2008年11月21日金曜日

ドカ食い

さすがに年とともにドカ食いをする機会がめっきり減った。もともと食道が広くて満腹中枢指令に問題がある私は、結構な大食い生活をしてきたような気がする。

中学生の頃、マクドナルドのハンバーガーを腹一杯食べさせろと母親にせがみ、とことん食べたことがある。ビックマック2つを含んで合計9個。かなり満足した。

100円マックなど無い時代、マックも決して安い食べ物ではなかった気がする。母親が想定外の出費に怒っていたことを思い出す。

いまでも、物凄く牛丼が食べたいときなら大盛り2個ぐらいは余裕で食べられる。多分並盛りなら3個は楽勝だろう。

2杯とか3杯と書かずに2個、3個と表現するのには理由がある。さすがに店内で大量に一人で食べるのは恥ずかしい。そのため、大家族を養っているかのような顔をしてテイクアウトをする。だから2個とか3個と書いたほうがピンとくる。

先日、久しぶりにちょっとした暴飲暴食をした。場所は池袋の高くない居酒屋。高くない店だが、ちょっとした料理類が美味しく、締めに本格的な手打ち蕎麦をバリエーション豊かに楽しめる店だ。

生ビールを2杯、その後は秋鹿という大阪の日本酒をアレコレ頼んだ。にごり酒、純米酒、純米吟醸など、製法ごとの違いを味わうという大義名分で痛飲してしまった。

食べたものは、刺身類は、しめ鯖とメジマグロ。これ以外に、この日は鯨を食べたい気分だったので皮鯨とさえずりを頼んだ。

前者は文字通り皮と身の間の脂が嬉しい部分で皮下脂肪の味わいが堪能できる。後者は鯨の舌、すなわちタンを茹でたもの。この日は両方とも酢味噌和えで食べた。

焼酎と合わせたかったが、いつの間にか、この店の酒メニューから焼酎が消滅しており、結局、冷酒の肴として楽しんだ。

出来たてを堪能できる海老の飛竜頭(がんもどきみたいな一品)も妙にうまかったので酒が止まらない。

ついでに穴子の白焼きも注文する。この辺から私の満腹中枢は機能が停止する。

酒がうまいせいで、からすみも頼む。これじゃあ酒は止まらない。普通の人ならこのあたりで満腹になるはずだが、いろいろムシャクシャしてたので、酒盗ももらって酒を飲む。

締めの日本蕎麦がウリの店に入った以上、私の単純な脳みそは「最後は蕎麦だろう」と決めつけている。満腹であることは忘れてしまっているから困る。

ここで難問。冷たい蕎麦か温かい蕎麦か、どちらかに決められない酔っぱらった私の結論は、「両方頼んでしまえば済む話だ」。

まず温かい蕎麦として、初挑戦の「釜揚げたまご蕎麦」を注文してみた。ゆであがって湯切りしたアツアツの蕎麦がボウルの中で溶いた生卵と混ざり合う。そこに熱いだし汁が麺全体に絡む程度に注がれる。

温かい蕎麦といっても、つゆがタップリ入っている蕎麦ではなく、つゆとタマゴの和え麺だ。麺の上にはシラスと鶏そぼろがトッピングされていた。

変な蕎麦ともいえるが、すこぶる旨い。生卵かけご飯が好きな人なら気に入るはず。でも結構ボリューム感があって、ようやく私も苦しさを感じ始めた。

そこに既に注文済みの次なる冷たい蕎麦、粗挽き田舎蕎麦が運ばれてきた。キリッとして旨い。多少、口の中に生卵的感覚が残っていたせいもあって、さっぱりした冷たい蕎麦は、満腹指令にお構いなく、ズルズルっと私の喉を通過する。

食道が人より広い人間はこういうときでも、むせたりすることはない。同じペースでズルズルっと私の胃袋は拡がり続ける

結局完食。おまけにトロリとした濃~い蕎麦湯がまた旨くてこれまたグビグビ。

これじゃあ痩せるわけがない。

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