若い人達にとって、いまや食べ物画像は“映える”かどうかがポイントらしい。私は若い人ではないので、今日はさりげなくウマかったものの話を書く。
卵かけご飯、すなわちTKGの極上バージョンである。ご飯に生卵をかけただけだからシンプルの極みだ。でも、そこは富豪記者ブログである。
1個500円のタマゴだ。烏骨鶏である。金額だけは“映え~”である。1年に1度ぐらい気が狂って?買ってしまう。私の悪いクセである。
普通のタマゴが20個ぐらい買える値段だ。味のほうも20倍ウマいならともかく、正直に言うと、ちょっとだけ美味しい程度である。
なぜ買ってしまうのだろう。
おそらく、TKGという淋しげな食べ物を一人で食べるショボくれた感じを払しょくするため、烏骨鶏というブランドの力を借りるのだろう。我ながら御苦労なことだ。
お気に入りの専用醬油を普段より少なめにポタポタ垂らして、卵の味が薄まらないように気をつける。ご飯も当然炊きたてである。
TKGごときにそんな細かい配慮をすることで、ショボくれたイメージはなくなる。見た目はともかく、私の心の中ではゴージャスな一品に変身である。
烏骨鶏は全身真っ白や真っ黒なんだとか。その昔、中国では霊鳥として大事にされたらしい。そんな有難い話も頭に入れておけば、がぜん気分も上がる。
エンゲル係数的にはバカみたいだが、喫茶店でコーヒー飲んでも500円オーバーはザラである。そう考えたら安いものだ。
話は変わる。
夜の銀座で知らない人はいない名物が「みやざわ」のサンドイッチである。8丁目の洋食屋さんというか喫茶店のような小さな店なのだが、界隈のクラブやバー、スナックへの出前で有名だ。
もはや文化財的な存在といっても過言ではない。普通のサンドイッチなのだが、本気で美味しい。なぜだかは分からない。
アゲアゲ気分で飲んでいるせいでそう感じるのだろうか。いや、冷静に食べても実にウマい。
特に人気なのがタマゴサンドだ。優しい味わいで何個でも食べたくなる。でも、いつも気取って飲んでいる間にオネエサン達にかっさらわれて一切れぐらいしか食べられない。
パニーニとかベーグルだとか、よく分からない名前のオシャレ系?が世の中でデカい顔をしているが、「みやざわ」のサンドイッチに比べれば小僧みたいなものだ。意味不明でスイマセン。
まあ、昭和人である私にとって「みやざわ」のサンドイッチは長嶋茂雄みたいなものである。これまた意味不明だ。
出前じゃなくて直接お店に行ってワンサカ食べればいいのに、なぜかそういう気にはならない。
「出前してもらってこそウマい」。きっと背徳感のような気持ちが絶妙な調味料になっているのかもしれない。
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