繁華街がどことなく寂しい感じになっていることは以前にも書いたが、昨今の不況風は、夜の街から確実に活気を奪っている。
週刊誌などでも、銀座のホステスさんが不況で悲鳴みたいなノリの記事が増えているが、実際に客足は減り続けている様子。
私のような不真面目な客にも「いつ来るんだ?」、「早く来い!」、「何してるんだ!ばか」みたいなお誘いとか脅迫めいたお誘いが増えてきた。
その昔、ホステスさんの営業攻勢は、当然ながら電話が多かった。携帯の普及前は、彼女たちも会社宛に電話しなければならないわけで、それなりに面倒だっただろう。
いまはメールの進歩で、馴染み客に対して一斉に同じ文面を送れるわけだから、昔のホステスさんからすれば、IT化はうらやましいはずだ。
会社宛に電話がかかってきても、会議中だの不在だの、はたまた、取り次ぐ女性社員にあらかじめ伝達しておけば、最初からガードしちゃえた時代が懐かしい。
携帯にかかってくる電話は、おせっかいに誰からいつ連絡が来たのか記録されるので、すっとぼけられないのが困る。電子メールは、突然飛び込んでくるうえに、やはり受信記録が残り続けて気になる。
私の場合、営業されたから店に顔を出すパターンってあんまり無いと思う。ふらっと行きたいときに行くパターンが多い私には、あまり熱心にお誘いされても、効果がないような気がする。
ただ、営業メールのおかげで、忘れちゃってた店を思い出すこともあるので、まあ仕方ない話。いざ行ったときにノンビリくつろがせてもらうためには、営業攻勢に付き合うような浮世の義理も必要だ。
ホステスさん達も、いわゆる売上げ制の場合、店という場所を借りているだけの一種の個人事業主のような存在。コストも自腹、ツケで飲まれた分の保証も自腹。不況になるとツケの踏み倒しが結構悲劇を呼ぶらしい。
気前よく飲んでいたほうは、いざ払えなくなっても、無いものは無いと無責任に逃げる。ウイスキーの原価を考えて、あとは氷や水くらいなんだから、高額なお勘定とはいえ、店の損害は大したことないとタカをくくる客も少なくない。
確かに物理的な原価を考えればそう考えそうだが、取りっぱぐれになった金額は、そのままホステスさんが弁償するわけだから、原価うんぬんの話では済まない。なかなか厳しい話だ。
店の帰り際に、支払いもせずにスッと出て行くのは確かにラクだし、気分のいいものだろう。接待相手への気配りとかを大義名分にその場で支払わず後日まとめて支払う客は多い。
私の場合、あとから請求書が送られてくるのが単純に好きではないので、その場で精算する。同席した相手に気配りしたければ洗面のついでに支払えばすむこと。
だからおもむろに立ち上がって「それじゃ」ひと言、颯爽と店をあとにするような経験がない。いつもダラダラ。
ホステスさん達がちゃんと確定申告をしていればという前提つきだが、今度の申告シーズンには、夜の世界からの貸し倒れ損失の計上が爆発的に増えることは確実だ。
ついでに無防備な私への営業攻勢も不況とともに強まることは確実だろう。
2008年11月18日火曜日
夜の貸し倒れ
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2 件のコメント:
元彼の携帯が一定時間になるとリンリン大ラッシュだった事を思い出しました。
当然一緒にいる時には無視するのですが、どこか誇らしげだったのを覚えています。
銀座のホステスさんからの夜7時前後の猛烈アタックとは、多分男の勲章なのだと思います。本気で嫌なら着信拒否できますし…。
このご時世になり、狙いは中途半端な小金持ちは排除されて富豪記者様レベルに集中攻撃…攻勢が一層強まる事は必然ですね。
それこそ真の勲章ですよね♪
rinrin さん,ご無沙汰しております。
こんなことを男の勲章などと持ち上げていただくと、魔界の女性達の思うツボになってしまいます!!
でも、誘われなくなったら、それはそれで寂しく感じるのかも知れません。なんとも愚かで深いテーマです。
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