2012年11月28日水曜日

2~30年前

年齢のせいなのか、最近、2~30年前のことをよく思い出す。

といっても、別にセンチな話ではなく、世の中の移り変わりに目を丸くする場面が多くなったから、ふと昔の事情を懐かしく思い出す。

最近、今年発売された新品の日本製の60インチテレビを10万円台後半で買った。ほんの10年前なら「1インチあたり1万円」が普通だったからデフレ社会を痛感した。

30年ぐらい前にはカセットテープを再生するだけのウォークマンが2~3万円したように記憶している。今回、テレビに合わせて日本製のフロントサラウンドの真っ当なホームシアターセットを買ったのだが、昔のウォークマン程度の価格で買えた。

ビックリである。

昭和50年代あたりだと、ダブルカセットのラジカセがウン万円、CD再生コンポが10数万円していたことを考えると隔世の感がある。

今回買ったホームシアターセットにはiPodが接続できるのだが、充分満足できる音質だ。昔の10数万円のコンポセットよりも良い音かもしれない。

ドラム式の洗濯乾燥機も一ケタ万円で買ったし、結構な容量の冷蔵庫も一ケタ万円だった。

日本の家電メーカーが危機的状況になるのも当然だ。安値競争の行く末は破たんでしかないのだろう。妙に世相を実感して、この国の行方が心配になってしまった。

さて、そんな固い話ではなく、巷の食生活にしても2~30年で随分変わった。外食自体が贅沢だったわけだから、それ自体が凄い変化だ。

東京人として最近感じるのは「西の影響」だ。東京のおでんやうどんが黒くなくなったのは、ここ20年ぐらいの話だと思う。

良し悪しを論じたらキリがないが、30年前、東京のうどんといえば、真っ黒いツユにそまったフニャフニャ麺が普通だった。透き通ったツユなどは見たこともなかった。

あんなにコシの強いうどんにもまず遭遇しなかった。おでんしかり。京風だか大阪風だか知らないが、おすまし系のおでんが一気に普及したのは最近の話だと思う。

小洒落た焼肉屋。これも30年前には滅多に見かけなかった。当時は、どこかディープな雰囲気の店が中心で若い男女がデートや合コンの行き先に選ぶことは無かった。

沖縄料理屋も同じ。見かけたとしても沖縄出身のお馴染みさんだけが集まっているような雰囲気だったような記憶がある。

まあ、シーサーの置物あたりも今では大笑いしている漫画チックなものが出回っているぐらいだから大きく変わったのだろう。

話は変わる。東京人にとって「イクラ」といえば塩漬けが普通だったが、いつのまにか醤油漬けが主流になった。サンマやイワシの刺身も一般的ではなかった。流通革命がいろんな分野に影響を与えたのだろう。

芋焼酎はごく一部の人しか呑んでいなかったし、ワインなんかも甘いものばかりがもてはやされていた。30年前はコンビニがそこら辺になかったから、ジュース類、炭酸飲料、カップ麺なんかも今ほど多種多様な商品が溢れていなかった。

「おーいお茶」が登場するまでは、緑茶は熱いものだと決まっていたし、缶コーヒーは甘いだけのシロモノで決して珈琲などと称するレベルではなかった。

洋菓子だってショートケーキかモンブラン、シュークリーム、バウムクーヘンあたりが王道で、今のように百花繚乱状態ではなかった。パティシエなる言葉も20年前には誰も聞いたことがなかったと思う。

カップヌードルだって普通の味以外にはカレー味があるぐらいで、まだまだ袋麺のインスタントが威張っていた。

マクドナルドは低価格路線じゃなかったから満腹になるには結構散財する必要があったし、季節限定メニューなどという洒落た話もなかった。

カラオケボックスが存在しなかったから、ヒット曲もプロの技能、声量がないと歌いきれないような難しい曲が珍しくなかった。

タバコの銘柄も今に比べれば10分の1ぐらいだったと思う。今より10倍ぐらいの人が喫煙者だったわけだから実に不思議だ。

そういえば、どこでも気軽にタバコが吸えた。駅のホームは煙でモウモウとしていたし、飛行機の中でも平気でバンバンタバコが吸えた。

なんか思いつきでだらだら書いてみたが、同じように暮らしているようで随分と変わったものだ。

携帯もパソコンもインターネットも無かった。無いことが普通だから何とも思わなかった。よくよく考えると凄い違いではある。

まだ2~30年は生きていくつもりだから、それぐらい時間が経過したら世の中がどれほど変わっているのか想像も出来ない。

まあ、ついていけないだろうが、どんな未来が待っているのだろうか。楽しみでもあり恐ろしくもある。

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