2024年12月2日月曜日

老舗の看板

気づけば12月である。オッタマゲだ。確かつい先週ぐらいに除夜の鐘を聞いた気がするのだが、今年も12分の11が終わってしまった。

 

とかいいながら、例年この時期に行う我がオヤジバンドのライブが終了すると、私にとっては1年が終わったような錯覚を覚える。あとは惰性で過ごしていると新しい年が来る感じだ。

 

11月で野球シーズンも完全終了してしまった。プレミア12もそうだが、高校、大学野球の明治神宮杯も終わってしまった。突如アマチュア野球観戦に目覚めたのが私にとっての今年一番のトピックだったから何だか気が抜けたような感覚に陥っている。

 

ここから先はライブに来てくれた銀座組のいくつかの店にお礼行脚に行ってコスパ的にまったく割に合わない酒を飲んだり、ライブ前の禁欲生活の反動でいろエロな?行動に励んだり、寒空の下で何かと頑張ることになる。

 


 

11月は何かとバタバタしていたからこのブログの更新をサボっちゃうこともあった。いったい何をしていたのかと自分の行動記録を見返してみたのだが、別に騒ぐほど多忙だったわけでもない。

 

相変わらずウナギもドカドカ食べていた。元気が出る食材の代表格みたいなものだから、ひょっとすると何とか日々を過ごせているのはウナギのせいじゃないかと真面目に思うようになってきた。

 

年間にどのぐらいウナギを食べているのか調べたことはないが、シーズン中は毎月大谷翔平のホームランの数と鰻屋さんに行く回数を競っていたぐらいだから普通の人よりは遥かに多いはずだ。

 

牛丼屋で出てくるカジュアル鰻丼も含めたら年間に50回では済まないかもしれない。毎週毎週行くわけでもないが、夏何は4日連続で鰻屋さんに行くこともあったから、やはり月に4,5回平均ぐらいにはなるかもしれない。

 


 

仮に1年間まるでウナギを食べずに過ごしたら一体どれほどの元気が私から失われていくのか。ひょっとすると引きこもって寝てばかりいるかもしれない。逆にまったく食べなくても何も変わらないとしたら私のウナギ愛も怪しくなってしまう。

 

もちろん、美味しいから食べたくなるのだが、ここ数年は「元気になるはず」というおまじないみたいな効果に期待して食べているケースが大半だろう。

 

先日、銀座でちょっとした用事が夜の7時半ぐらいに終わったので、何かウマいものでも食べようとぶらぶらしてみた。結局、ウナギぐらいしか食べたいものが浮かばず近場で探すことにした。銀座6丁目付近にいたのだが、思いつくのは蒸さない関西風の鰻屋さんぐらいだ。

 

タクシーで日本橋エリアまで移動しようかと思ったのだが、それも面倒に感じて銀座シックスの中に「伊勢定」の支店があることを思い出した。横浜だかどっかの支店で食中毒を起こしたらしいが、別な店舗なら気にすることもない。

 

で、銀座シックスの最上階の店に行く。何だか妙に高級感を押し出している店舗だった。こりゃあ外国人観光客向けだなと感じたのだが、頭の中はすでにウナギがニョロニョロしていたから突撃してみた。

 

いやはや高級料亭並みの静謐な空間である。働いているオバサマたちもやたらと丁寧だ。メニューの値段を見たらそりゃそうだと理解したが、逆に考えれば日本橋の伊勢定本店よりもすべてを高値でラインナップする以上、味の方も期待できるのではと割り切ることにした。

 




うざくに白焼きを頼んで熱燗を楽しんでから鰻重でシメることにする。他にも一品料理はあったが高いし、どうせ食べきれないからシンプルに直球勝負である。

 

うざく登場。なんだか普通と違う見た目だ。たいていはキュウリやワカメの酢の物の上にウナギの切り身が乗っているのだが、こちらはウナギの下に万願寺とうがらしである。いくら辛くないとはいえ私にとっては苦手な食材だ。

 

3切ればかりのウナギにはとんぶりがトッピングされていた。まあ、高級志向の支店だからちょっと風変わりなアレンジをしたいのも分かる。でも保守派バリバリの私にとっては迷惑な組み合わせだった。

 

とはいえ、熱燗の出し方が気が利いていたからすぐに風変わりな路線にも理解を示す気になった。燗が冷めないように熱々状態がキープできる容器で提供された。酒の味も非常に良かった。こういう演出に私は弱い。

 



で、白焼きである。焼き加減、塩加減ともに文句なし。とはいえ、妙に小骨が多いのが残念。こればかりはウナギの個体差というか下仕事をした職人さんの個人差もある。我慢我慢。

 

その後、上の画像の鰻重がやってきた。こちらも焼き加減も丁寧で味も悪くない。ちゃんと美味しい。ところがやはり小骨問題がこちらにも存在した。こうなると個体差、個人差とはいえない。単純にダメだと思う。

 

せっかく店内のしつらえやサービス面を頑張っているのに肝心のウナギの仕上がりが不十分なのは論外だろう。実に惜しいと感じた。その点さえ問題なければ接待みたいな場面や勝負メシ?みたいな時に使えそうだったのに残念だ。

 

長年支持されているような老舗人気店の安定感は捨てがたい。看板は老舗でも支店になると怪しくなっちゃうケースはどんなジャンルも同じだ。

 

というわけで、結局ウマいものを食べたい時は、自分がよく知っている味が安定している店に行くべきだと今更ながら痛感した。逆に言えば、歳とともに開拓精神が薄れていくのも仕方がないことだと妙に納得した。

 

 

 

 

 

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