2017年5月29日月曜日

軽率な人 ヌルい仕事


「思ったことをそのまま口にする」。これは愚の骨頂だ。バカと利口の分岐点はいろいろあるが、こういう習性はその最たるものかもしれない。

私も人のことは言えない。割とボソっと思いつきでマズいことを口にする。反省しても後の祭りだ。

割と最近も、息子さんが頑張って受験に合格したと喜ぶ知人に対して「あの大学なら頑張らなくても入るでしょう」と失言してしまった。

その人のことが嫌いだったから、ついそんなことを口走ったのだが、結果的に見ず知らずの若者のことをクサしたわけだから弁解のしようもない。大反省である。

自分のことはタナに上げて話を続ける。

一般的には空気が読めない人や想像力が足りない人が平気で失言をする。本人は失態に気づいていないのが厄介である。愚かさも行き過ぎると痛々しく感じる。

先日、自民党の大西某なる代議士が「がん患者は働くな」という失言をカマして騒動になった。居酒屋の酔っ払いの会話でも非難されそうな発言を党の厚生労働部会というオフィシャルな場で言っちゃう神経に驚く。

震災をめぐって「東北で良かった」と発言した前復興大臣、博物館の学芸員を「がん」と呼んだ地方創生担当大臣、「長靴」発言でクビになったどっかの政務官もいた。

「選良」であるはずの国会議員のヌルさにはほとほと呆れる。防衛大臣や法務大臣も国会答弁でチンプンカンプンだし、選良の中でも上位の役職に就いている人間の劣化はかなり深刻だと思う。

ちなみに、だいぶ前の話だが、上で列記した中の一人と酒を飲む機会があった。その人の頭の中は選挙のことだけ。

「汚いジジイの食べカスが浮いている盃を喜んで飲み干すのが大事な仕事だ」といった話ばかりで、何かとトンチンカンだったことが印象的だった。

さてさて、なんだか無敵大王?みたいな雰囲気も漂い始めた安倍首相だが、先月の失言があまりメディアを騒がせなかったことが気になる。メディアの弱腰ぶりを端的に表していると思う。

例の森友学園問題で一気に流行語になった「忖度」をめぐる発言だ。役人による政権トップへの忖度の是非をきっかけに一種の流行語になった言葉だ。

銀座の商業施設のオープニング式典に出席した安倍さんは、自身の地元である山口県の物産をアピールする目的で「忖度していただきたい」と発言、会場の笑いを誘った。

森友学園の問題は、国有地が恣意的に安値で払い下げられていたのかという疑獄事件になる重大問題である。その渦中で問題視されている言葉をジョークに使うのはさすがに非常識だろう。

首相をはじめとする政権与党からの一連の失言や不祥事に対しては「一強のおごり」という論評が盛んだが、そんな高尚?な話ではない。単に政治家の劣化が原因だと感じる。

思いついたことをそのまま口に出すことは端的に言えば軽率そのもの。軽率な人間でも務まるほど彼らの仕事がヌルいのだとしたら驚きであり、恐怖でもある。

問題が相次いでも政権支持率は高いままだ。これについてもメディアは「政策重視の現れ」などともっともらしく論評する。果たしてそうだろうか。政治不信を通り越した「政治無視」がもたらした副産物でしかないように思う。

安倍首相をめぐって今度は加計学園の獣医学部新設をめぐる問題がキナ臭くなってきた。サミットでの不在中に沈静化を計りたい首相側と追及する勢力との間で水面下でどんな攻防があったのか興味深い。

今日は元嫁から先日言われた物凄い“問題発言”を面白おかしく書こうと思ったのに、まったく違う話になってしまった。。。

2 件のコメント:

ミドサー さんのコメント...

いつも拝見しております、ミドサーの女です。
今まさに、愚の骨頂のバカの下で働くことに限界を感じる毎日でしたので、スカッとしました。
いつも、楽しみに読んでおります。
いつか読者オフ会でもなさってください。

富豪記者 さんのコメント...

コメントありがとうございます!

鬱憤が少しでも晴れたのなら良かったです。お仕事お疲れさまです。

オフ会ですか。考えたことも無かったですが、結構面白いかもしれませんね!