぐらいで歴史地区まで行けるのが便利だった。

 




庭やプールも快適で広めの部屋を取ったので快適な時間だった。ベランダも巨大でタバコも吸い放題。のんびり過ごせた。ハノイもそうだが、ベトナム旅行の利点の一つがホテル代の安さだろう。12万円程度でちょっとしたホテルのスイートクラスの部屋が確保できる。

 

社会主義国家だけにサービスの質にちょっとビビっていたのだが、まったく問題なく皆さん親切で人当たりもソフトな印象だった。これから発展していくうちにスレてしまわないことを祈りたい。

 




円がすっかり弱くなってしまった今、ベトナムの物価の安さは実に有難い。20年ぐらい前まではアジアへの旅は財布に優しかったことを思い出した。世界的観光地ホイアンでもそんな傾向は同じ。観光客向けのキレイな高級レストランでも日本に比べれば3分の1程度の値段だった。

 

前回の更新でベトナム名物「フォー」があまり好きではないと書いたが、ホイアンの名物はフォーよりも「カウラウ」という汁なし麺。これは何度も食べた。

 




チャーシューが乗った和え麺である。タレが甘辛くフォーよりもしっかりした味付け。パクチーは混ぜずに上に乗っているだけなので簡単に除去できるのも良い。若い頃ならこれだけ食べていれば満足できそうな味だった。

 

ホイアン周辺の名物料理としてはこれ以外に「ホワイトローズ」と呼ばれる蒸し春巻き的なものと「揚げワンタン」があるとのことなのでそれぞれ食べてみた。

 




両方とも生春巻きに使われる例のライスペーパーがポイントだ。ホワイトローズは簡単にいえば蒸し餃子っぽい感じで、揚げ春巻きはそれこそ餃子チックな一品だった。つけダレの味が決め手だからそれ次第で印象は変わる。アジアっぽいタレの甘辛味が好きな人なら満足しそうな感じだった。

 

私はコメが大好きだが、あくまで粒感が好きなのでライスペーパーや米麺にはあまり興味がない。というわけでベトナム版チキンライスに関してはどこで食べても満足した。

 




シンガポールの海南鶏飯、タイのカオマンガイなどアジア各地にチキンスープで炊いた似たような一品がある。ベトナム版もかなり美味しかった。聞くところによるとこのスタイルのチキンライスはベトナムではホイアンが本場だとか。確かに鶏肉の旨味、ご飯の味加減も納得の逸品だった。


その他はベトナム名物のバインミーと呼ばれるサンドイッチにもトライしてみた。フランスの植民地だった名残りの料理でフランスパンの中にアジアっぽい味付けの肉各種と野菜を挟んで味わう。


フランスパンがそれ用なのか、意外に固くないので見た目以上に食べやすかった。帰国後にこの画像を撮った人気店の情報を見ていたら、昨年、集団食中毒事件を起こしていた店らしい。知らずに食べて幸せだった。




東南アジア方面に行ったら欠かせないのがマンゴスチンだ。何でも揃うわが国でもこれだけは気軽に味わえない。見つけても1個が200円、300円という法外な値段だ。

 

アジアでは1キロ(20個ぐらい)で数百円で買えるし、そこら辺の道端で簡単に買える。ホイアンでも同じ。天秤棒を担いだオバサンからも買える。今回も露天で買ってホテルの冷蔵庫で冷やして朝食ビュッフェ会場に持ち込んでモリモリと食べた。

 




私にとって東南アジアはマンゴスチンとスイカジュースとマンゴシェイクである。ヘンテコな表現だが、これら抜きに旅は出来ないと言っても大袈裟ではない。今回も暑い日にはスイカジュースやマンゴシェイクで生き返った。

 



魅惑的なホイアンだが、想像以上の人の多さには驚かされた。それこそ世界中からの観光客で溢れかえっていて、ランタンが灯り始める直前の夕方には歩くのも大変なほどだった。


コロナ禍の頃が嘘のように世界中の人々がノーマスクでワイワイ楽しんでいる光景はそれだけでインパクトがあった。いろんなウイルスが飛び交っていたはずだが、帰国後数日経っても体調はバッチリだから「コロナも遠くなりにけり」である。

 



陽が落ちるとホイアンならではの眺めに癒やされる。なかなか他では見られない光景だろう。人の数こそ多いものの独特な情緒を味わえた。日本から近いところにこんな「ムーディーなアジア」?があったことを実体験出来ただけで行った甲斐があったと思う。

 





ホイアンを目指すならハノイまで直行便で飛んでそこから国内線で1時間のダナンを経由するのが便利だ。日本からハノイまでは行きが5時間半、帰りは何と4時間ちょっとだった。


その昔マメに通ったバリ島までは10時間ぐらいかかったからそれに比べればやたらと安近短である。オススメだと言えます。




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