2024年12月13日金曜日

隠れマヨラー


マヨネーズが大好きな人のことをマヨラーと呼ぶ。私はマヨネーズにはさほど熱い思いは持っていない。避けているわけではないが、あれをブリブリ投入することに妙な罪悪感を覚える。

 

最近はハム、ソーセージ類をなるべく食べないようにしているが、以前はマヨネーズと醤油をヘドロ状になるまで混ぜてそれをハムにベトベト塗りたくって炊きたてご飯の上にバウンドさせて食べていた。

 

ヘドロマヨ醤油と名付けたその一品はいわば私の青春の味だった。でも醤油と混ぜて色味をマヨ感からズラすことでマヨネーズへの罪悪感を薄めていたような気もする。


ストレートにマヨネーズをぶりっと加えることに対してナゼか遠慮してしまう。どうしても「マヨネーズは罪」という意識に囚われてしまう。

 



だから自分のことをマヨラーだとは思っていないのだが、その一方でタルタルソースをこよなく愛しているのも事実である。あれはマヨネーズがベースだが、強いネーミングのインパクトもあってマヨ感からちょっと離れている気がする。

 

「それってマヨだろ?」と聞かれても「いや、タルタルだぜ」と否定形で答えられるほど別物的なイメージがある。でもタルタルソースの味の80%はマヨネーズの味かもしれない。

 

結局は私も単なるマヨネーズ好きという結論になってしまった。隠れキリシタンならぬ隠れマヨラーといったところだろう。

 

どこの店に行こうがタルタルソースが付属している食べ物があれば脇役のはずのタルタルソースだけの画像を撮影してしまう。これを撮ってどうするんだという感じだが、魅惑的な姿にウットリしてしまう。

 



冬場はカキフライを食べることが多いが、あくまで主役はタルタルソースである。私にとってカキフライが脇役である。ピントだってタルタルに合わせる。食べ物を美味しく撮影するその道のプロでもこういう画期的な作品?は撮らないはずだ。

 

実際に食べる際にも牡蠣の風味などお構いなしにタルタルソースまみれにしたくなる。どっさり盛ったタルタルにソースをちょこっと垂らしてしばし眺める。ボッキュンボンのグラビアを鑑賞するのと同じぐらいハッピーな気分になる。

 



口に放り込めば幸せは一層加速する。牡蠣の風味はほんの少し感じられれば十分である。衣の油とタルタルソース、そしてソースが融合する。まさに三位一体である。エビフライだろうと同じだ。正直に言えば揚げ物の衣さえあればそれだけで「スーパースペシャル三位一体」を堪能できる。

 

ちょっと話が変わる。先日、久しぶりに自宅で寿司飯大会を開催した。自分好みに強めの味付けにした寿司飯を食べることが目的で、刺身類はさほど重要ではない。

 

この日も精魂込めて寿司飯を作ったのだが、回転寿司屋でしか味わえない貴重なネタである「コーンマヨ」が無性に食べたくなって適当に自作してみた。さすがにコーンとマヨネーズを混ぜるだけではあの謎めいた美味しさにはならない。

 

マヨネーズに加えて少量の醤油や麺つゆ、お湯でとかした粉末コンソメなどをテキトーに混ぜてみたら運良くそれっぽい味に仕上がった。

 



色々試している間は缶詰のコーン自体の水っぽさと上記のタレ?の水っぽさが相まってサラッとした汁状のままだったが、何度かザルでこして新たにマヨを追加投入しながら味付けを加減するうちに良い感じに粘っこさも出た。

 

自慢の寿司飯と一緒に海苔で適当にくるんで食べたらちゃんとコーンマヨ寿司として成立していた。なんだか嬉しくてバクバク食べてしまった。


コーンマヨとツナマヨはおそらく30年もすれば江戸前鮨の定番ネタになっているだろう。その頃にはきっと私の先見の明が世間から評価されるはずだ。

 

で、調子に乗って作ったコーンマヨだが、結構な量が余ってしまった。はて、せっかくの逸品を捨てるのも惜しい。というわけで、炒め飯の具材として活躍してもらうことにした。

 


 

いわばコーンマヨチャーハンである。意外に知られていないが、寿司飯って案外応用が効く。ドリアみたいにアレンジされて出されたことがあるのだが妙に美味しくて驚いた覚えがある。

 

塩コショウで炒めるだけでも酢の効果のせいで結構旨味たっぷりの味になる。そこにコーンマヨを投入するわけだからマズいはずがない。


私は天性の料理人と呼ばれるぐらいセンスの塊?だから、具材になるコーンマヨの分量に応じて白米の量や塩コショウの加減を決めた。すべて目分量である。実にテキトーだが勢いでササっと炒めてみた。

 

結果は大成功だった。また作れと言われても無理なほど見事な仕上がりだった。自画自賛である。実際、コーンマヨを作る段階からすべてが目分で、その場の勘に頼ったから二度と同じものを作れないのも確かだ。

 

まあ、それ自体がこういう料理モドキの楽しみでもある。

 

いずれにせよ、マヨネーズをそのままドバドバ食べちゃう勇気がないくせにマヨネーズを基本にしたアレンジモノは必死になって食べたがるのが私の特徴である。

 

結論。なんだかんだ言ってもしょせん私は声高らかにマヨラーだと宣言できない臆病な男なんだと思う。

 

 

 

 

 

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