2010年7月5日月曜日

インチキ消費税

なんかキナくさくなってきた。選挙前だから媚びまくった大衆迎合発言が飛び交うのは仕方ないが、首相の消費税に対する考え方は、現政権の性質を端的に示している。

正体見たりって感じ。

現政権は何だかんだ言って労働組合がバックボーンであり、旧社会党系の左寄りの勢力が大勢いる。

今更、右だ左だの議論は不毛なように見えて、経済政策に如実に反映される以上、やはり見過ごせない問題ではある。

労働組合的発想、社会主義的発想にとって、あくまで主役は労働者である。資本家や経営者は敵視の対象であって、彼らの稼いだカネは「富の再配分」という名目で収奪すべきターゲットになる。それが現実だ。

菅首相の消費税に関する考え方は、低所得者層には消費税を還付しましょうという一見温情に溢れた内容。

消費税の税率アップが既定路線として議論されるなか、例の“逆進性”とやらの対処策として低所得者へ配慮する形で導入を検討するらしい。

年収400万円あたりまでカバーするつもりだというビックリな話も出ている。バカなんだろうか?。

税率アップの際には、間違いなく、生活必需品への軽減税率とかゼロ税率が導入されるだろうが、それに加えて税額還付制度も誕生したら、まるでトンチンカンな話。アホかいな!と言いたくなる。

軽減税率やゼロ税率プラス還付制度という手厚い?施策によって、消費税という名称などインチキになる。あくまで“中堅・高所得者層狙い打ち課税”という新税にも似た制度に生まれ変わる。

そもそも逆進性という考え方自体が抽象的。単一税率だと何を買うにしても税率が均一だから、収入が低い人ほど不公平だという理屈だ。果たしてそうだろうか。

消費税導入以来、消費税批判のためだけに錦の御旗のように声高に主張されている「理屈」だろう。

同じクルマを買うにしてもロールスロイスを買う人と、壊れかけた中古の軽自動車を買う人では、税率が一緒でも税額の差はもの凄く大きい。単一税率だから不公平だとは思わない。

どんなジャンルのものを買うにしても、高級品、中級品、廉価品がそれぞれに存在する。現実社会では収入階層、クラスごとに違うものを求めている以上、必然的に公平は保たれている。

百歩譲って逆進性を考えるのなら、せいぜい生活必需品への軽減税率の導入で済む話ではなかろうか。

年収300~400万円水準にまで消費税を還付していたら単なるバラまきだ。生活保護対象世帯プラスアルファぐらいを想定しているのならまだしも、「年収400万円」という具体的発言に及んだ菅首相の性根というか、イヤらしさは特筆モノだ。

年収400万円をラインにしたら、きっと全国で半数程度の世帯がカバーされるはずだ。それだけの世帯を相手に消費税をチャラにしますよという発想は、中堅・高所得者からガッポリと吸い上げなければな成り立たない。事実、そういう考えを平気でしているわけだ。

選挙PRでさかんに「サラリーマンの息子が総理になれる国になりました」とかなんとか叫んでいるが、あれも何だかな~って印象だ。

きっと、国民みんながサラリーマンであることが理想なんだろう。突出しないでみんな平等にサラリーマン人生を謳歌しようって感じ。社長さんとか金持ちとかは排除しよう!、みんなでサラリーマンをしよう!って聞こえる。

植木等みたい。

弱者救済は政治の使命だ。そんなことは百も承知だ。ただ、弱者の線引きだってもっと真剣に考えないとマズイだろう。ぐうたら弱者、弱者もどきだってゴマンといることを忘れてはならない。

努力して高額所得者になった人を評価せず、高額納税者への感謝もせずに、エセ弱者にまで税金をバラまかれたらたまったものではない。

「金持ちケンカせず」と悠長に構えていると、どんどん逆差別は進行する。苦労して人より多くの税金を納めた人間が逆差別されるような社会は異常だ。

稼ぎたい、成功したいという上昇志向を健全に育成することもせず、横並びだけを美徳として、覇気ある人材を育てていない現実が、昨今の日本の国力衰退と密接に関係してきた。

近隣諸国に得意分野でも追い抜かれ、財政状態は末期的状態。にもかかわらず、中堅・高所得者層を上昇気流に乗せるようなバックアップ政策は皆無。そうした階層からあくまで搾り取ろうという発想で凝り固まっている。

稼いでいる人から取るのは政治的には簡単だろう。稼いでいる人にもっと稼いでもらって、もっと使ってもらうのが政治に求められるセンスじゃなかろうか。

現行のすべての制度が、稼ぐことが悪であるかのような感覚。それじゃあ国自体の力は弱まって当然。

経営者向けのわが社の新聞でも「金持ち優遇税制の必要性」を具体的にドシドシ紙面で紹介する方針だ。

“金持ち優遇”という言葉に闇雲に拒否反応を示し続けてきたのが、戦後日本のマスコミだ。大衆向けメディアとして漫然と無秩序にその呪縛は続いている。経営者向けの立ち位置で新聞を発行するわが社では、まるで別の視点で紙面展開していきたい。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ずっと好きだったんだぜ~♪という
曲が流れるCMを思い出しました。
伊藤つかささんは想定内でしたが
河合その子さんの腕が太くなっていて
見なきゃ良かったと思ってしまいました。

富豪記者 さんのコメント...

7日付の内容へのコメントですね。
ありがとうございます。
アノCМ、確かに実にビミョーです。
見たいような見たくないような。
ホントは胸の内に美しいまましまっておきたい。それが本音です!