2021年7月7日水曜日

たいめいけんの2階にて

なんだかんだ言っても一番好きな食べ物は「ニッポンの洋食」だと思う昨今、頻繁に洋食屋さんに出かけている。

 

最近の私の行動範囲は中央区界隈に限られてきたが、銀座には煉瓦亭、グリルスイス、みかわや、資生堂パーラー、南蛮銀圓亭など洋食の有名店がいくつもある。

 

それぞれに個性があって気分に応じて使い分けられるのが良い。たかがチキンライス、たかがクリームコロッケを、されど、という打ち消し言葉で言い直したくなるお店ばかりだ。


中央区界隈で洋食といえば日本橋の「たいめいけん」も忘れてはならない存在。テレビに良く出てくる黒いシェフの店だ。残念ながらお店の建て替えでしばらくは味わえないと思っていたのだが、最近になって仮店舗を出したという情報を聞きつけ早速出かけてきた。

 

仮店舗なのに一から建てちゃったらしい。凄い話である。建て替え店舗が完成した際には、こちらの物件はどうなるのだろう。

 

さて、たいめいけんと言えば、1階席と2階席で路線を変えていることが特徴だ。2階席はゆったり高級路線で同じメニューでも値付けが違う。富豪向け?である。

 

ハレの気分で洋食を味わうには2階席のユッタリ感は有難い。この棲み分けについては8年ほど前にも書いたことがある。

 

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2013/07/2.html

 

仮店舗だから、1階2階の区分があるのか分からなかったのだが、しっかりそのスタイルは継続されていた。2階席だと予約も出来るのが魅力だ。これは大きい。

 

値段は高くなるが、たまの洋食である。いや、しょっちゅう洋食を食べているから単なる贅沢ともいえるが、今の時代、賑わっている場所より静かな場所にいたほうが良い。

 





エスカルゴにメンチカツ、タンシチューである。全部美味しい。メンチカツは上質なハンバーグを揚げたような迫力の一品。

 

デミソースより中濃ソースかウスターソースで食べたいところだったが、これはこれでアリ。肉汁ジュワジュワで悶絶した。

 



 

こちらはコキールだ。分かりやすく言うならグラタンやドリアの上だけである。カツ丼のご飯抜きであるカツ煮みたいなものだ。

 

ベシャメルソースの海で泳ぎたいほどのベシャメラーである私にとってコキールは洋食気分を満喫できる最高の一品だ。

 

たいめいけんのエビコキールはエビの他には何も感じないほどのベシャメル三昧の官能的な一品だった。

 

個人的には銀座・煉瓦亭のざく切りタマネギがてんこ盛りのコキールが大好物なのだが、こちらのベシャメル一辺倒のコキールも捨てがたい。

 

シュークリームの皮を捨てて中のカスタードだけを味わうような嬉しい背徳感がある。ちょっと変態的思考かも知れない。

 





 こちらは名物・たんぽぽオムライスである。かっさばく前と後の画像だ。洋食界のスーパースターである。無条件にウマい。ただただウットリしてただただうなずきながら味わう。

 

タマゴをいったい何個使っているのだろう。知りたいような知りたくないような抜群の美味しさである。バターもたっぷりなんだろう。そのあたりのことは考えないほうが身体に良さそうだ。

 

それにしても、建て替えで長期間味わえないと思っていたたいめいけんの味が日本橋の地で普通に楽しめるのは嬉しかった。

 

仮店舗とはいえ、2階席は適度な高級感があって居心地も良い。細かい値段を気にせず本気の洋食を本気で堪能したい気分ならオススメです。

 

 

 

 

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