2021年4月9日金曜日

コメの力



 

肉寿司である。あまり得意ではないのだが、仕方なく食べてみたら美味しかった。脂っぽい牛肉は敬遠したくなるが、コメの力でウマいウマいと食べてしまった。

 

八丁堀にある「梨の家」という焼肉屋さんで出てきた一品だ。この店は最近メニューを一新し、いろんな部位の肉が一枚単位から注文できるようになったので、焼肉があまり得意ではない私にも使い勝手が良い。

 

肉寿司を美味しく食べられたのはひとえにコメの力である。考えてみればコメが全てを支えているような食べ物は多い。脇役なのに主役と同等の働きをしているパターンである。

 



 

カレーやシチューを食べる際にはコメが無ければ話にならない。時々、レトルトカレーだけで酒のツマミにすることがあるが、やはり物足りない。コメがあってこそ成り立つ食べ物だ。

 

ちなみにこの画像の合い盛り状態は私の悪い癖である。レトルトのカレーやシチューの中にはマズいやつ、いや、自分の好みとは違う味の商品もあるため、未体験のレトルトを食べる際には2種類を合い盛りにしてマズかった場合に備える。

 

贅沢な自衛策である。エンゲル係数をまるで考えないこういう行動が私の体脂肪を増やし貯金を減らす。

 



 

こちらもコメありきの代表格である鰻重である。この画像は築地宮川本店での一枚。もちろん、ウナギは蒲焼きだけでも充分ウマいが、鰻重の完成度は別格だ。

 

硬めに炊いたタレが染みた白米が蒲焼きとともに口の中で融合する瞬間は、まるで口の中に神が舞い降りたかのような幸福を感じる。やはりコメの力を感じる。

 

某日、カニ飯が食べたくなって日本橋の「かに福」に出かけた、名物の「御かに飯」が人気の店だ。

 

以前にも食べたのだが、その時は満腹だったので一口二口そのまま味見した程度。本来の出汁をかけて食べるスタイルで味わったのは今回が初めて。

 



 

カニしゃぶの余った身も加えて絶妙な旨味の出汁をかけてかっ込んでみた。いやはや滋味の極みである。究極のオトナの味と呼んでもいいかもしれない。

 

これにしても仮にコメが無かったとしたらまるで別な物になってしまう。単なるカニの出汁がけだ。それでは感動は100分の1だろう。

 

単なる白米なのにそれがすべてを支配するかのような威力がある。普段何気なく食べているコメの力は想像以上に凄いわけだ。

 

別な日、珍しくビストロ的な店に行く機会があった。京橋にある「バンザイヴィーノ」というカジュアルな店だ。

 

以前、ウーバーイーツでこの店の「ポルチーニのリゾットオムライス」を注文してそのウマさに悶絶したので実店舗を訪ねてみたくなった。

 



 

オムレツで包んだリゾットはウーバー専用だったみたいでメニューには見当たらない。そのかわり「鴨ロースとポルチーニの土鍋リゾット」があったのでそれを注文。

 

ポルチーニ味のリゾットは理屈抜きにウマい。乾燥ポルチーニの戻し汁だと思うが、あのかぐわしい風味とコクがしっかりとコメを包んで悶えるほどの美味しさだ。

 

リゾットでも幸せなのだが、いま私が物凄く食べたいのがポルチーニのピラフである。ネットで時々調べてみるのだが、そのようなメニューを用意しているレストランを見つけられない。

 

ありそうでないメニューなんだろうか。都内中心部あたりでそんな料理を出すレストランがあればぜひ教えて欲しい。

 

冷凍食品の世界では「トリュフ香る3種のキノコのバターピラフ」(ニチレイ)や「芳醇ポルチーニクリームリゾット」(明治)などが存在していたが、両方とも今では手に入らない。

 

入手できないとなるとやたらと欲しくなるのが人間の業である。抜群にウマいポルチーニピラフをチャッチャと作ってくれる女性がいたら、きっと私は同棲を申し込むような気がする。




 

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