2018年11月28日水曜日

おしんでえずく


今日はゲロの話を書く。食事中の人はパスしましょう。

今月の初め頃だったか、何年かぶりにゲロを吐いた。50代になってから初ゲロである。ある意味、ワクワクした。

「オレだってまだゲロ吐くほど飲んじゃうんだぜ、フォーエバーヤング!!」。そんな感覚である。

その日はいろいろとせわしなく、2時間ぐらいの間に、生ビール2杯、紹興酒2合、ウイスキーの水割り5~6杯を飲んだ。いつもよりペースが早過ぎた。その時点で結構酔っ払っていた。

もともと昼飯は食べないのだが、体重調整中だったから夜もちょこっとツマミを口にしたぐらいで空腹だったのもいけない。

そこでやめれば良かったのに、もう一軒バーに行き、ウィスキーをロックで飲み直し。

チビチビ舐めて帰れば良かったのに、マスターと無駄話ついでにアレコレとシングルモルトのオススメを調子に乗って飲む。


こちらはロックグラスに1~2㎝ぐらいの量で構わないのに、マスターがいちいち5~6㎝ほど注ぐ。それを4種類ほど飲んでしまい酩酊。

帰宅して一度は寝たのだが、さほど時間が経たないうちに無性に気持ちが悪いことに気づく。

しばし悩む。

「オレはゲロ吐くような歳じゃない」。

そんな固定観念がムダな我慢につながりムダに粘る。結局、ムダな抵抗だと悟り、トイレに行ってゲ~~である。

それでスッキリと眠れたから良しである。昔は一度ゲロが始まると朝まで何度も何度もトイレに駆け込んでいた。

黄色い胃液を何度も見るまで終了しなかったから毎度毎度ヘトヘトだった。若かったから耐えられたんだろう。

今回みたいな“一発終了”というパターンは珍しい。記憶にないぐらいだ。これも加齢のせいなのだろうか。鈍感力のなせるワザだとしたら加齢バンザイである。

ところで、ゲロという名称は実にマトを得ている言葉だ。語源を調べてみたら、酒を飲めない「下戸(ゲコ)」由来説もあるが、結局は、ゲーゲーしちゃうあの姿、いや、あの音の響きがルーツみたいだ。

「ゲエ」「ゲボ」と呼ぶ地域もあるようだが、どう頑張っても美しい印象の言葉にならないところがゲロの凄いところだ。

頭に「お」をつけて「おゲロ」と表現してもダメだ。親しみを込めて「ゲロちゃん」とか「ゲロ様」と呼んでみても親しみは湧かない。

「ゲロ」はもはや完全無欠な言葉だと思う。ゲロ、恐るべし。

でも、「ゲボ」とか言われると「ゲロ」のほうが上品に聞こえるから不思議である。ゲボ、これまた恐るべし。

難解に表現すれば「吐瀉物」である。これだって見るからにオゾましい字である。

さて、ゲロそのものではないが、その行為?については「もどす」「あげる」「えずく」など、ややマトモな用語が使える。

「えずく」なんてどことなく文化的な響きがしなくもない。今後は積極的に使おうかと思う。でお、漢字にすると「嘔吐く」と書くらしい。ちょっと恐い。

吐き気については古くから「悪心」(おしん)という由緒正しい?日本語がある。ツラいのを我慢するところがドラマの「おしん」を連想させる。悪くない。

「ムカムカして吐いちゃったよ」などと言わずに「おしんでえずいてしまった」と言ったほうがサムライみたいでカッコ良いと思う。

バカみたいな話を延々と書いてしまった。お詫び?にゲロにまつわる名曲を紹介したい。

なぎら健壱師匠の「教訓Ⅱ」である。ゲロ業界における名曲、神曲だと思う。

https://www.youtube.com/watch?v=jiZgQeyurm4&t=46s



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