税金が高すぎると思っている人は38%。税金が高くなっても福祉の充実を求める人が39%。博報堂生活総合研究所が行った税金に関する意識調査の結果だ。実に興味深いデータだと思う。
税金を高いと思わない人が6割、増税しても構わないという人が4割。今の時代を端的に表わしている。
ここ10年、いやそれ以上前から大衆向けの減税と節操のないバラマキ政策のツケで超借金大国になったわが国。その結果がこれだ。国民は不安におののき、自ら増税まで考える始末。
自分のフトコロから出て行く金は理由はどうあれ痛みを伴う。ましてやそれが税金だったら“痛税感”は誰もが感じる。
たとえ一般的に低水準に見えたとしても本人の感覚では重く感じるのが税金というものだろう。それすら感じない現状は異常だ。
もちろん、税金が高いほうがいいという話ではない。八つ当たり対象、忌み嫌うべき対象である税金なのに増税容認派が増えている現実の異常性が気になる。いかに政府が国民にアメだけをばらまいてきたかという証しだ。
まさに選挙のことだけを考えた政治のツケ。理念なんかそっちのけで大衆受けだけを狙った租税政策を推し進め、そのなれの果てが現状の一種異様事態だろう。
世の中が大きく変わる時、たとえば政権交代だとか、大げさにいえば革命なんかが起きる際には必ずといっていいほど重税への不満という背景がある。
そう考えるとわが国の現状は悲喜劇というか、滑稽にも見える。トンチンカンの極み。甘言政策ばかりだった政治の責任だけでなく、民意のあり方も冷静に考え直す時期に来ているのだろう。
政権与党たる民主党は参院選敗北の理由を菅首相の消費税唐突発言に矮小化してしまった。マニフェスト無視を国民が怒ってるという真の理由を隠すために消費税という鬼っ子に責任を押しつけた格好だ。
結局、消費税論議は尻すぼみ。責任与党でありながら消費税に関してはお口にチャック状態。
最悪の財政状況を前に相も変わらぬ頬被り、先送りというお粗末な事態が続きそうだ。いま必要なのは、とにもかくにも「腹をくくった政治」なんだと思う。
2010年8月16日月曜日
変な話
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