2023年2月27日月曜日

スパゲッティー少年の今


自分流のパスタをちょくちょく作っている。最近は乾麺のパスタも茹で時間が34分のスグレモノがあるからお湯さえ沸かせばほんの数分でそこそこウマいパスタにありつける。

 


 

今のお気に入りがこの出来合いのパスタソースだ。茹でたてパスタ麺にあえるだけでそれっぽい味になる。これだけだと面白くないので、フライパンでこのソースを加熱する際に別途ツナ缶一個分のツナとシメジなどを加えるようにしている。

 

お湯さえ沸いていれば制作時間は5分である。「早茹で4分」表示のパスタを2分半ほど茹でてまだ硬い状態で温めたソースと和えれば程良いアルデンテになる。

 



 仕上げに粉末状の乾燥パセリやバジルを振りかけるのもアリだ。実に簡単にそれっぽい一皿が出来上がる。センスもワザもたいした材料も不要。横着パスタである。この画像は牡蠣も追加したときの一枚だがツナ缶とシメジだけでもそこそこ豪勢な感じになる。

 

思えばパスタという言葉がまだ一般的ではなかった頃からスパゲッティーが大好きな少年だった。昭和の子どもにとってのオフクロの味の一つがスパゲッティーミートソースだった。

 

アルデンテなんて誰も知らない半世紀近く前のことである。ミートソースかナポリタン、バジリコぐらいしか選択肢はなかった。もちろんミートソースをボロネーゼなどと呼ぶ人もいなかった。

 

イタリア・ボローニャが発祥のボロネーゼがいわゆるミートソースの原型だと知ったのは大人になってからだ。あくまで原型であって別モノである。いま思えば昔のミートソースは日本の家庭料理だったようにも感じる。

 




本場ボローニャで食べたボロネーゼと私が作ったミートソースである。当たり前だがまるで別モノだ。本場でボロネーゼといえば平打ち麺が絶対条件になっている。わが簡単パスタと共通するのは挽肉という点だけだ。本場のほうが当然ウマそうだが私流も結構イケてるのは私がよく知っている。

 

昔のミートソースは子ども向けに家庭のお母さんが作る味だったからどこか優しく甘さも感じられた。小学校の給食で出てきたミートソースもデパートのレストランで食べたミートソースも何となく甘かった覚えがある。当時のレトルトパスタソースにもそんな印象があった。

 

私が作るミートソースもあえて甘さを意識している。市販のなるべくベタなレトルトパスタソースを使うのがポイントだ。ボロネーゼ表記ではなくあくまでミートソースと謳ってある商品を選ぶ。

 

そこに塩コショウして炒めた合い挽き肉を大量に投入する。肉ゴロゴロ状態にしないとワクワクしないからここは大事だ。1人前のパスタソースあたり最低でも100グラムは挽肉を追加する。

 

これだけでもウマいのだが、この贅沢パスタソースに蜂蜜かメープルシロップをちょろっと入れると適度な甘味が加わって良い意味で“子供騙し的な嬉しい味”に進化する。

 

上の画像のミートソースはついでに細かくハサミでカットしたエリンギも投入している。食感に変化が加わって悪くない。これまたセンスもワザも不要な簡単パスタソースである。

 

オイル系とミートソース系ばかり作っているので時には出来合いのトマトソースを使うこともある。ちょっと値の張るイタリア製の瓶詰めあたりだとまず大外れはない。牡蠣をてんこ盛りにした贅沢パスタもちょくちょく作っている。

 


 

自家製簡単パスタにおける個人的な問題点はクリームソース系が作れないことだ。わが家の冷蔵庫には牛乳も生クリームもない。パスタソースのためだけに牛乳をわざわざ買うのもシャクである。

 

やたらと牡蠣のパスタが食べたくなる私だが、クリームソースにしたら更にウマそうである。ポルチーニやらトリュフやらもどちらかといえばクリーム系にマッチするからこの課題を突破しない限りウチでは味わえないわけだ。

 





これまで何度か出かけたイタリアではそれこそバカみたいにいろんなパスタを味わってきたが、漠然と思い出すのはクリームソース系の逸品が多い。チーズの使い方も私の“イージーパスタ”では再現出来ない。残念である。

 

まあ、キチンと材料を揃えてもっと真面目に料理に取り組めば済む話なのだが、そこまで頑張ると何となく負けた気がするので、仕方なくチョチョチョイのチョイで作れる範囲で我慢しようと思う。

 

 

 

 

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