2017年5月12日金曜日

コスメル島の水中


今日はメキシコ・コスメル島での水中写真の話。画像クリックで拡大できます。ちなみに、色っぽい画像は次回までお預けです。




30年ぐらいに渡っていろいろな水中写真を撮ってきたが、結局、この3枚のような分かりやすい写真を撮るのが好きなんだと思う。

撮影機材の進化や海の透明度の問題もあって、近頃の水中撮影は小さな珍しい魚を近接撮影する手法がポピュラーだ。

それはそれで面白いし、マクロ撮影ならではの微細な描写力に圧倒されることも多い。

私も同じく、マクロ撮影のメッカであるインドネシア・レンベ海峡あたりで泥地のような場所に潜ってケッタイな魚を撮影したこともある。

http://fugoh-kisya.blogspot.jp/2013/05/blog-post_8.html

もともと水中写真にのめり込んだのはダイビングを始めて間もない頃に沖縄・久米島で潜ったことがきっかけだ。もう30年以上前の話だ。

その時の海は現地ガイドも驚くぐらい抜群のコンディションで、それまで伊豆半島でしか潜ったことのなかった私にとっては衝撃の一言だった。

初心者ゆえの勘違いで水深50メートルぐらいまで行ってしまったのだが、そこからでも水面に浮かぶボートがハッキリ見えたほどの透明度に圧倒された。

その時見た青々した美しい水中景観を写真に収めたくて撮影を始めたのだが、当時の安いカメラでは当然の如くちっとも綺麗に写せない。

悔しくてどんどん撮影機材を買い揃え、自分なりに勉強してそこそこの写真が撮れるようになったのだが、あくまで「広がりのある綺麗な海」を撮りたいというのが原点だった。

ヘンテコ魚を撮るのも面白いのだが、今回、引退覚悟?でコスメルの海に潜ったことで、ワイド系の爽快な写真をまだまだ撮り続けたいと思うようになった。



この2枚はカリブ海ではポピュラーなポークフィッシュ。単体よりも整列している姿が何となく幻想的である。今回はあまり大きな群れに出会わなかったが、この程度でもそれなりにフォトジェニックだ。

群れている魚を崩さないようにゆっくりゆっくり近づいて手が届くぐらい接近すればフィッシュアイのような広い画角のレンズが効果を発揮する。






いままで紹介している画像は実は全部、コンパクトカメラで撮影したもの。使っているのはオリンパスのTG-1およびTG-3。いまどきのコンデジはかなり優秀だ。

専用のプラスティック製の水中ハウジングに入れて、外付けの水中ストロボをセットして、フィッシュアイコンバージョンレンズを付けた状態で使っている。

その昔、デカくて重い一眼レフを、これまたデカくて重い金属製ハウジング入れて撮影していたことに比べると隔世の感がある。

関連パーツまで含めればそこそこのコストだが、あくまで本体のカメラは3万円程度で買えるシロモノである。昔の水中撮影環境を知る化石のような私にとってはアンビリーバボーだ。


これが今回持っていった機材だ。もともと撮影機材の準備や荷造りがカッタるくなってきたことも水中撮影からの“引退”を考えたきっかけだった。

でも、昔より遙かに手軽で小さくなったことだし、セッティングも以前より神経を使わずに出来るように進化しているので、この程度の労力は惜しんではいけないのだろう。

ワイドアングル以外にも、いわゆる標準画角の写真も捨てたものではない。超ワイドかマクロ撮影が幅を効かせている昨今の水中写真だが、綺麗な魚を普通の画角で普通に撮るのも楽しい。





この魚はカリブを代表するその名もクイーンエンジェルフィッシュである。30㎝ぐらいにはなる超絶的に美しい魚だ。私にとってカリブ海イコールこいつである。

どこかの水族館で見かけたことがあるが、海にいる野性の個体とは色合いがまったく違っていた。やはりナマが一番!だと思う。





今回も水中ガイドをチャーターしていたので、ワイド用とマクロ用にセットした機材を用意して、いずれか一方をガイドさんに持ってもらった。

接写系でまず紹介したいのが、コスメルのアイドル「スプレンディッド・トードフィッシュ」である。カタカナ表記するとシャレているが、和名は「ガマアンコウ」である。少し気の毒な名前だ。

20年前にさんざん撮影して、以前にこのブログで紹介したこともある魚だ。その際は、たまたまそのブログを読んだ学者さんから連絡をいただいて研究資料として画像提供したこともある。



やはり、以前にベストショットが撮れた経験があるせいか、ガマアンコウちゃんへの執着が昔ほど強くなく、今回はライティングに失敗した画像しか撮れなかった。反省。

続いては口内で卵を飼育することで知られるジョーフィッシュのカリブ版、ハゼの仲間、そしてケッタイなヤツである。

そこそこは撮れるのだが、コンパクトデジカメならではなのか、ややシャープさの点で一眼よりは劣る。私の腕のせいかもしれないが、個人的にはカメラのせいだと思うようにしている。







そのほか、ついでのような画像としてサメとイルカを載せる。

コスメルの人気スポットである「チャンカナブパーク」という国立の海洋公園のようなビーチがある。やたらと高い入場料を取るものの、シュノーケラーで賑わう楽しいビーチだ。手軽にダイビングも出来るオススメの場所だ。

ここではイルカとふれあえるアトラクションも用意されており、バカ高い値段で客を集めている。

イルカは海の一部を囲った生け簀のような場所で管理されている。タンクを背負って海のほうからその場所までエッチラオッチラ潜っていけば、網越しではあるが、無断でイルカと遊べる。


網の中に囲われたイルカを見て、可哀想だとか逃がしてやりたいとか、そんな市民運動家みたいなことを考えないといけないのかもしれないが、俗っぽい私としてはタダでイルカとコミュニケーションが取れただけで満足である。




続いてはサメである。ナースシャークというおとなしいヤツである。岩陰で寝ていたので撮影したり軽く突っついてみた。でも無視されたのでそのまま移動したのだが、しばらくして振り返るとヤツが凄い勢いでこちらに向かってくる。

怒っていたのか、からかいに来たのかは謎だが、突進されてビビり気味に腰が引けていたガイドのメキシコ人の姿がおかしかった。

というわけで、コスメルの水中写真でした。

次回はTバックのオネエサンを写した私らしい?画像をちょこっと紹介しますのでスケベな人はご期待下さい。

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