2020年8月3日月曜日

保守的な酢豚、ウマいチャーハン


少し前にウマいチャーハンを探し求めてさまよっている話を書いた。その後も“中華飲み”の際にはシメにチャーハンを食べようと考えているのだが、なかなかたどり着けない。



冷菜の蒸し鶏をパクつき、餃子でビールをグビグビ楽しみ、卵料理などを味わえば満腹になってしまう。さっさとチャーハンを注文すればいいのに、ダラダラと酒が飲みたい時はそうもいかない。

それにしてもウマい中華料理屋の卵料理にはムホムホさせられる。高級中華ではなく、いわゆる町中華のウマい店の卵料理にとくに惹かれる。



火を入れすぎない卵の悩ましげな食感に油っぽさが加わるわけだから官能的な味わいだ。エビと卵の組み合わせが一番好きだ。

トマトと卵の炒めも好きだが、ヘタな店だと水っぽいだけだったり、卵に火が通り過ぎていてマズい。エビたまのほうが無難なことが多い。
  
ここ23年、食べられる量が加速度的に減ってきた。加齢である。なのにデブは維持している。代謝と間食が問題なんだろう。

量とともに加齢を実感するのが「野菜を食べちゃうこと」である。一昔前まではチンジャオロースのピーマンをせっせと除けて単なる「細切り肉とタケノコの炒め」として食べていた。


酢豚だって豚肉以外は残していたから、その残骸はまるで赤ちゃんの食後の皿みたいになっていた。

今は違う。チンジャオロースだって普通に食べるし、酢豚の野菜を割と普通に食べる。ニンジンはイヤだが、タマネギは好んで食べる。



高級中華でよく見かける黒酢の酢豚は、野菜がいっさい入っておらず、豚肉だけを食べるパターンが多い。

10年前には大好物だったが、今ではタマネギが無いことが淋しくて普通の酢豚のほうが好きだ。ヤキがまわったのだろう。

こちらは高級路線の店で食べた一風変わった酢豚だ。トンカツ的な見た目である。揚げ豚に酢豚ソースがかかっている。野菜は付け合わせとして置かれている。



トンカツが大好きな私が狂喜乱舞しそうな仕上がりである。でも頭の中が酢豚モードになっている時は、やはり普通の酢豚のほうが嬉しい。

肉丸出しのこんな一品より野菜が主役みたいに混ざり込んでいる酢豚に軍配を上げちゃうわけだから、まさに加齢である。

さて、本題だったはずのチャーハンに話題を戻す。

先日、ようやく納得の“町中華チャーハン”に出会った。銀座一丁目と宝町の間ぐらいにある「菊凰」という店だ。

小さい店だが、何となくキチンとした感じの店構えで、出てくる料理も全体的にキチンと丁寧な印象だった。



五目チャーハンは1000円である。町中華という範疇では高い部類だろう。でも相場価格(700円~800円ぐらい?)でマズいチャーハンを食べるなら、こっちのほうが遙かに満足できる。

高級中華お得意のパラパラ感とは違うが、ベチョっとしているわけではない。味も強すぎず、具材の旨味が感じられて「ニッポンの正しきチャーハン」という印象だった。

職場からも家からも近いので、チャーハン気分になったらアチコチ冒険しないで、ここでおとなしく食べていれば間違いないのかもしれない。

上に載せた古典的な酢豚の画像もこの店のものだ。席数に限りがあるし、カウンター席も無いから飲むというよりしっかり食べる雰囲気の店だ。

ボリュームもあったし、チャーハン一本勝負で訪ねるのもアリだと思う。酒を抜きたい日にまた行こうと思う。

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