2011年3月9日水曜日

退屈な屁理屈

「お金がない」。

中小企業の多くが実感し、その苦しさにあえいでいる。銀行の貸し渋りは相変わらず厳しい状態で、急場しのぎに有難がられていたノンバンク系もグレー金利問題で絶滅状態。

いま我が国では、開業数より廃業数が上回る状態が当然のパターンになっている。確かに身近なところでも破産や廃業を頻繁に耳にするようになった。

「お金がない」、「お金が足りない」。ケタ違いではあるが、まったく同じ状態にあるのが国の財政そのもの。

国民が政権を選ぶ基準にした「基本的約束」であるマニフェストですら財源不足で簡単にホゴにされる始末。

お金がないならどうすべきか。答えはひとつ。ケチケチ節約するしかない。新たな収入が見込めないなら支出を削る以外に方法はない。ごく単純な話。

国の財布だって同じ。とはいえ、あれこれと難しい理屈をこねくりまわして予算削減に抵抗する勢力があるのも世の常。

中国へのODA(政府開発援助)をめぐる外務省の姿勢などはその典型だろう。外務大臣が大幅削減を指示したが、外務省は「重要な外交カード」という建前でODA削減に否定的。「予算獲得こそ命、予算獲得だけが仕事」という役人根性はここでも根強い。

いうまでもなく中国は大国中の大国だ。GDPでわが国を上回り、南米やアフリカの途上国に自ら支援を実施しているほど。

援助されている国のくせして他の国に援助しているわけだから、もはや笑い話。ついでに言えば有人宇宙飛行計画まで進めている。「宇宙に進出する開発途上国」ってありえない話だ。

外交カードだとか難しい理屈は、何となくそれっぽく聞こえるが、あくまでも常識で考えるべきだろう。もっと優先されるべき援助対象はいくらでもある。

ODAとひとくちに言っても無償資金供与だけでなく円借款という名の貸付金のウェイトも大きい。この円借款について、かつて“親中派の左巻き”与党代議士からこんなことを言われた経験がある。

「貸しているだけ。くれてやったわけではない」。

そんな屁理屈で中国向けODAを擁護しているわけだが、これってどうだろう。経営に携わって資金繰りに奔走した経験があれば「お金を借りる」ことがどれほどシビアなことか痛感するはずだ。

借りることの大変さは中小企業経営者なら誰もが切実な問題として受け止めている。高い利息がつこうが、貸してもらうだけで立派な援助であり、そのために必死に頭を下げて努力する。それが普通の人の普通の感覚だ。

「センセイと呼ばれるほどアホじゃなし」。こんな言葉を思い出す。巨額な資金、それも国民から集めた税金をジャブジャブ貸付ける行為がどれだけ尊いかがまるで分からないのだろう。

別件だが、先日、「エラくなった元クラリオンガール」ことレンホー大臣が気になる発言をしていた。都知事選に出馬したワタミ創業者が主張している「経営感覚」について、「利益追求が目的の経営と政治は違う」などともっともらしく息巻いていた。

これもまた屁理屈だろう。申し訳ないけどペケペケだ。利益追求的発想って結局はコスト意識だ。こんな大事な視点がないままで国家や自治体が運営されてきたから、いまの大借金状態につながった。

元クラリオンガールは、昨年の事業仕分けで「二番じゃダメなんですか」と迷言をブッ放して失笑を買った。今度の都知事選出馬が取り沙汰されていたが、情勢分析では「到底勝ち目ナシ」だという。そりゃそうだろう。

都知事選で負けた後で「二番じゃダメですか」では喜劇にもならない。

ずいぶん話が飛んでしまった。

対中国ODAだ。あくまで素人でも分かる方向に転換すべきであり、それこそが民主党が口を酸っぱくして主張する政治主導だと思う。

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