2016年9月26日月曜日

とんかつジプシー にし邑 かつぜん


相変わらずトンカツが好きだ。共食いみたいなものである。

月に10回は食べたくなる。実際にはそんなに食べないが、割といつでも頭の中はトンカツだ。


この画像は東銀座の人気店「にし邑」の上ヒレカツだ。正しくウマい。ここはカウンターが15席ほどの造り。昼時は行列が出来るらしい。

この日は夜の7時過ぎだったが、基本的に満席である。ただ、酒を頼んでダラダラしている客は私ぐらいなので回転は良い。

ポテサラをつまみにビールを飲んで、牛すじ煮込みで芋焼酎ロックをカピカピ飲む。私はトンカツ屋で飲むのが好きなのだが、人気店の多くが飲み屋的には使いにくい。

まあ、飲み屋さんじゃないから仕方がないが、それなりのツマミがあって、酒もそれなりに揃えている店なら黙々とトンカツを食べるだけではもったいない。

というわけで、画像のトンカツもご飯と豚汁はパスしてツマミとして楽しんだ。芋焼酎とトンカツの相性は捨てがたい。

トンカツはご飯の友として味わうのが王道だ。実際にそれが一番ウマい食べ方である。でも酒のツマミとして楽しむと妙な高揚感がある。プチ贅沢気分である。

トンカツに関しては「意識高い系」?を自認する私である。これまでもいろんな店を訪ねてきた。

一時期は高い値付けをしている店ほどウマいトンカツが味わえると思い込んでいたが、実際にはそんなことはない。

高い店には高いなりの理由もある。乱暴な言い方をすれば味の差ではない。雰囲気や居心地の違いだろう。

一年に一度か二度、なんとなく吸い寄せられるのが銀座交詢ビルにある「かつぜん」だ。とんかつ割烹と名乗っているだけあって物凄く高い。卒倒したくなる。

凄く高いせいでふらっと訪ねても席には余裕がある。高級割烹のようなゆったりしたカウンタ―席に陣取り、ダラダラ酒を飲みながらちょっとした料理をつまみ、シメにトンカツというパターンだ。

味は普通に美味しい。率直に言ってこの店のトンカツの5分の1ぐらいの値段でもっとウマいトンカツを出す店は簡単に見つかる。

でも、それはそれである。ゆったり落ち着く空間に身を置いてゆるゆると上質なトンカツを楽しめる店はなかなか無い。

トンカツは私にとって「神」である。特別な存在だという事実を確認する意味でもこういう店で「非日常系トンカツワールド」に身を置くことも悪くない。

回転寿司屋がどんなにウマい寿司を出そうとも、上等な寿司屋のカウンターに陣取って過ごす時間とは比べられないのと同じかもしれない。

私の場合、どうも「ゆるゆると酒が飲めるかどうか」で店の好みを判断してしまうようだ。純粋にトンカツ情報を欲している人には参考にならずにスイマセン!

先日、湯島界隈をぶらぶらしていた時に、渋い構えのトンカツ屋に遭遇した。古い民家風で店先のメニューには酒のツマミも並んでいる。

迷わず突撃した。モツ煮なんかを頼んで焼酎をグビグビ。昭和感ムンムンで居心地良し。湯島や上野界隈はトンカツの聖地のようにウマい店が揃っている。きっとこの店も名店なんだろうと期待する。


シメのトンカツを食べてびっくり。マズい。揚げ過ぎだったのか苦みさえ感じる。たまたまだったら悪いので店の名前は書かないが、ションボリしながら店を後にする。

別な日、疲れ気味だったので酒も飲まずに「ゆで太郎」で蕎麦でも食べて帰ろうとしていた時のこと。通りすがりで入ったトンカツ屋が大当たりでちょっと興奮した。

池袋の雑踏に隠れるように地味な看板を掲げて営業している街中のフツーのトンカツ屋だ。店の名は「清水家」。数々の有名店にもひけをとらないウマいトンカツが味わえた。

当然、値段も街中のフツーのトンカツ屋価格である。まさに目からウロコである。ゆっくり酒でも飲みながらという路線ではないが、単純明快にウマいトンカツを食べるだけならバッチリだ。

それにしても軽く蕎麦を食べるつもりがトンカツ屋に入ってしまう私の行動パターンが心配である。

最近、私が真剣に考えているのがトンカツ愛好家を表現する言葉である。マヨネーズ好きを「マヨラー」と呼ぶようにトンカツ好きにも素敵な呼称をつけたい。

これまでも、炭水化物が大好きな人を「タンスイカブラー」、タルタルソース好きを「タルタル人」、ピラフ好きを「ピラファー」、ソース好きを「ソースマン」、その他「コレステローラー」などとアレコレ勝手に表現してきたが、トンカツはなかなか難しい。

「トンカツラー」では頭髪問題みたいだし、「トンカツァー」では発音しにくい。

「トンカチスト」はどうだろう。ちょっと大工さんみたいだが、キリッとした響きで悪くない。

今後もトンカチストとして共食いを続けようと思う。

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