2020年8月14日金曜日

ミイラ 羽黒山 祈る気持ち

先日、山形・庄内を旅してきたことで「47都道府県全制覇」を達成した。旅が好きだと広言する以上、全都道府県制覇は以前から狙っていたのだが、ようやく実現できた。一人勝手に感動している。

 

山形に行く前に、本当に残ったのは山形だけだろうかと改めて日本地図を眺めた。東京人にとってあまり馴染みがなさそうな(ゴメンナサイ・・・)滋賀県や和歌山県、他にも富山県や福井県、秋田県あたりが盲点かと思って確認してみた。

 

滋賀は信楽焼の里にどっぷり出かけたし、和歌山は那智の滝を見に行った。富山は出張で訪ねたし、福井はカニ旅行に出かけた。秋田は角館を観光した。全部大丈夫である。

 

まあ、訪ねたといってもかすった程度の県もあるが、とりあえずはすべて足を踏み入れたわけだから個人的にはちょっと達成感がある。

 

その昔、「せまいニッポン、そんなに急いでどこに行く」という交通安全だかの標語があったが、全部廻のに半世紀以上かかったのだから日本はちっとも狭くはない。

 

さて、私にとっての“大トリ”になった山形の旅。庄内エリアだけだったが、なかなか魅力的な場所だった。

 



 

基本的には「幕末最強」と称された庄内藩の史跡めぐりと藤沢周平記念館が目的だったのだが、結果的に「祈りの旅」になった。

 

日本を代表する霊山・羽黒三山があるせいもあって、由緒ある寺社仏閣がたくさんある。いわゆるミイラである即身仏が祀られている数も日本で一番多いとか。

 

怖いもの見たさで鶴岡市内にある南岳寺に即身仏を参拝に出かけたが、説明役のご婦人と二人きりで即身仏を前に過ごした時間は何とも言えない緊張感に包まれた。

 

https://japanmystery.com/yamagata/nangakuji.html

 

ガラスケース越しだが目の前にミイラ仏が鎮座している。説明を聞きながら徐々にそのお姿が神々しく見えてくるから不思議だ。始めて見た瞬間のビビった気持ちはすぐに畏怖の念に変わった。

 

時代とともに宗教心は変わるものだろうが、文明が開化していない超アナログ時代は信仰への思いが現代人には想像がつかないレベルだったのだろう。

 



 

羽黒山周辺の散策でも似たような感想を持った。国宝の五重塔は1600年代に造られたらしい。険しい山の中である。ダンプも重機も無いなかで、その後、数百年も崩れない塔を建てちゃう人間の能力は凄まじい。

 

羽黒山山頂に社を築き上げるのだって、尋常じゃない苦労をともなう作業だったはずだ。今の時代に例えるなら、それこそ違う惑星に建物を築くぐらいのスケールだと思う。

 

樹齢1千年とかの杉がごろごろしているような山の中で、いにしえの日本人の信仰心にただただ圧倒された。

 

神社仏閣めぐりの中でホッコリできたのが、羽黒山の麓にある玉川寺だ。風雅な庭で有名らしい。実際にとても美しい場所だった。

 




 

京都あたりの雅な雰囲気とは違う凜とした気配が漂う庭園を眺めながら一服させてもらった。たまたま私以外に参拝客がいなかったので、贅沢な時間が過ごせた。

 

二泊したうちの一泊は鶴岡市街からほど近い湯野浜温泉に泊まった。一人旅でも部屋食が可能ということで「一久」という宿を選んだ。一人で部屋食だと割高にはなるが感染対策としては意味のある判断だろう。

 

カジュアルな旅館だが、時節柄混雑しておらず、海辺の大浴場もガラガラで快適に過ごす。

 


 

夕飯の際は「雪若丸」、朝食には「つや姫」と地元のウマい米を使い分けているあたりがニクい。わが家で毎日食べている山形米ではあるが、本場だと思うと妙に感慨深かった。

 

食べたもので印象的だったのは羽黒山の中腹の食堂で食べた「麦切り」。そうめんとうどんの中間ぐらいの麺でツルツルした食感が良かった。暑い時期にぴったりの逸品だと思う。

 


 

鶴岡市内の観光物産市場みたいな場所で食べた豚の蒲焼きも抜群だった。東京でちょくちょく訪ねる「平田牧場」のレストランだ。

 


平田牧場の本拠地は山形だ。東京には無いメニューを探して選んだのが、豚の蒲焼き重である。端的に私好みだった。バンザイ。

 

最近は、酒の銘柄にとくにこだわらなくなった。開けたてなら何でも良しというノリでテキトーに飲んでいるのだが、今回、温泉宿で頼んだちょっと高かった酒はかなりウマかった。

 


 

それなりに有名な「初孫」の“秘蔵”という冠がついた一本。スッキリかつ深みがあっていくらでもクイクイ飲めちゃう美味しさだった。旅の解放感のせいもあるのだろうが、近年飲んだ中ではトップクラスだと感じた。

 

なんだかまとまりが無くなってしまった。今後もナンチャラ警察に叩かれない程度に正しく気をつけながら気ままな旅をしてみたいものだ。

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