2013年11月18日月曜日

バルセロナの夜


先週から書いている旅行記。今日はバルセロナ編です。

高校生になって間もない頃、佐野元春の「バルセロナの夜」という曲をよく聴いていた。ロマンチックなサックスの音色にシビれながら見知らぬ異国の地を勝手に想像していたことが懐かしい。

肛門屁の出口、いや光陰矢の如しで、あれから30年以上が過ぎた。太田胃散が欠かせないオッサンとなった今になってバルセロナを初めて訪れた。

元々、今回の旅行は漠然とバルセロナに行きたいと思ったことがきっかけだった。理由も根拠もない。なんとなく、バルセロナで酒を飲みたいと思ったわけだ。

その後、旅の計画を練るうちに、どうせスペインに行くならアルハンブラ宮殿は欠かせないぞ、とか、イタリアにも寄って靴を買うぞ、などと選択肢は広がり、バルセロナは中継地みたいな感じになってしまった。

グラナダ滞在を挟んでバルセロナには計4泊したのだが、もっとじっくりあの街を散策したかったと強く感じる。

どことなく陽気な雰囲気が漂う一方で、カタルーニャ地方の気概みたいな力強さも感じられる奥深い街だった。

想像以上に街は綺麗だったし、地下鉄もタクシーも快適、飲食店の物価も手頃だし、整備された海岸エリアの近くに中世にタイムスリップしたようなゴシック地区もある。あてもなく散策するには楽しい場所だった。





バルセロナといえばガウディの建築物が有名だ。個人的にヘンテコ趣味にしか思えないので、4~5日もいたくせにサグラダファミリアを目にする機会はなかった。

上の2枚の画像はホテルの近くをさまよい歩いていたときに遭遇したガウディの代表作だ。やはりヘンテコである。何が良いのかピンと来ない。

ゴシック地区の古めかしい荘厳な感じの建築物の方に惹かれたので、ガウディさんには申し訳ないが、大聖堂やいくつかの教会は熱心に見学しに行った。

★画像クリックで拡大表示されます。



さすがに世界的な観光都市だけあって教会も夜9時ぐらいまで開放されている。ライトアップされたゴシック地区の雰囲気は何ともムーディーだった。

知らない街を散策すると、連日簡単に一万歩以上歩くので実に健康的だ。疲れたらカフェに逃れて砂糖をたっぷり入れたエスプレッソで一休み。

私はコーヒーが嫌いなのだが、さすがにあちらの食事を続けていると、毎日何度もカプチーノやらエスプレッソが飲みたくなった。実際にがぶがぶ飲みまくったが、帰国してからは一切飲みたくならないのだから不思議なものだ。




街歩きをしながらちょこちょこ気になった風景を撮影したり、実に気ままな時間を過ごした。

市場に行っては1ユーロで楽しめるフレッシュジュースをグビグビ飲んで水分補給。ついでにスナップ撮影に励む。イマドキの小型デジカメの性能は昔を知る人間には有り難い限り。





イタリア・ボローニャに続いて靴屋も見て歩く。スペインも靴好きにとっては魅力的な国である。

2年前にパリに靴買い旅行に出かけたときも、スペインの名門紳士靴「CARMINA」の直営店を見つけ、セールに乗じてアレコレ買ってしまった思い出がある。

バルセロナでも直営店を覗いたが、運良く?気にいった靴に出会わずに済んだ。




とはいえ、なかなかニクい品揃えの紳士靴のセレクトショップを見つけて、「YANKO」、「MAGNANNI」をいくつか購入してしまった。スペイン靴は日本のデパート価格に比べるとかなり割安だったのでそこそこ納得である。

ホテルは「Avenida Palace」。立地の良さと広めの部屋が比較的安く手配できたので選んだ。その昔の高級ホテルという感じで、ややくたびれた印象だったが、それなりに快適に過ごせた。




地下鉄の駅は目の前にあるし、主要エリアには歩いて行けるし、老舗だからタクシーの運ちゃんにも場所がすぐ通じるのが便利だった。




この画像は部屋から見た夕方の風景。このホテルでも毎朝毎朝、クロワッサンの横っ腹をかっさばき、スクランブルエッグやらチーズやら生ハムをぶち込んで特製サンドにして食べまくっていた。

さてさて、食べ物の話だ。旅先でのドカ食いのために、旅行前に7キロほど体重を落とした。おかげで胃袋が小さくなったみたいで難儀したが、頑張ってあれこれ味わってきた。



イカ墨のパエリアである。画像で見ると得体の知れない無気味な食べ物のようだが、これが大当たり。シーフードの旨みが閉じ込められていて毎日でも食べたいぐらいウマかった。



こちらはショートパスタのパエリアであるフィデウア。初体験の食べ物だったが、海側にある「7PORTES」という老舗レストランで味わった一品は大当たりだった。

焦げ目のついた部分、アルデンテの部分、少しふやけた部分それぞれが渾然一体となった食感が楽しい。これまたシーフードの味がしっかりパスタに染みこんでいて「旨み」を愛する日本人好みの味だった。




でんでん虫である。カタルーニャ郷土料理の老舗に行った際に、看板料理だということで仕方なく頼んだ一品。一種の煮込み料理である。

味はごく普通。ガーリック風味をたっぷり効かせた一般的なエスカルゴのほうが食べやすいと思ったが、空腹だったので残さず食べた。

海外旅行に行っても持参したカップ麺ばかり食べる“ドメスティック男(ドメ男)”状態になることが珍しくない私だが、今回は現地メシをムシャムシャ食べ続けられたからバンザイである。

一番印象的だったのが、アンチョビのオリーブオイル漬けをトマトペーストが塗ってあるパンに載せて食べる一品。これも「7PORTES」という店で食べた。



スパークリングワイン(カヴァ)に合いそうなツマミとして頼んだのだが、目ん玉が飛び出そうになるほどウマかった。今でも恋しい。

この時飲んでいたのは、日本でもそこらへんのスーパー・マルエツでも売っているカヴァの「フレシネ」。これが最上級のシャンパンにも負けないほどウマいと感じられたほど相性バッチリで、グビグビ飲んでしまった。

大ぶりのアンチョビの塩加減と上等なオリーブオイルの風味に複雑なパンの味わいが混ざり合って「バルセロナ万歳!!」みたいな感じだった。

「バルセロナで飲む」という当初の目的を幸せな気分で達成した瞬間だった。

旅行記を書いているだけでまた行きたくなってきた。地域ごとの特色・個性が強いのがスペインの魅力らしい。違うエリアにも行ってみたいし、もっと色々なものも食べてみたい。

どうやらスペイン中毒になったみたいだ。


マイルはまだまだいっぱい余っているので、来年も行くような気がする。

4 件のコメント:

千葉のゆう さんのコメント...

千葉のゆうです

アンチョビパン、なにやら写真だけでも
おいしそうだ、というようなものががつたわってきます、これはたべてみたいなぁぁ、、、無理か
、、

ところでホテルではスリッパだったみたいなのですが自分で持っていったのでしょうか、
私の外国のホテルのイメージとしては
部屋の中でも、べっどによこたわるときも
いつも靴をはいているというイメージなもので、
それとも部屋の常備品かな?

あぁぁ、アンチョビパン、あんちょびぱん、、

富豪記者 さんのコメント...

千葉のゆうさま

コメント有り難うございます。
アンチョビパン、おいしかったです。

そこそこ高級なホテルだとスリッパが置いたあることは多いですが、一応、マイスリッパも持参するようにしています。

ヨーロッパは犬のフンが平気で道の真ん中に落ちてますので、あの道を歩いた靴で室内をウロウロしたくないですよね。。。。

バルセロナで迷子 さんのコメント...

今度私もバルセロナに行くのでとても参考になります!
私もMAGNANNIの靴を現地で買いたいのですが、「なかなかニクい品揃えの紳士靴のセレクトショップ」というのは、どのあたりにあるか教えて下さい!!
宜しくお願いします

富豪記者 さんのコメント...

バルセロナで迷子さま


コメントありがとうございます!
旅行の時の資料を探したのですが、ご質問のセレクトショップの名前がどうしても思い出せません。申し訳ないです!

カタルーニャ広場に面している大きなデパートの紳士靴売り場にもマグナーニはありました。

街中のちょっと高級っぽい紳士靴屋を覗いても2,3軒に一軒ぐらいはマグナーニを置いてあったと思います。

お気をつけて良い旅を!!