2017年5月26日金曜日

ワイン、コーヒー、誤解だらけ


世の中に染みついているヘンテコな固定観念をついついナナメから見てしまう。ひねくれているのか、アマノジャクなのか、偏屈なのか、おそらく全部だ。

ワインは優雅。これも意味不明である。なぜかワインばかりがオシャレとか優雅とかゴージャスを表すアイテムになっている。

「ホッピージョッキを優雅に傾け」という表現は日本中どこでも聞くことはない。でもワインの場合、安物だろうと途端に“優雅系アイテム”とみなされる。意味不明だ。

確かに上質なワインが希少かつ高級品であり、その世界が奥深いことは私でも分かる。そういう次元なら、そりゃあ優雅でゴージャスだが、テーブルワインレベルの安酒まで妙に有り難がっちゃう風潮はシャバダバだと思う。

そういう人々に限って、素晴らしい出来のワインでも日本製だというだけで目もくれない。フランスやイタリア産というだけで安物だろうと目を輝かす。

「並んでいる店だから並んでみる」みたいな感覚でラーメン屋に集う人や、ネット上のクチコミが絶対だと思っているグルメちゃんと同じ感覚だろうか。

そのモノの味や自分の好みに関係なく「情報を食べている」ようなヘンテコな風潮と、「ワインは正義」みたいに信じ込んでいる人の根っ子は同じだと思う。

私が子供だった昭和の頃は「ワインは別格」という価値観が世の中を支配していた。あの当時なら仕方ないが、これだけ情報やモノが豊富になった今になっても同じ感覚なのはどうなんだろう。

「牛肉こそ最高」、「肉といえば牛に限る」みたいな風潮も同じ。あれも昭和の悪しき固定観念の一つだろう。

昔は今ほどウマい豚や鶏が一般的ではなかったからかもしれないが、なんとなく違和感がある。歳のせいで牛肉が苦手になった私の意見なのでゴメンなさい。

他にも例をあげればキリがない。寿司屋における“トロ大礼賛”だって、いかに好みの問題とはいえ、脂を混ぜたトロ風のものまで人気があるわけだからケッタイに思える。

その他、私がいつもバスローブを羽織ってブランデーグラスを傾けているという一部の人の思い込みも間違っている。

おっと脱線した。軌道修正。

食後に当たり前のようにコーヒーが出てくるのも好きではない。まあ、これも個人的な好みなので気に障る人がいたらゴメンなさい。

バターぶりぶり、オリーブオイルぶりぶりみたいなこってり料理ならコーヒーで結構だ。エスプレッソなんか最高だ。

問題なのは、普通の日本的な食事や、ましてやご飯モノを最後に食べた後にコーヒーが出てくるパターンだ。首をひねりたくなる。

ワインと似た感覚かもしれない。なんとなくコーヒーは格上みたいな感覚が厳然と存在するように思える。

食後はお茶だろう。せめて紅茶だ。ほうじ茶バンザイである。

あれこれと書き殴ってみたが、読み返してみて気づいたのは、自分がいかにどうでもいい小さいことをウジウジと気にしているかという現実だ。

なんとも器の小さい人間である。もっとデンと構えて大らかに過ごさないとダメである。

チマチマしたことにイラつくのは歳をとった男の悪いクセである。

仕方がないから優雅な気分で安ワインを飲んで、立ち食いステーキをもったいぶって食べ、寿司を食べた後にコーヒーを飲んでみようと思う。

やっぱり気が狂いそうだからヤメよう。

0 件のコメント: