2023年12月6日水曜日

カレーじゃないレトルト


富豪記者などと名乗る割にはこのブログではジャンク系の話もずいぶん書いてきた。富豪には程遠い私の現実である。いや、たとえ大富豪になったとしてもジャンクメシを好む私の嗜好は変わらないはずだ。

 

離婚して独り身になって以降、レトルト食品にもずいぶん詳しくなった。10年ぐらい前に日本中からレトルトカレーを取り寄せて味比べもした。一応、富豪を目指す身としては一個3千円ぐらいのレトルトカレーも試した。

 

5年以上前にレトルトカレーを熱く語ったが、今もこの頃と好みは変わらない。マイルドでコメに合って朝飯として食べられる味わいのものを選びがちだ。

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2017/08/100.html

 

上のレトルトに加えて最近好むようになったのが「日本橋本石町カレー」である。自宅付近の名を冠したカレーだったからついつい買ってみたのだが、欧風とも違うニッポンの昔のカレーライスを思い起こさせる味が気に入った。

 



世の中にレトルトカレーは数千種類も存在すると言われる。まだまだビックリするほどウマい逸品もあるのだろうが、カレーはカレーである。頭の中がカレー気分になっていないと食べる気にならない。

 

私の場合、レトルトは時間のない朝にやっつけメシとして食べるのが基本だ。カレー気分じゃない時には「シチュー」か「ハヤシ」を選ぶことになる。

 

カレーと違ってシチューやハヤシはレトルトの世界においてまだまだ市場が成熟しているとは言い難い。国民食であるカレーに比べると商品数も少ない。もっともっと発展してほしいと切に願う。

 

最近はなぜか「朝からハヤシライス」というパターンが多い。辛さがちっとも欲しくない気分なんだと思う。いろいろなレトルトハヤシを味比べしながら自分の好みの商品を模索中だ。

 




そもそもハヤシライスの味はカレーほどには定まっていない印象がある。トマト風味が強いヤツ、デミソースっぽいヤツ、妙に酸味しか感じないヤツなど、言ってみれば「定義なき謎の味」である。

 

私自身、自分がどういう系統のハヤシが好きなのかハッキリ分かっていないのかもしれない。いくつもレトルトハヤシを試してみたが、どれも美味しいとも言えるし、どれもイマイチとも言える。その日の気分でも印象が違う。カメレオンみたいな食べものがハヤシライスの正体である。

 

上の画像のハヤシライスは分類すれば廉価版である。かたや銀座、かたや洋食屋という実に思わせぶりなネーミングの印象戦略によって商品化されている。

 

どちらもマズくはない。ただ、高価なレトルトハヤシに比べるとやや味に深みがない。コクが足りない感じ。でも変に酸味ばかり目立つようなわけでもなく無難にまとまった味だ。軽く焼いた牛肉でも追加でトッピングして食べたらそれなりのご馳走になるように思った。

 




こちらは有名店の味を再現したというフレコミのそこそこ高級路線のレトルトハヤシ。洋食のパイオニア的な資生堂パーラーとニッポンカレーの元祖的存在の新宿中村屋である。

 

資生堂パーラーのレトルトハヤシはやや酸味が強め、中村屋のは酸味よりビーフシチュー寄りのコッテリ系だった。2つとも廉価版よりは値段の分だけ味わいに複雑味を感じる。具材の量も多い。

 

やはり、こちらもちょっといい牛肉の薄切りなんかを追加投入したらかなり豪華な一品に変身すると思う。まあ、そんな手間をかけたら手軽さというレトルトの意味を失うが、逆にたったそれだけでレストランもビックリの立派な一品が簡単に作れる。

 

いろいろ食べてみて私自身の好みはシチュー寄りのハヤシだというのが現状の結論だ。色合いも茶系よりも黒系だ。老舗洋食屋めぐりが好きだからデミグラス系のほうにより親しみを感じる。

 

では、ハヤシではなくビーフシチューのレトルトを選ぶべきだとも言えるが、たいていのレトルトシチューには問題がある。芋やニンジンが威張りくさって入っているのがその問題である。私にとっては敵だ。

 

食べる前に芋やニンジンを捨てれば済むのだが、そうするとシチューの量がグッと減った感じになる。ただでさえ侘しいレトルトという食べ物がことさらシャバダバな感じになるから困りものだ。

 

そんな私に光を与えてくれたレトルトシチューが下の画像の一品だ。湯島にある洋食の名店「さくらい」監修のビーフシチューである。

 



文京区民の頃には「さくらい」に何度か出かけた。東京の数ある洋食屋さんの中でもトップレベルの味が楽しめる名店だと思う。そんな思い出補正も加わってこのレトルトシチューはとても気に入っている。

 

芋も入ってはいたが小ぶりで威張った感じではない。ニンジンも見当たらなかったと思う。それよりもソースにコクや深みがあってなかなかのご馳走感を楽しめる。

 

硬めに炊いたご飯を大盛りによそってその横にこのシチューを注ぎ込み、福神漬もトッピングして大口を開けて頬張る。実に幸せなひとときである。そんな朝ごはんを嬉々として食べているわけだから私の健康状態は良好そのものだと思う。

 

 

 

 

 

 

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