2016年7月8日金曜日

フィレンツェ ボローニャぶらぶら


ロンドンに靴を買いに行ってきた。ずっとロンドンで過ごしたら破産する予感がしたので、ロンドンに3日間滞在した後、イタリアに移動した。

今日は靴の話ではなく、イタリアで食べるパスタはウマいというベタな話を書く。

イタリアではフィレンツェに3泊した。当初滞在したロンドンからボローニャに飛び、半日ぶらぶらしてからバスでフィレンツェに向かう予定を立てた。


朝一でロンドンを出発して2時間弱。涼しかったロンドンから一転、酷暑のボローニャに着く。

ボローニャの街はポルティコと呼ばれるアーケードが街中に設けられている。日陰効果のせいで暑くても何とかブラブラ歩いていられる。


3年前にも訪れたお気に入りの地である。イタリアの中でもアカデミックな街として知られる。観光ズレしていないというか、小ぢんまりまとまっていて落ち着きのある風情が印象的だ。

ボロネーゼの本場だから何をさておきパスタである。現地ではタリアテッレという平打ち麺がボロネーゼの定番。

スパゲッティボロネーゼ、フェットチーネボロネーゼという料理は見当たらない。あくまでタリアテッレボロネーゼというスタイルが頑固に守られている。

以前滞在した時にどこで食べてもウマかった記憶があったが、今回も大満足。これを食べるためだけでも訪れる価値のある街だ。


ボローニャではステファノ・ブランキーニという洒落靴メーカーの本店と中央駅前にひっそり佇むテストーニのアウトレットショップが目的地。それぞれの店でテキパキと狩り?を済ませ、あとは街をあてもなく散策。

ピスタチオのジェラートをペロペロしながらちょっとした路地に迷い込んでウロウロする。こういう時間が何より楽しい。

自慢じゃないが、私は異常なほどの方向音痴である。スマホのナビ機能がなかったら一瞬で迷子になるから、つくづく文明の進歩が有難い。

最終目的地であるフィレンツェはボローニャから特急列車で30分ちょっとの距離。とはいえ、大きなスーツケースを持っての電車旅は面倒である。

いろいろ調べたらボローニャ空港からフィレンツェには直行バスが出ていたので、それを利用することにした。

ロンドンから到着後、ボローニャ空港にスーツケースを預けて身軽に街歩きを楽しみ、その後、空港に戻って夕方発のバスでフィレンツェに向かった。

空港と市街地が近いからこの作戦はなかなか効率的だった。フィレンツェに向かうバスからトスカーナの眺めが楽しめるのかと期待していたが、上信越自動車道と大して変わらない景色でちょっと退屈した。


フィレンツェでは「チェレッターニ」というソフィテルが運営するホテルに泊まった。あてもなく散策する拠点としては良い立地で便利だった。

ロンドンとボローニャで靴をいくつも買ったので、フィレンツェでは単に街歩きを楽しむことにする。でも、なんてったって急激なユーロ安に加えて街中がセールである。

靴こそ買わずに我慢したが、普段着やら葉巻ケースやらサンダルやリュックなんかをちまちま買ってしまう。クレジットカードの請求が怖い。

フィレンツェは20年近く前の秋に訪れたことがある。ポルチーニの季節だった。昼も夜もポルチーニを使った料理を食べまくったが、今回も思いがけずに季節外れの生のポルチーニを味わうことができた。



たまたま見つけた「Antellesi」という小さな店。地域によっては夏場にもポルチーニが採れるらしく、どうやらそれをウリにしている店のようだ。

画像はトリュフをミックスしたパスタと次の日に再訪した際に食べたリゾットである。心なしか旬のポルチーニより香りが弱い気もしたが、紛うことなくポルチーニである。トスカーナ気分?を味わえた。


続いては「Lorenzo De Medici」という店で食べたUBRIACATI(ウブリアカティ?)なるスパゲティーである。

人生50年、いろいろなパスタを食べてきたが、これは初体験。赤ワインで茹でるらしい。メニューには赤ワインソースと卵とベーコンと何かで作ると書いてあった。

卵とベーコンだからどことなくカルボナーラっぽい風味を感じるのだが、味の中心は赤ワインの酸味である。見た目はエゲツないが実に味わい深い。ちょっと感動した。



滞在中は他にもシーフードのパスタやらフードコートのような店でジェノベーゼも食べた。腹が減ったらパスタ、腹が減ってなくてもパスタである。

函館に行くとイクラ丼とウニ丼ばかり食べてしまうのと同じ感覚である。

旅の高揚感のせいもあるのだろうが、イタリアで食べるパスタはほぼ間違いなく美味しく感じる。いや、実際にウマいと思う。

繁盛しているマトモな店ならそれも当然だが、うらぶれたような店でもたいていウマい。

「タンスイカブラー」である私にとってはイタリアの旅は食事が嬉しい。気軽な店ならメイン料理を頼まずに麺とリゾットを両方オーダーする邪道な食べ方だってアリだ。

というわけで、イタリアを訪れると必ず私の中のパスタ中枢?がおかしくなって常にパスタのことだけが頭の中を支配する。今回も同じだった。


毎朝、カフェでカプチーノをグビグビ飲みながらどうでもいいパンを渋々食べたのだが、朝からパスタが食べたくて仕方がなかった。

朝でも作り置きのペンネなんかをチンして出すカフェもあるが、さすがにそんなものはダメだ。

朝食にラーメンを食べる「朝ラー」が珍しくないのだから、イタリア人も朝からアルデンテ、略して「朝デンテ」の習慣を広めて欲しいものである。

パスタの話ばかりになってしまったが、フィレンツェは相変わらず観光客でごった返していた。

人の少ない時間に人の少ない場所をぶらぶらしようと企んだが、なかなかそうもいかないのが難点だ。


この画像は有名なベッキオ橋の隣の橋からもう1本隣の橋に向かって撮影した日暮れの光景だ。

今の季節、日暮れを迎えるのは夜の9時過ぎ。夕飯を食べてホロ酔い加減でシャッターチャンスを狙った。

ついでにそれっぽい画像をいくつか載せる。













次回は、ロンドンでの靴屋めぐりの話です。

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