2017年4月26日水曜日

老いては子に従え

   
まだオイボれてはいないので子供に従うのはイヤだ。とはいえ、世代がまったく違うから子どもから教わることは結構ある。

「ちょっと老いたら子に習ってみよ」。そんな感じだろうか。

中年を過ぎると当然ながら自分の生き方も固まってくる。それはそれで結構だが、一歩間違えると柔軟性を失う。

自分本位といえば聞こえはいいが、自己中心的で意固地になっちゃうのは格好悪い。素直に人の話を聞けなくなるのは老化の兆候かもしれない。

若い人の言動を若いからという理由だけで受け入れない悪いクセは世のオッサンの弱点である。

私自身、そういう傾向は少なからずある。そんなことでは逆に時代から取り残されるからもっとフラットに受け止めないといけない。

このところ、娘と会う機会が多い。高校生の感性と50男の感性だから、火星人VS縄文人ぐらいの隔たりがある。でも一応は仲良し親子だからズレまくりながらも協調している。

気づけば、結構いろんなことを教わっている。毛嫌いしていたLINEとやらも娘との間だけで使っている。やはり使ってみないと分からないことはある。

それ以外にも、IT方面というか、イマドキの情報のやり取り方法やツールの効果的な活用法など、娘と遊びながら覚えたことはいろいろある。


先日、娘にプリクラ専門店みたいな所に連れて行かれて、オチャラケ画像で遊んでみたのだが、オジサマ世代が知っているプリクラと現在のそれとは別モノだった。

機能の多様さに驚いたが、それを秒速でイジっている高校生の能力?にビックリした。コンピュータという言葉を未来の話のように聞いていた我々の世代とは別な人種みたいだ。

子供の頃、インベーダーゲームすら上手にクリア出来なかった私から見ると、イマドキの高校生が社会に出てくる頃が恐怖である。こっちは化石確定だ。

そうやって情報格差が想像以上のスピードで広がった後の社会の姿が興味深い。

日本のように平準化されたエリア内だけならまだしも、世界レベルで見れば、先進的なデジタル技能を操る人が大勢いる国とそうでない国との間には、人類史上にも希な物凄い格差社会が出来上がるのだろう。

そんな小難しい話は置いておく。

娘に教わったことで役立ったことはいくつもある。スナック菓子の進化とか美味しいスイーツの選び方とか、「back number」というバンドのイケてる感じ?とか、どうでもいいことが中心だ。

まあ、日常なんて「どうでもいいこと」が9割だから、こういう知識が増えるのは喜ばしいことである。


先日はサムギョプサル屋に連れて行かれた。娘の周辺では人気アイテム?なんだとか。もちろん、サムギョプサルは知っているが、いつの間にか世の中に専門店がいっぱいあることは知らなかった。

私が普段行く飲食店は、高級店、大衆店ともにオッサン、オバハンしかいない。世の中の若い人はどこに潜んでいるのだろうと思っていたのだが、こういう店で楽しくやっていたわけだ。

かなり美味しかったからチョット悔しい。置いてきぼりにされていたような気分になる。いろいろな豚の部位を食べ比べさせてくれるし、本場・ソウルの店のように小皿はいっぱい並ぶし、店員さんがマメに世話を焼いてくれる。



スイーツ屋にも頻繁に連行される。昭和のケーキぐらいしか知らない私にとってはこれもまた勉強である。

本来なら寿司屋とか焼鳥屋でホゲホゲしたい。でも最愛の娘のリクエストにはなるべく応じたい。たまにはシンドい時もあるが、そういう時は「これも勉強だ」と自分に言い聞かせる。

変な話、若いオネエサマ達に遊んでもらう際にそうした日々の努力が役に立つこともある。カラオケボックスに行っても、普段、娘に指導・叱責されているおかげで最新マシンの前で固まらずに済む。

素直に感謝しないといけない。

もちろん、威厳に満ちた父親として娘にいろいろなことを教えることも多い。

最近では、ウナギの白焼きがウマい店の選び方やイカの塩辛にゆずの皮を散らすのは最低だということをしっかり伝えた。あまり聞いていないようだったが・・・。

その他にも10代の男子の頭の中は鬼畜であるという事実だとか、キミの父親はそれなりにモテるんだぞという盛り気味の話もしっかり伝えた。

平和である。

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