2013年8月21日水曜日

下町の魅力


祖父が浅草の人だったから、東京の下町には何となく思い入れがある。たまに散歩すると結構楽しめる。
浅草に限らず、谷中、根津、千駄木あたりの風情はなかなか魅力的だ。あれこそ本来の東京の空気だろう。

六本木だ西麻布だ、青山、赤坂だって東京っぽい場所だが、下町の東京らしさのほうがシックリくる。

地方から出てきた人が頑張って作り上げたカッチョいい東京も東京を代表する姿だが、土着?の東京人がその空気を代々維持してきた下町もまた、東京の本当の姿だ。

お盆の関係で先祖が呼ぶのか?なぜか夏の盛りになると下町に足が向く。

などと格好つけて書いているが、何のことはない。単なる食い道楽で出掛けてきた。

それにしても、あっち側に行くと、今ではどこからでもスカイツリーが見える。好きな人や関係者には申し訳ないが、あんまり美しい景色には見えない。

ヘンチクリンだと思う。異物感とでも言おうか。私が東京タワー世代だからだろうか。シュッとした東京タワーのフォルムと比べてスカイツリーはどことなくイカメシイ雰囲気がある。

ふと目に飛び込んできたときに、ワクワクする気持ちより、妙な圧迫感を覚える。なんでだろう。個人的な感覚だが、ちょっと不思議だ。

さて、食い道楽の話だった。


深川に近い江東区の森下にある「みの家」で馬肉をワンサカ食べた。桜鍋である。

100グラムあたりのカロリーは牛や豚に比べて格段に低い。牛サーロインが約500㎉、豚ロースが300㎉ぐらいなのに対して、馬肉は100㎉チョットである。

脂質も牛の20分の1、豚の10分の1である。それにくらべて鉄分は牛の4倍、タンパク質も牛の2倍近い数字だ。

デブな不健康オヤジには神様みたいな食べ物である。


この店の鍋は特製味噌で食べさせる。甘じょっぱい味付けがタマランチンである。ロース肉、ヒレ肉ともに新鮮ブリブリで、ピンク色ぐらいの火加減でむさぼると抜群。

下足番がいる店の風情も下町情緒タップリで落ち着く。馬刺しをつまみに冷酒をキュッと引っかけるのも最高だ。

夏バテ予防に効き目があるそうだが、既に夏バテなのでその効果は感じなかった。でも単純明快に「ウマいもん食ったぜ~」という満足感に包まれる。

近所に住んでたら頻繁に通いたくなると思う。


お次は台東区根岸にある洋食の殿堂「香味屋」だ。今は亡き祖父も好きだった老舗だ。安定的に美味しい。東京を代表する洋食屋さんだ。





上から順に、最高だったテールシチュー、最高だったメンチカツ、まあまあだったエビピラフ、ごく普通だったオムライスである。

デミグラスソースの完成度は究極と言ってもいい。こんなソースがあれば、何だって美味しいと思う。

ご飯に混ぜるだけで具が無くたって悶絶できるし、私が大嫌いな野菜だってこのデミソースをかければブリブリ食べられそうだ。

思わず頬ずりしたくなるほど愛しく感じたが、人目もあるから頬ずりはやめておいた。

ここもまた近所に住んでいたら頻繁に通いたくなると思う。

現在、賃貸マンション住まいで身軽だから思い切って下町エリアに引っ越そうかと考え始めている。

「お住まいはどちら?」

「へえ、浅草です」

ちょっと憧れる。

会社から遠いからチト難しそうだが、千駄木あたりだったら案外現実的かもしれない。

オッシャレ~な街に興味がないアマノジャッキーの住みかとしては、下町エリアは面白そうだ。

まじめに考えてみようっと。

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