2010年3月12日金曜日

恥知らず

もはや犯罪と表現しないと不自然だろう。国交省が管轄する空港需要予測のデタラメぶりは異常だ。予測と実績が比較できる72カ所の空港のうち、9割が需要予測を下回ったとか。

年間利用予測37万人に対して実際の利用者が5万人弱だった北海道の紋別空港をはじめ、予測に対して実績が2割にも満たない空港がゴロゴロ。滅茶苦茶な話。

テレビや新聞もさかんに批判的な報道を展開していたが、これも一種の風物詩。批判する方もされるほうも慣れっこになっているだけ。

批判すら気にしない悪人どもには「罰」という観点で対処すべきだろう。あまりにも無責任。民間企業がここまでひどい予測をもとにプロジェクトを失敗させたら、ハラを切る人間が出る。

建設ありきで数字をでっち上げ、再検討をしないまま「きっと予測通りになるはず」と傍観する極悪体質。誘致した首長や関係者も空港完成後数年もすれば勇退や人事異動で我関せずを決め込む。誰も責任を取らないし、責任を取らせる制度も風土もない。

日本航空の破綻だって、赤字路線を渋々飛んでいたことが要因のひとつ。結局回り回って、税金投入という事態になって該当地域以外にもツケがまわってくる。

空港に限らず、高速道路や無用な橋なんかの道路関係でも昔から大甘な需要予測の弊害は指摘され続けている。

族議員の介入、ヒモつき政治献金、官僚の天下りという“ズブズブシステム”がもたらす構造的な犯罪だ。このあたりを正すことを期待されて政権の座についた民主党だが、一向に斬り込む気配がない。

同じ税金でも、納める税金はわずかなミスにも加算税という罰がつく。悪質で高額な脱税なら刑事事件として立件され、懲役刑も用意されている。

一方の使われる税金はどうだ。意図的なウソデータを作り上げて、それを根拠にムダ遣いしても罪にならない。納税者をバカにした話。

国交省航空局の言い分がまた凄まじい。

「空港によっていろんな事情があり、一概に需要予測が甘かったとはいえない」。

傲慢不遜極まりなくてビックリする、居直りと言うにはあまりにふざけた内容。まさにバカにつける薬はない。

税金のムダをチェックする会計検査院という組織があるが、役所のふざけたムダ遣いを見つけても、基本的にはその悪事を「指摘」するだけであり、極悪脱税犯がとっ捕まった時に比べれば屁のカッパだ。

西洋の「罪の文化」に対して「恥の文化」と表現されてきた日本の国民性。いまや中央省庁が先頭に立ってウソとデタラメを繰り返す「恥知らずの文化」になってしまった。

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